「画像処理」基礎の基礎 第三回 「画像処理」の流れ

コグネックス株式会社(本社 東京都文京区、代表取締役 島 清史)は、生産現場で欠かすことのできない「画像処理」の全体像を、全四回にわたってご紹介しています。第三回となる今回は、「画像処理」が、一体どのように行われているのかをご紹介します。

画像処理を行うためには、照明やレンズ、カメラなどの要素が関係してきます。まずはそれら代表的な要素をお話しし、その後に画像処理の流れについて説明します。

■照明
対象物を照明で照らさないことには物を見ることができません。また、対象物の何を見たいかによって照明を工夫する必要があります。輪郭を見たいのであれば背後から当てる透過照明、キズを検出したいのであれば斜め急角度で当てる暗視野照明が良いでしょう。照明の色を適切に選ぶことも特定の特徴を抽出するのに役立ちます。

■レンズ
どれくらいの倍率で対象物を撮影したいか、カメラと物の距離がどれくらいかによってレンズを選択します。レンズはその歪特性や明るさによって価格が大きく変わってきます。キズの有無検出であれば、歪収差にはこだわらなくても大丈夫ですが、寸法計測ではある程度考慮したほうが良いでしょう。ただし、画像処理のソフトウエアで歪の補正をかけることもできます。また、レンズの前に光学フィルタを置いて特定の波長の光を透過させることで、観察したい特徴のコントラストを上げる手法を用いる場合もあります。

■カメラ
光を電気信号に変える重要なユニットです。画素数や撮影スピード、インターフェースの種類により様々な機種が販売されています。対象物の細かな特徴をとらえたいときは、高画素のカメラを用いますし、高速な処理が要求される場合には撮影スピードが高速なカメラを選択します。インターフェースについてはアナログや様々なデジタルの規格があり、選択に迷うところです。それぞれのメリット、デメリットを理解した上で選択します。
多くの場合、白黒カメラで十分ですが、色の検査にはカラーカメラも用いられます。

照明、レンズ、カメラを通して画像情報がコンピュータに入力され、その画像に対して画像処理が施されます。たいていの場合、最初のステップとしてフィルタ処理を行って注目したい特徴を浮き上がらせます。フィルタ処理には非常に多くの種類があります。大雑把に分類すると、ノイズを除去するもの、対象物のエッジを強調するもの、明るさやコントラストを変えるもの、画像を変形させるものなどがありますが、それらは具体的な処理手法の違いによってさらに細分化されます。ひとつのフィルタでうまく特徴が抽出できることもありますが、多くの場合複数のフィルタを組み合わせることになります。フィルタ処理は画像処理を説明する本では多くのページを割いており、重要な要素技術です。

フィルタ処理によって注目したい特徴が抽出された後、目的に合わせて画像処理アルゴリズムを適用します。例えば対象物の位置を計測したいのであれば、正規化相関マッチングや幾何学形状マッチングアルゴリズムを用います。幾何学形状マッチングではコグネックスのPatMax(r)アルゴリズムが有名です。これらは、あらかじめ「モデル」と呼ばれる対象物の画像をソフトウエアに記憶させ、そのモデルと一致するものを画像の中から探査します。対象物が複数あったり、それらが重なっていたり、似たような物体が見えているなどの様々な条件下でも、高速に、しかも正確に間違えることなく探査する事が求められます。
キズの有無検査であれば、ブロブ解析と呼ばれる塊を抽出するアルゴリズムを用いて、キズの面積、位置などを計測します。前処理のフィルタでキズがきれいに抽出されているかがうまくいくかの分かれ目になります。
バーコード読み取りであれば、コードの位置を見つけた後、バーとスペースを抽出しデコードします。2次元コードの読み取りも同様です。金属に直接刻印されたコードでは非常に読みにくい場合がありますが、照明や前処理のフィルタも駆使することによりいかに安定して読み取ることができるかが技術的なポイントとなります。

このように、画像処理は照明、レンズ、カメラと共に成り立っており、優れた画像処理システムを組むにはそれら要素のバランスが大切です。

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コグネックス株式会社
コグネックス株式会社(本社、東京都文京区)は、コグネックスコーポレーション100%出資の下、1988年に設立され、半導体、エレクトロニクス業界を中心に急成長を遂げました。コグネックス株式会社は日本市場において画像処理システムの輸入、販売、サポートを行う画像処理のトータルソリューションプロバイダであり、コグネックスグループの中で最も重要な拠点のひとつとなっています。詳しくは、Webサイト( http://www.cognex.co.jp/ )をご覧ください。

コグネックスコーポレーション
コグネックスコーポレーション(本社米国)は、画像処理技術を基盤としたビジョンシステム、ビジョンソフトウェア、ビジョンセンサ、産業用バーコードリーダの設計、開発、製造、販売において、世界をリードする企業です。革新的な技術を搭載しているコグネックスのビジョンとバーコードリーダ製品は、生産や流通の工程において、広範囲にわたる検査、識別、位置決めで、世界中に採用されています。1981年の創業以来30年にわたって、累計収益30億ドル以上、出荷台数80万台以上の実績をもち、最高の精度、信頼性、性能を提供する製品として全世界で高い評価を得ています。コグネックスは、米国のマサチューセッツ州ネイティックに本社を構え、日本、北米、ヨーロッパ、アジア、南アメリカなどの拠点、さらには400社以上のパートナーを含め、全世界をカバーするグローバルな体制で、卓越したサービスをお届けしています。詳しくはWebサイト(http://www.cognex.com/Main.aspx?locale=us)をご覧ください。

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〒113-6591 東京都文京区本駒込2丁目28番8号 文京グリーンコート23階
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この企業の情報

組織名
コグネックス株式会社
ホームページ
http://www.cognex.com/Main.aspx
代表者
井上 誠
資本金
9,000 万円
上場
非上場
所在地
〒113-0021 東京都文京区本駒込2-28-8文京グリーンコート23階
連絡先
03-5977-5400

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