「芸」で続ける透析生活とその食事。腹膜透析でこの道を続けられることに感謝しています!【患者さんの体験談】

NPO法人 腎臓サポート協会

腎臓病と闘う人にとって、同じ病気を持つ先輩患者さんから聞く体験談は何よりも心の支えになるもの。「腎臓病なんでもサイト」では、さまざまな患者さんに、病気の受けとめ方や乗り越えた経緯、ご家族のサポートなど、貴重なお話を伺っています。 今回の体験談は、お箏(こと)の大師匠である瀧澤さん。 お酒も食べることも大好きで、印刷会社の社長時代は毎日、仕事が終わるとおつきあいもあり、飲んで食べてという生活でした。 そのせいか30代で糖尿病を発症し、その後、結核や白内障、腎不全と病気に襲われました。2年前に導入したCAPDのおかげで体調もよくなり、今はお箏のお弟子さんたちとともに、好きな道を続けられる喜びを話してくださいました。 (※職業・年齢や治療法は、取材当時のものです。) ―――――――――――――――――――――――――― ■瀧澤 憲一さん(68才 男性) ―――――――――――――――――――――――――― 患者さんプロフィール: 1947年3月生まれ。68才。二水会 会主 生田流箏曲 宮城社 大師範 尺八琴古流 伶風会 準師範 品川区 三曲協会 会長。父親に影響され、子供の頃から三味線・長唄に憧れて、それが高じて芸の道を選ぶ。33才で糖尿病発症。57才の時に結核で7ヶ月入院、63才で糖尿病性白内障の手術。65才で糖尿病性腎症のためPD(腹膜透析)導入。 <記事の一部をご紹介!> ―――腹膜透析(PD)を始めてどのくらいですか? 瀧澤 5月で3年目に入ります。PDがあって本当に助かってますよ。 ―――自宅でできますからね。 瀧澤 ええ、それに血液透析(HD)で4時間じっとしているのは性格的に我慢できそうになかったし、動脈に針を刺すのがどうしても嫌だったので、何とかならないかと思っていたんですよ。 ―――事前にずいぶんと勉強なさったんですか? 瀧澤 いや、先生の説明を聞いただけですけど、最初に診てもらった病院ではPDをしていなかったので今の病院を紹介してもらいました。 ―――どこの病院ですか? 瀧澤 今は川崎クリニックですが、導入の時は系列の川崎幸(さいわい)病院でした。「HDにしますか?PDにしますか?」と聞かれたので、迷わずPDを選びました。 ―――やってみてどうでしたか? 瀧澤 透析を始める前はとても具合が悪かったんですけど、だんだん良くなりましたね。でも最初のころに腹膜に穴が空いてしまって手術をしたんです。 ―――穴が?どうして? 瀧澤 20才くらいの時に脱腸をやったんですが、そこから液が漏れていたらしいです。 ―――ほかには腹膜炎とかトラブルはありませんでしたか? 瀧澤 ありません。 ―――今はどのようなスケジュールでバッグ交換を? 瀧澤 夜10時、朝2時、朝5時、それから昼の2時です。 ―――夜中にやってるんですね? 瀧澤 仕事のスケジュールが流動的なので、先生にも相談しました。最初は夜寝ている間に自動でできるAPD*にしたんですけど、排液がうまくできず眠れないので、今は夜間にAPDとCAPDを一日おきにやってます。 *腹膜透析(PD)には数回透析液バッグを交換するCAPD(Continuous AmbulatoryPeritoneal Dialysis)と、寝ている間に器械を使って自動的におこなうAPD(AutomatedPeritoneal Dialysis)があります。 ―――原疾患はなんですか? 瀧澤 糖尿病です。 ―――わかったのはいつですか? 瀧澤 33才のときです。 ―――きちんと治療なさっていたんですか? 瀧澤 いや、好き勝手やっていましたからね、家内からは自業自得だっていわれています。自分で蒔いた種だから、文句いうんじゃないって。 ―――じゃ、ほったらかしにしていらしたんですか? 瀧澤 いや、私なりに気をつけてはいたんですけど、月1回病院に行って、薬も飲んで。でも当時は体重が90キロもあったんです、今は70キロですけど。 ―――グルメだったんですね。 瀧澤 うまいもの食いじゃなくて、量をたくさん食べてたんですね、2~3人前とか。 ―――どうやってダイエットなさったんですか 瀧澤 実は11年くらい前に肺結核になりましてね、結核病棟に7ヶ月入院しました。体重は50キロまで落ちて、長年吸っていた煙草もこのときに止めました。 ―――そのときは糖尿病の治療はどうしていらしたのですか? 瀧澤 入院中にインスリンの注射を打つようになりました。相当悪くて20~30単位打っていたんじゃないかな。 ―――その時は、腎臓はまだ大丈夫だったんですね? 瀧澤 ええ、大丈夫でした。 ―――腎臓の専門医を受診しなさいといわれてから、導入するまでどのくらいでした。 瀧澤 半年くらいです。 ―――はやかったんですね。糖尿病の食事と、低たんぱく質、高カロリー、減塩という腎臓病保存期の食事との兼ね合いはどうしていましたか? 瀧澤 基本的に糖尿病はインスリンで落として、腎臓の方は進行を遅らせるために減塩と低たんぱくごはんとかの治療食品を使ってました。 ―――かなり厳しくきちんとなさっていたんですか? 瀧澤 まあまあですね。厳しくすると続かない性質ですから。 ―――今はどうですか? 瀧澤 塩辛いものは食べないようにしています。栄養士の先生から鰤(ぶり)だったら塩焼きより照焼のほうがいいと教わったので照焼を選ぶ。あとリンが問題だといわれているので、鰻(うなぎ)とか穴子、それから小骨がある鰯(いわし)とか秋刀魚(さんま)は極力避けていますけどね。でも鰻(うなぎ)とか時々、食べたくなるんですよ。 〈後略〉 ▼79号 全文はこちらから http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_info/experience/expe_80.html ※『腎臓病なんでもサイト』患者さんの体験談からの抜粋です。 ▼▼患者さんの体験談~一病息災~ バックナンバー▼▼ http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_info/experience/index.html

【本件に関するお問い合わせ先】
NPO法人 腎臓サポート協会
info@jin-support.org

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