株式会社グリーンパワーインベストメント(本社:東京都港区 代表取締役社長 坂木 満、以下GPI)と京セラコミュニケーションシステム株式会社(本社:京都市伏見区 代表取締役社長 黒瀬 善仁、以下KCCS)は、「再エネ地産地消事業モデル実現に向けた基本合意書」を2024年4月8日に締結したことを発表いたします。
両社は、地域循環性のある社会経済の構築を通じた本質的な地域活性化を目指し、エネルギーの効率的な利活用モデルやソリューションの構築に共同で取り組むことに合意しました。具体的な取り組みとして、GPIが保有する合同会社グリーンパワーリテイリング(以下GPR)が、「石狩湾新港洋上風力発電所」で発電した電力を再生可能エネルギー電気特定卸供給により調達し、KCCSが北海道石狩市で2024年秋に開業予定の再エネ100%で運営する「ゼロエミッション・データセンター(以下ZED)」へ石狩湾新港洋上風力発電所由来のトラッキング付きFIT非化石証書を用いて供給する予定です。
■再エネ地産地消事業モデル実現に向けた両社の取り組み
昨今、GPUを用いた膨大な計算が必要とされる生成AIの利用拡大を背景に、データセンターの電力需要の高まりによるCO2排出量の増加が課題として指摘されており、データセンターの脱炭素化の取り組みがますます重要とされています。KCCSは、石狩市で開業を予定しているZEDにおいて、国内のデータセンターで初※1となる「24/7カーボンフリー電力」※2に取り組みます。KCCS自ら太陽光発電所を新設するとともに、石狩湾新港洋上風力発電所の再エネ電源を利用することで、生成AIのために必要なGPU向け電力、そしてデータセンター全体を24/7カーボンフリー電力にて稼働させることを目指します。
GPIおよびGPRは、再生可能エネルギー電気特定卸供給にてKCCSのZED計画を支援するものであり、GPRとしてはZEDが初の電力供給先となる予定です。石狩湾新港洋上風力発電所は株式会社JERAおよびGPIが、特別目的会社(SPC)である合同会社グリーンパワー石狩を通じて保有する、日本初の8,000kW大型風車を採用した国内最大規模の商用洋上風力発電所です。
再エネ地産地消事業モデルのスキーム(イメージ)
■KCCSが取り組む「24/7カーボンフリー電力」について
現在脱炭素化の取り組みの主流となっている年間総需要量に相当する再エネを導入するモデルでは、気象状況などによって全ての時間帯の電力需要を再エネで賄うことができず、時間帯によっては主に化石燃料による火力発電などでそのギャップを埋める必要があります。このため年間総需要量に相当する再エネを調達したとしても、現実的には化石燃料に依存しており、それだけでは社会全体のカーボンニュートラルの達成に直結しないと言われています。この課題を解決するため、より細かな時間粒度で再エネ発電と需要を管理し、全ての時間帯でCO2を排出しない電力で需給を合わせる24/7カーボンフリー電力を目指す動きが広がりつつあります。
KCCSはZEDにおいて、GPRが供給する再生可能エネルギー電気特定卸供給の電力とKCCS所有の太陽光発電所の電力を組み合わせるとともに、データセンターに導入する蓄電池を活用した電力需給制御、電力需要のタイムシフトの推進により、時間単位でカーボンフリー電力をマッチングし、24/7カーボンフリー電力の実現を目指します。
※1 国内のデータセンターで初
KCCS調べ。国内のデータセンターで24/7カーボンフリー電力に対応する取り組みとして。
(2024年4月15日時点)
※2 24/7(twenty-four seven)カーボンフリー電力 [24/7 CFE]
毎日24時間、毎週7日間、年間365日にわたり常時、CO2排出量ゼロの電力を供給し
リアルタイムで使用するという考え方。
※製品名および会社名はそれぞれ各社の商標または登録商標です。