より効果のある治療を望む患者さんの52%は、「生物学的製剤に関して知らない/どのようなものか分からない」と回答
日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:パトリック・ジョンソン、以下「日本イーライリリー」)と鳥居薬品株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高木 正一郎、以下「鳥居薬品」)は、このたび、中等症・重症の尋常性乾癬の患者さん144名、尋常性乾癬の治療を行っている医師159名を対象に、両者の乾癬治療に対する認識や傾向について理解を深めることを目的に意識調査を実施いたしました。
その結果、乾癬治療における、治療目標やコミュニケーションについて、患者さんと医師の間にギャップが存在すること、また、患者さんにおいては、通院する施設によって治療環境が異なることが浮き彫りになりました。
【主な結果】
(1)中等症・重症患者さんの50%が「皮膚病変の完全な消失を達成すること」を本当は治療目標にしたいと思っている一方、同様の目標を掲げる医師は10%未満
(2)医師は、中等症・重症の患者さんの約60%は「治療に満足している」と思っているが、実際に「治療に満足している」と回答した中等症・重症の患者さんは33%
(3)中等症・重症患者さんの39%が、「きちんと医師に治療目標を伝えられていない」と回答し、「多くの患者さんが治療目標を伝えていると思っている」と回答した医師も40%に留まる
(4)中等症・重症患者さんの91%、医師の78%が「治療目標を共有することがより良い治療につながる」と考えている
(5)中等症・重症患者さんの90%が「より効果のある治療を受けたい」と思っているが、そのうち生物学的製剤について「知らない/どのようなものか分からない」と答えた人は52%
(6)生物学的製剤承認施設に通院する中等症・重症の患者さんのほうが、非承認施設に通院する中等症・重症の患者さんと比較して治療満足度は高い(59%:21%)が、通院時間に対しては不満度が高く(41%:22%)、通院時間がより長くかかっていた(30分以上は59 %:28 %、1時間以上は22%:5%)
本調査を監修した東京医科大学皮膚科教授・大久保ゆかり先生は、この調査結果を受けて、次のように述べています。「本調査結果から、乾癬患者さんと医療者の間で、治療ゴールと日常診療におけるコミュニケーションにギャップがあることがわかりました。それぞれの患者さんに合った満足度の高い治療を実現するために、患者さんは医師に自分の治療目標を伝え、また医師は、患者さんに幅広い治療選択肢を提示するとともに、皮疹が残っている状態であれば、現状に満足しているかを必ず尋ねるようにします。医療者と患者さんが一緒に治療方針を決定していくためにコミュニケーションを図ることが大切です。」
また、同じく本調査を監修した日本最大の乾癬患者支援団体である日本乾癬患者連合会の柴崎弘之会長は、次のように述べています。「このたびの調査から、50%の中等症・重症の乾癬患者さんが皮膚病変の完全な消失を達成したいという治療目標を本当は持っていることが示されました。患者さんご自身が、疾患と治療オプションについて正しい知識を得て、自分の治療目標を医師に伝え話し合うことができると共に、また居住地域や生活環境に寄らず、患者さんが適切な治療にたどり着ける環境が整うことを願っています。」
日本イーライリリーと鳥居薬品は、乾癬患者さんの症状の改善とQOL向上を願い、乾癬患者さんを取り巻く環境の向上に貢献したいと考えています。
【調査概要】
調査名:乾癬患者さんと治療医による乾癬治療に関する意識調査
調査対象:
(1)定期的に医療機関に通院している罹病歴2年以上の中等症・重症の尋常性乾癬患者さん(尋常性乾癬以外の乾癬併発者は除く)
(2)尋常性乾癬を月に10人以上診察している皮膚科医
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査時期:2016年8月
監修:東京医科大学 皮膚科 教授 大久保 ゆかり先生
日本乾癬患者連合会 会長 柴崎 弘之様
その他の調査結果は下記URLからご確認ください。
https://www.lilly.co.jp/_Assets/pdf/pressrelease/2016/16-56_co.jp.pdf