人工関節置換術、年々手術数が増加、膝は10年で1.5倍に 医療ビッグデータで明らかに

メディカル・データ・ビジョン株式会社

メディカル・データ・ビジョン株式会社(以下 MDV)は、保有する国内最大規模の診療データベースを用いて、人工関節置換術の患者数を集計しました。今回の集計は2016年1月から2025年12月までの期間、継続的にデータを集計できる229施設を対象に人工関節置換術全体と8部位(膝、股、肩、指、肘、足、肩鎖、手)の患者数を年別にまとめました。その結果、患者数は年々増加していることが分かりました。人工膝関節置換術は変形性膝関節症などで損傷した膝関節の表面を金属やポリエチレンに置き換え、痛みを取り除き歩行能力を改善する手術です。その患者数は10年間で5,976人から9,079人へと約1.5倍に増加しています。
 

 
■東京女子医科大学整形外科 伊藤匡史医師のコメント

人工膝関節置換術を適応する患者さんの疾患は変形性膝関節症が大半で、その他には膝の骨壊死、リウマチなどが挙げられます。痛みを取り除く(除痛)、特に歩くときや階段昇降時の痛みを減らすことを通じた生活の質(QOL)向上を目指します。

患者数の増加は人口の高齢化による側面もありますが、治療技術と人工関節の性能向上に依り、より若い患者さんにも手術が行われるようになったことも要因です。術式には、膝関節の表面全体を置き換える人工膝関節全置換術(TKA)と主に内側のみを部分的に置き換える単顆型人工膝関節置換術(UKA)の大きく2つに分けられます。あらゆる変形に対応可能なTKAが全体の85%を占めます(日本人工関節登録制度年次報告書 2023年集計より)

TKAかUKAのどちらを選ぶかについては、変形の度合い、年齢や術後の生活スタイルなどで総合的に判断します。変形の程度が大きい場合は通常TKAが適応となりますが、高齢で体力のない患者さんでは、耐久性よりも体への負担の少なさを優先してUKAを選択することもあります。
TKAの特長としては脚がまっすぐになるので、変形性膝関節症により長年、極度なO脚に悩んでいた患者さんは、見た目が改善するので喜ばれます。

術後の運動制限に関して私の場合、患者さんに対して、激しくぶつかるような大きな負荷(重さ)のかかるスポーツなどは避けるようにアドバイスしていますが、ゴルフや軽いジョギング程度の動作は制限していません。患者さんそれぞれの状況が異なりますので、一概には言えませんが、手術の最大の目標は「痛みが改善し、元の日常生活を取り戻すこと」です。そのため、動作制限を必要以上に厳しくすることは、その目標から遠ざかると考えています。

その他のリリース

話題のリリース

機能と特徴

お知らせ