報道発表資料
2014年8月6日
ケースレーインスツルメンツ(代表取締役 木下 伸二、以下、ケースレー)は、本日、新製品である2280Sシリーズ・プレシジョン・プログラマブルDC電源を発表します。2280Sシリーズは、従来の汎用電源とは異なり、高速で広いダイナミック・レンジを持った高感度計測器であり、バッテリ駆動の無線/医療/工業用機器で生ずる待機電流、負荷電流パルスの測定に最適です。代表的なアプリケーションとしては、バッテリ駆動の医療機器、ワイヤレス・センサ、RFID、本質安全機器、家電製品、新しい低電力半導体デバイスの特性評価などがあります。2280Sシリーズの詳細については、ケースレーのウェブサイト。
(www.keithley.jp/data?asset=58093)をご参照ください。
2280Sシリーズは、最大192W、低ノイズのリニア(シリーズ)レギュレータDC電源を出力します。
2280S-32-6型は最大32V、6Aを、2280S-60-3型は最大60V、3.2Aを出力します。従来の電源以上の印加/測定性能を備えていますが、価格はこれまでの汎用電源と同等です。以下のような性能を備えています。
・優れた電流測定感度(10nA)
・6.5桁の電圧/電流測定分解能
・高確度(電圧リードバック:0.02%、電流リードバック:0.05%)
・最小140μsの高速負荷電流測定
・広いダイナミック・レンジ(100nA~6A)
2280Sシリーズ電源の優れた性能は、電子部品/システム設計における最新の需要、特により高速な測定スピードと正確な特性評価のための感度のニーズに応えるものです。製造メーカは、一般的な電源とデジタル・マルチメータの組合せよりも高い性能を求めており、1台の機器で研究、設計、製造テストすることを希望しています。多くの製造メーカは、これらのテスト・アプリケーションのためにソースメータ(SMU)を使用していますが、限られた予算ではアプリケーションに必要のない機能への支出は難しい場合があります。
2280Sシリーズは印加機能と測定機能が手頃な価格でバランス良く組み合わされており、少ない台数の機器で、新しい製品設計に集中することができます。
<高分解能、高確度測定>
従来の電源とは違い、2280Sシリーズ電源は最高6.5桁の分解能で最高の測定確度を、3.5桁では優れた測定スピードを実現しています。6.5桁の分解能では、負荷電流の小さな変動を確実に評価できます。また、小さな電流、大きな電流であっても、1つのレンジで広範囲に、優れた確度で測定できます。電圧出力測定は、100μVまでの分解能があります。負荷電流は、100nA~6Aを優れた確度でモニタできます。10A、1A、100mA、10mAという4つの負荷電流測定レンジがあるため、全負荷電流、待機モード電流、小さなスリープ・モード電流を正確に測定できます。
急激に変化する電流、パルスのような負荷電流をモニタするため、2280Sシリーズは最小140μsの短い間隔で発生する負荷変動を取込むことができます。これにより、ポータブル機器、バッテリ動作機器などの設計/製造エンジニアは、デバイスのすべての動作モードにおける負荷電流がモニタできるため、機器のトータルの消費電力を知ることができます。また、パワーアップ時の負荷シーケンスとパワーダウン時のシーケンスのそれぞれの状態が測定できます。1秒あたり2500回の読取りで測定できるため、スタートアップ時の各ステートにおける電流を評価し、テストすることができます。この読取速度は、測定時間を20ms(16.6ms)から33μsにすることで実現されます。
デバイスまたはシステムの突入電流測定のため、2280Sシリーズは出力電圧の立上り時間をプログラムすることで電圧波形の傾斜を緩くすることができ、DUT損傷の原因となる電圧のオーバーシュートを防ぐことができます。電圧の立下り時間もプログラムでき、出力電圧の急激なランプ・ダウンも防ぐことができます。電圧の立上り/立下り時間は、10V/s~100V/sの範囲で設定できます。前面パネルまたは内蔵インタフェースにより、シンプルなリニア・ランプ、その他のカスタム設定も作成できます。
<情報量の多いグラフィカル・ユーザ・インタフェースによる優れた操作性>
2280Sシリーズは、明るい4.3型TFTディスプレイを採用しており、多くの情報を一度に表示することができます。印加設定やその他の重要な情報は読み値のとなりに表示されるため、操作に迷うことも少なく、テスト・エラーを防ぐこともできます。ソフトキー・ボタンとナビゲーション・ホイールによる直感的なユーザ・インタフェースにより、浅い階層、操作性に優れたメニューを実現しており、すばやい機器のセットアップ、操作が可能になります。アイコンベースのメイン・メニューで簡単にテスト設定が行えるため、解析に専念できます。
<内蔵のグラフ機能により、測定が容易に>
電源に内蔵のグラフ機能を使用すると、負荷電流の安定度をモニタしたり、ダイナミックな負荷電流を取込み、表示したり、スタートアップ時、ターンオフ時の負荷電流を観測することもできます。2280Sシリーズは測定値をすばやく取込み、最大2,500の測定ポイントが保存できます。電圧波形または電流波形、あるいは両方の波形を表示するだけでなく、保存された波形の統計値も計算できます。統計計算には、平均値、最大値、最小値、ピーク・ピーク値、標準偏差が含まれています。
<ベンチ作業にも製造テストにも対応>
2280Sシリーズ電源は、ベンチ作業にも、自動テストにも適しています。例えば、内蔵のリスト・モード機能を使用すると、動作電圧範囲における設計の自動化テストが簡単になったり、DC出力の変動に対する応答を把握したりすることができます。リスト・モードでは、最大10種類のシーケンス電圧レベル・リスト、リストごとに最大99種類の固有電圧を設定し、保存できます。各電圧レベルの時間間隔は、1ms~60sの範囲で設定できます。1つのトリガで、リストを自動的に1回または複数回実行します。
リスト・モードの他に、ケースレーは膨大な量のデータを自動的に取込むための簡単なセットアップを実現しました。付属のKickStartスタートアップ・ソフトウェアを使用すると、プログラムの必要なしに、簡単な手順で自動テストがセットアップできます。例えば、KickStartを使用すれば、負荷電流の安定性が簡単にテストできます。データ・ポイントは最大15,000まで保存し、解析できます。
自動システムのテスト時間を短くするため、外部トリガ入力によりハードウェアの同期がとれ、テスト・システムの他の計測器でコントロールできます。スループットを上げるため、2280Sシリーズ電源は必要なアクションが完了したときに「測定完了」信号を出力してテスト・システムに知らせます。
<各種インタフェースを装備>
GPIB、USB、LXI LANのインタフェースを装備しており、2280Sシリーズのプログラミング、制御オプションが広がります。USBインタフェースは、TMC(Test and Measurement Class)に準拠しています。LXI Core準拠のLANインタフェースと内蔵のウェブ・ページ・サポートにより、テスト・システムとは別の場所にいても、テスト・エンジニアは常に電源にアクセスでき、測定を観測できます。
前面パネルにも後部パネルにも端子が装備されているため、さまざまな接続が可能です。4線リモート・センスにより優れた電圧確度が可能になり、負荷に供給する出力電圧を正確にプログラムできます。また、センス・ラインをモニタし、センス・ラインの切断を検出します。これにより、製造現場でのトラブルをすばやく特定し、解決することができます。外部トリガ、測定I/Oラインの他に、デジタルI/Oに追加されている4本のピンは、結果判定を出力したり、外部リレー、ステータス・ランプを制御することができます。
<製品価格>
・2280S-32-6型プレシジョン・プログラマブルDC電源(32V, 6A) 15万8千円(税抜)
・2280S-60-3型プレシジョン・プログラマブルDC電源(60V, 3.2A) 15万8千円(税抜)
<ケースレーインスツルメンツについて>
ケースレーはテクトロニクス・ファミリーの一員であり、高性能製造テスト、プロセス監視、製品開発、研究を行う電子機器製造メーカ独自のニーズに対応した、最新の電気テスト機器/システムを提供しています。DC(直流)またはパルス状の電気信号のソース、測定、接続、制御、通信で使用される、500種類近くの製品をラインアップしています。ケースレーのお客様は、世界規模のエレクトロニクス業界の科学者/エンジニアが中心であり、最新の材料研究、半導 体デバイスの開発と製造、携帯無線デバイスなどの最終製品の製造に携わっています。詳しくはウェブサイト(
http://www.keithley.jp/)をご覧ください。
<お客さまからのお問合せ先>
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