京都橘大学は、4月30日(火)~5月31日(金)の期間、図書館2階展示スペースにて 『足利歴代将軍の古文書』(足利尊氏御内書、足利直義感状、足利義詮御判御教書、足利義満御判御教書、足利義満自筆御内書、足利義政御判御教書、稲村御所足利満貞書下)を文学部歴史学科・野田泰三(ノダ タイゾウ)教授の解説文(別表)と共に特別展示致します。
古文書はその時代の政治・経済のシステムや社会・文化構造などを理解する上で大変貴重な史料です。今回の展示内容は、室町幕府を京都に樹立した足利尊氏の御内書や、南北朝統一を果たして公家・武家双方に君臨し、花の御所(室町御所)や北山山荘(現在の鹿苑寺-金閣寺-)を営んだことで知られる足利義満の自筆御内書など7点の貴重な古文書です。
これらを通じて、学生や地域の方々に「室町時代の一断面」を身近に感じてもらうとともに、本学としてもより質の高い歴史研究や教育につなげていきたいと考えております。
<貴重書7点特別展示公開 -足利歴代将軍の古文書- 概要>
・日時:4月30日(火)~5月31日(金) 10:00~16:00 ※日曜、祝日を除く
・場所:京都橘大学 図書館2階展示スペース
※一般の方ご来館の際は、前日までに図書館課までお電話(075-574-4118)をお願いします。
※入場無料 (受付時間:平日、土曜日10:00~16:00)
・展示品:
●足利尊氏御内書 建武三年(延元元年・一三三六年・九月五日付)
御内書(ごないしょ)とは、鎌倉・室町将軍が発給した書状形式の公文書のことで、足利尊氏が摂関家の当主一条経通に土佐国幡多郡・讃岐国山田庄・摂津国福原庄の相伝・領有を認めたもの。
●足利直義感状 建武五年(一三三八)三月二十日付
足利直義が備後守護朝山景連に宛てて、景連代官(守護代)の安芸国での軍忠を賞し、今後なお忠節に励むよう述べた感状。
足利直義(一三〇六~五二)は尊氏の実弟であり、兄尊氏を補佐して草創期の室町幕府の運営や南朝勢力との戦いに従事した。のち尊氏の執事高師直と対立し、その抗争は幕府を尊氏派・直義派に二分する抗争(観応の擾乱)にまで発展した。正平七年(観応三・一三五二)正月に尊氏軍に降り、翌月鎌倉で没した。伝統主義的な教養人として知られる。
●足利義詮御判御教書 貞治二年(一三六三・九月十二日付)
伏見大光明院の所領播磨国多可庄地頭職に対する妨害を排除せよとの命令を赤松貞範が実行しないため、妨害者を排除して現地を大光明院側に引き渡すよう、足利義詮が播磨守護赤松則祐に命じた文書。
●足利義満御判御教書 永徳三年(一三八三・六月二十一日付)
室町幕府三代将軍である足利義満(一三五八~一四〇八)が、六瀬頼連に対して幕府料所摂津国多田庄内の波豆村(兵庫県宝塚市)・鎌倉谷村(同猪名川町)の領知(支配権)を認めた文書。
●足利義満自筆御内書 応永六年(一三九九年・卯(四)月二十五日付)
足利義満が興福寺東北院主円兼に対して門跡領の領有権を認め、後継者も追って定めることを通知した自筆の書状。義満自筆の文書は行が進むにつれ文頭が下がる(左下がりになる)特徴があり、本文書にもその特徴がはっきりとあらわれている。
●足利義政御判御教書 寛正四年(一四六三年・五月十二日付)
足利義政が比叡山延暦寺の衆徒(僧兵)勝行坊虎一丸に対して近江国山田庄内の典薬下司公文惣追捕使職など複数の所領を返付したもの。
●稲村御所足利満貞書下 応永六年(一三九九年・八月二十八日付)
稲村御所足利満貞が、陸奥国白河を拠点とする結城満朝に陸奥国の石川庄内沢井郷(福島県石川町)や依上保内鮎河上・中両郷(茨城県大子町)ほか数カ所の所領を料所として預け置いたもの。
<野田 泰三(のだ・たいぞう)教授 プロフィール>
・所属:京都橘大学文学部歴史学科教授、京都橘大学大学院文学研究科長、女性歴史文化研究所長
・専門:日本中世史 (室町・戦国期政治史)
・主な著書:
2022/03『新修摂津市史 第一巻 自然地理 先史・古代 中世』 (共著)
2022/01『中世後期の守護と文書システム』 思文閣出版 (共著)
2021/01『古文書への招待』 勉誠出版 (共著)
2020/03『京都を学ぶ【洛西編】-文化資源を発掘する-』 ナカニシヤ出版 (共著)
▼本件に関する問い合わせ先
京都橘大学 企画部 広報課
住所:〒607-8175 京都市山科区大宅山田町34
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