~機能性だけでなく異例の黒基調のデザインを採用するなど現場のこだわりを詰め込み完成~
新ユニホームは、黒を基調とした上着とパンツ、キャップで構成。
働く人びとの多様性を背景に、ボトムアップで「みんなのユニホーム」を実現
働く人の思いを織り込んだ「みんなのユニホーム」
「企業のユニホームというものは、一般的には会社から従業員に与えられるものという認識があるかもしれせん。たとえば、“創立〇周年を記念して制服を刷新”といった事例も多いと聞いています」
そう話すのは、当社モノづくり人財戦略部の清水宏二さん。この秋、約40年ぶりにリニューアルした当社のユニホームについて、その企画からデザイン、仕様の決定までを担った推進メンバーの一人です。
「そもそも、ユニホームを刷新したいという要望自体も、社員有志や各種社内活動の中から沸き上がったものです。その要望に経営層が快く応えたことによって、“みんなでつくる、みんなのユニホーム”というボトムアップ形式のプロジェクトがスタートしました」と振り返ります。
新ユニホームの企画にあたっては、当然ながら安全性や快適性、作業性が最優先事項です。しかし、それだけなら会社のロゴも必要ありません。清水さんらは「会社やブランドへの誇りと愛着、仲間との一体感、さらには個性や多様性といった価値観も織り込んでいきたい」と、全社員が参加可能なオンライン投票や意見募集を重ねてきました。
各職場へのヒアリングに基づきプロトデザイン(14種)を作成。
その後、社員によるオンライン投票を経てベースデザインを絞り込んでいった
投票には約5,000人が参加。要望は計1万件以上
関連する各プロジェクトのメンバーは、まず各職場を訪ね、性別や年齢、製造職や事務職など属性別の意見を広く収集。それらをもとに14種のデザイン案を作成し、社員によるオンライン投票を実施しました。その結果、最も多くの得票を集めたプランをベースに、社内展示会や計58職場に及ぶモニター着用を繰り返して仕様を詰めていきました。
「社員の期待値は非常に高く、投票に参加した社員は約5,000人。意見や要望の回収数は1万件を超えました。プロジェクトではすべての意見に目を通し、またそれらを分析・検討・精査した上で、ミリ単位の細かい部分まで何度も改良を重ねてきました」(清水さん)
こうして完成した「みんなのユニホーム」ですが、最も目を引く特徴といえば、作業衣としては異例の「黒基調」を採用したことです。これを提案したのはモード系の服飾デザイナー。「個で輝き、集団で輝くことを思い描いての提案でしたが、社員の皆さんにたくさんの支持をいただけたことに、正直、驚きもしました」と話します。
また、女性や外国籍社員、製造現場で働く人びとの意見も各所に反映されています。「例を挙げればキリがありませんが、たとえば背中側の裾のラインなどは女性からの要望で何度も線を引き直しましたし、“製品にわずかな擦りキズもつけたくない”という製造現場からリクエストでフラップの形状やサイズ等を最後の最後まで調整しました」(清水さん)。事務系の人が胸に刺すペンの数まで調査を重ね、それを丁寧に反映した「みんなのユニホーム」。この秋から順次着用が始まります!
「個で輝き、集団で輝く」新ユニホーム。
軽量で動きやすいストレッチ素材を用いた立体構造に、機能性やヤマハ発動機らしさを盛り込んだ