暮らしで活きる「美」を一堂に。 用の美とこころ「民藝展」 高島屋大阪店で開催

株式会社高島屋

民芸の愉しみをふたつ。「展覧会」と「展示・即売」を高島屋大阪店で同時に開催いたします。 高島屋は、民芸と共に歩んで約100年。 大正時代末期に、思想家の柳宗悦(1889-1961)を中心に、陶芸家の濱田庄司、河井寬次郎、バーナード・リーチらが提唱した民芸運動は、高価で贅沢な美術品ではなく、名もない工人が作った、日常の生活道具が持つ無意識の美しさを知ろう、という運動でした。 やがて、民芸運動は大きな共感を呼び、柳が、全国から蒐集した民芸品を展観する「日本民藝館」が1936年(昭和11年)、東京・駒場の地に設立されます。「日本民藝館」を開設以来、優れた民芸品の蒐集や保存、展覧会の活動などがなされ、2016年10月に創設80周年を迎え、本年は、民芸提唱から90年を迎えました。 高島屋は当初から民芸の普及を応援してきました。「日本民藝館」の設立に先立って、約2万点を展示即売した「現代日本民藝展覧會」を日本橋と大阪の高島屋で開催(1934年、1935年)し、日本で初めての大規模催として話題になり、「日本民藝館」設立の機運につながるなど、民芸との関わりは100年近くにものぼります。 今回の展覧会「民藝の日本」と、展示即売「民藝展」も、そのような経緯を受けて開催が実現しました。 高島屋はこれからも、生活文化を創造し、伝統を継承していく百貨店として、「美しい暮らしのお手伝い」の観点から、誠実につくられた民芸の器や道具をご紹介していきたいと考えています。 展覧会「民藝の日本」の会場では、「民芸」のルーツと、「民芸」の黄金期であった江戸時代後期から、昭和時代(1950年代頃)に焦点をあて、柳宗悦が日本各地で蒐集した日本民藝館の所蔵品を中心に各地の民芸館の所蔵品を加え170点の優品で構成します。また、同時に開催する「民藝展」の会場では、全国の民芸品約1万点の展示販売会を行います。 用の美とこころ 「民藝展」 (展示・即売) について ■柳宗悦の民芸運動の継続・実践を担う、「配り手」たち 民芸のこころを伝える「配り手」であり、民芸運動と共に歩み、現在も「民芸のセレクトショップ」として注目を集める3つの名店(鳥取たくみ工芸店、くらしのギャラリー(岡山県民芸振興株式会社)、銀座たくみ)を会場でご紹介して販売するとともに、昭和初期から民芸運動に共感をしてきた高島屋が、今回もバイヤーが各地をめぐり、工人たちと出会って集めた、各地の貴重な民芸が勢ぞろいし、約1万点を展示・即売いたします。 ○鳥取たくみ工芸店(鳥取県) 昭和7年6月に誕生した日本初の民芸店。柳宗悦の民芸運動に共感した吉田璋也が設立し、民芸の美(用の美)を日常の生活に取り入れるため、自らがプロデューサーとなって現代の用途に合わせて新たにデザインや、製作の指導を行い、普及する活動(=「新作民芸運動」)を行いました。鳥取の窯元の器や工芸品などが中心に揃います。     ○くらしのギャラリー(岡山県) 昭和22年設立。終戦後、各地方での民芸運動が活発に動き始める中、創設者の杉岡泰も帰郷した岡山で、初代倉敷民藝館館長・外村吉之介、大原美術館・大原総一郎、天満屋百貨店・伊原木伍郎の協力のもと、天満屋百貨店の売場の一角で民芸品の販売・普及活動を開始。岡山だけにとどまらず、全国の作り手とともに、「今の暮らしに寄り添う民芸品」の頒布活動を行っています。         ○銀座たくみ(東京都) 昭和8年設立。柳宗悦、河井寬次郎、濱田庄司、吉田璋也たちにより、地方の民芸品を振興し、現代生活に適したものとして普及するための店として東京・銀座に作られた。日本民藝協会も半年あとに発足し、共同して高島屋での150坪以上の会場を使って、全国から集めた民芸品の展示即売会を昭和9年に開催しました。その後も80余年にわたって日本や海外の民芸の品や手仕事を支え、広め続けています。 ■現代の、民芸の「作り手」たちの意欲作を一堂に 【商品一例】 ○愛知県 瀬戸焼  瀬戸本業窯 江戸時代の後期の創業で250年の歴史をもつ瀬戸焼の窯元。民芸の思想に基づき、創業以来、手仕事による実用陶器を作り続けています。可愛らしくてどこか上品な黄瀬戸や、伝統的な柄で描く麦わら手や馬の目など、瀬戸の土と釉薬が醸し出す、味わい深い器が揃います。 ○長野県 松本民芸家具 昭和23年、民芸運動に参画した池田三四郎が300年以上続く信州・松本の伝統的木工を継承すべく創業し、初期民芸運動を牽引してきた柳宗悦、バーナード・リーチなどの諸先達によって育てられてきた松本民芸家具。今も変わらず国産の広葉樹材を用い、伝統の手仕事により生み出された家具を展示販売いたします。 ■まだまだ出会える!民芸の精神を受け継ぐ、話題の店や作り手たち ○plug(兵庫県) 六古窯のひとつとされる丹波焼をはじめ、丹波布など、古くからものづくりが根付く土地、丹波篠山や、周辺地域の作家作品を紹介する生活道具店。丹波焼を中心に、暮らしの中で使いやすいモノ、暮らしに根ざしてものを作る職人たちの実用品にこだわり、独自の感性で選定し提案しています。 ○砥部ちゃわんやの会<工藤省治、中田正隆、芥川正明、岡田威、山田雅之>愛媛県 ※9月27日(水)~10月3日(火)6階中央エスカレーター横特設コーナー (最終日は午後5時閉場) 大洲藩主の命により、砥石くずを使った磁器生産を始めたことがはじまり。白磁に溶け込んだ呉須絵や厚手の形は、和食にも洋食にもマッチします。近年では女性作家や若い陶工たちの活躍も目覚ましく、魅力がさらに広がり続けています。 ■「民藝運動フィルムアーカイブ」の貴重な記録映像を公開 ※7階催会場内特設コーナー カナダ人映画監督マーティ・グロス氏は、40年以上にわたり日本の民芸運動に関する映像・録音記録を、各方面の協力を得て収集・保存してきました。これらの記録を修復し、デジタル化をしたうえで、バーナード・リーチ、濱田庄司らのナレーションとともに再構成して、民芸運動を人類の確かな記憶としてとどめようとする取組みが、「民藝運動フィルムアーカイブ」です。ここには、マーティ・グロス氏自身が、晩年のバーナード・リーチから直接託された貴重な映像フィルムや、録音素材が多く含まれています。未公開・未発表の記録も多く、それらを通じて柳宗悦や濱田庄司、バーナード・リーチら先駆者たちの活動や、当時のものづくりの現場の様子をうかがい知ることができます。 民芸活動は世紀を超え、国境を越えて受け継がれる、日本の重要な文化運動です。しかしながら、社会状況の変遷とともに、初期民芸運動が関わった技術の中には、後継者不足などの問題により、すでに姿を消してしまったものや忘れ去られようとしているものも多く見受けられます。またそれらを記録した古いフィルムも同様に、容赦ない時の経過による劣化を免れることは大変困難です。そのため、これらオリジナルフィルムの修復や、デジタル化が急がれています。 マーティ・グロス氏は、自身のライフワークとしてこの作業に取り組むと同時に、度重なる来日の都度、関係者らへの取材やインタビューを重ねてきました。民芸運動・文化の保存のための助成や寄付などが、その活動を支えています。 この「民藝運動フィルムアーカイブ」は、平成30年を目途に一応の完成を見込こめるに至っており、完成後には美術館・博物館などで公開するとともに、DVD化や、カナダ・トロント大学との共同事業として、オンライン公開の「デジタルアーカイブ化」も計画されています。 今回は、高島屋で開催する「民藝展」のために貴重な記録映像を新規編集。バーナード・リーチ本人が撮影した貴重な フィルムや、初公開映像も含めて会場でご覧いただけます。 【展覧会同時開催】 ~美の始まりは、旅にあった。~  日本民藝館創設80周年記念 「民藝の日本」   会  期    :9月27日(水)~10月9日(月・祝)  会  場    :大阪高島屋7階グランドホール 入場時間    :午前10時~午後7時30分 (午後8時閉場)  ※最終日は、午後4時30分まで(午後5時閉場) ※9月29日(金)、30日(土)、10月6日(金)、7日(土)は午後8時まで(午後8時30分閉場) 入場料(税込) :一般800円、大学・高校生600円、中学生以下無料 主  催    :NHK大阪放送局、NHKプラネット近畿、日本民藝館、朝日新聞社 制作協力     :NHKプロモーション   後  援     :日本民藝協会

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