【ニュースレター】<ヤマハ発動機の原点 第2回>2つのヤマハ、シンボルマークの音叉と「YAMAHA」のアルファベットの違い

ヤマハ発動機株式会社

~ロゴからひもとく、モノづくり企業としてのそれぞれの想い~

2つヤマハのロゴ(左がヤマハ株式会社、右がヤマハ発動機株式会社)
楽器からオートバイ製造へ
 ヤマハ発動機株式会社とヤマハ株式会社。両社のロゴマークでは、音叉マークと「YAMAHA」のアルファベットが使われていますが、よく見比べると音叉の配置やアルファベットの形が異なります。共通するシンボルを持ちながらも両社のロゴに違いを持たせている背景には、それぞれのモノづくり企業としての想いが秘められています。
 両社のロゴの違いの本題に入る前に、そもそもなぜ輸送機器メーカーの当社がそのシンボルに音叉を採用したのかということに簡単に触れたいと思います。当社のオートバイ製造は、ヤマハの前身でピアノづくりを行う日本楽器製造の第4代社長川上源一の発案で始まりました。戦時中の軍需の中で、日本楽器製造は航空機用プロペラの製造にも携わりましたが、残された工作機械の活用を考えたことが、オートバイ事業の誕生へとつながりました。
 こうした経緯から、ヤマハ発動機の初代モデルとされる「YA-1」は、実際にはヤマハ発動機設立後ではなく、日本楽器製造時代に開発・製造・発売されています。その後オートバイ製造部門を独立・分離する形で1955年にできたのがヤマハ発動機です。異なる企業体になっても、原点となる日本楽器製造の精神を継承するため、ヤマハ発動機でも音叉をロゴとして採用しました。
 
ヤマハ発動機のオートバイ初代モデル「YA-1」のカタログ。右下には「日本楽器」の社名が記載されている

ロゴにまつわる両社の逸話
 それでは本題の両社のロゴの違いを詳しく見てみましょう。まず音叉の形を見ると、ヤマハ発動機のロゴは音叉の持ち手が円と重なる配置になっているのに対し、ヤマハの音叉は円から持ち手が離れています。また「YAMAHA」のアルファベットは、ヤマハ発動機は「M」の中央が下に付き左右対称。一方ヤマハのロゴは、音叉が円から離れ、「M」の中央は下に付かず左右非対称です。
 ヤマハ発動機のロゴについては、当社に40年以上勤め創業当時を知る諸先輩からロゴについての話をよく聞いていたという社員から、こんな逸話が聞かれました。「音叉マークをオートバイのホイールに見立てるため、(持ち手が)円まで伸びている」「陸を走行する輸送機器を製造する企業として、製品の安定感を表すため、Mの中央を地面に着け左右対称の形にしている」。ヤマハのロゴについても同社で語り継がれている逸話があるといいます。同社によると、「初期の音叉マークには外円がなく、昭和に入ってからはピアノのシルエットと組み合わせて使っていたが、外円で世界に伸びゆく生命力を表すようになった」、アルファベットの形については「楽器をはじめとする多様な商品に付けて使用されても、優雅さとリズム感が出るように調整した」と明かします。
 一見すると同じように見えるヤマハ発動機とヤマハのロゴですが、その歴史をひもとくと、それぞれの製品づくりへの考えが反映されていることが分かります。異なる進化を遂げてきた2つのヤマハの歩みが、ロゴという形で表現されていることを、皆様にもぜひ知っていただければと思います。
 
2026年6月に発売された「XSR155 ABS」。エンジンタンクの両サイドには左右対称のYAMAHAロゴが貼られている

■広報担当者より
ロゴの違いをニュースレターで記事にするあたり、歴史を知る様々な方に取材をしました。当社の「YAMAHA」ロゴについては、「オートバイがあらゆる角度から見られる工業製品であることを考慮し、例えばエンジンタンクの両側面に貼られるロゴはどちらから見ても統一感を感じられるよう、左右対称にしたと聞いたことがある」といった逸話も聞かれました。ロゴの違いをきっかけに歴史をたどると、そこには資料からは見えてこない当時の社員の思いが隠れていました。真実かどうかを超えて語り継がれるこうしたエピソードもまた、ヤマハ発動機の歴史を形づくる大切な財産です。これからロゴを目にしたとき、先人たちのこだわりや時代背景にも思いを巡らせていただければ幸いです。
 

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