―カカオハスクを天然色材として活用した新素材サステナブルレザーを開発―
DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野 薫、以下「DIC」)は、株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也、以下「明治」)と協業し、チョコレートの製造工程で発生するカカオ豆の種皮(以下、「カカオハスク」)をアップサイクル*した合成皮革「CACAO STYLE LEATHER」を開発しました。これまで有効活用されていなかったカカオハスクをレザーの色材として活用する取り組みです。今後、同素材を用いた皮革製品の企画も検討して参ります。
*アップサイクルは、廃棄物など本来使用されることのない素材に新たな価値を付与して全く別の製品へと生まれ変わらせること。
「CACAO STYLE LEATHER」 「CACAO STYLE LEATHER」を用いた試作品
■背景
カカオ豆の約10%を占めるカカオハスクは、チョコレートの製造工程で製品に使用されない部位として取り除かれます。飼料、肥料、燃料などにも使用されていますが、有効活用されていません。カカオハスクは日本国内だけでも約5千トン/年 発生していると推計されています。
カカオハスク(カカオ豆の種皮)
明治は、カカオハスクを新しい価値のあるものにアップサイクルすることで、カカオの価値を高めカカオ農家の負担を増やさずカカオ産地に還元したいという思いから、カカオの新しい価値を生み出すライフスタイルブランド「CACAO STYLE」を立ち上げ、非食品領域の商品を順次発売しています。
DICは明治が取り組むカカオのアップサイクルやカカオを取り巻く社会課題の支援活動に賛同し、このたびの協業を提案し、「CACAO STYLE LEATHER」の開発に成功しました。
■概要
「CACAO STYLE LEATHER」は、カカオハスクをアップサイクルすることで生まれたサステナブルレザーです。合成皮革表面のウレタン層にカカオハスク粉砕物を分散し混合することで、一般的な合成皮革や人工皮革と比べ、石油由来の原材料の含有率を低減します。加えて、カカオハスクには天然色材としての着色効果があるため、チョコレートを感じる天然素材ならではの自然な色合いやカカオハスク由来の粒感の演出が可能です。
合成皮革やバッグなどの加工品の試作にあたっては、当社の材料技術(ウレタン樹脂や着色剤)を用い、合成皮革メーカーの株式会社加平(代表取締役社長:田所 茂和)の協力を得て進めています。
なお、同試作品は2023年12月6日~ 8日に東京ビックサイトで開催された「エコプロ (第25回)」にて、明治のブースで初めて出展しました。開期中(3日間)は、小中学生をはじめとする約6,400人がブースに来訪しました。
「エコプロ(第25回)」へ出展(明治ブース内)
DICは、チョコレートの製造工程で発生する副産物を当社独自の材料技術を用いて長期間愛用できる皮革製品にアップサイクルすることで、生活者や子供たちがより身近にサステナビリティに関して興味・関心を持つ一助になることを期待します。
■今後の展望
DICグループは、長期経営計画「DIC Vision 2030」において、DICの強みを発揮し社会課題の解決に貢献できるサステナブル製品の拡大を掲げています。事業活動を通じてのサステナビリティという観点から、今後も持続可能な社会の発展と地球環境の保護に貢献する製品やサービスを提供していきます。
以上
DIC株式会社について
DICは日本で有数のファインケミカルメーカーのひとつであり、DICグループの中核企業です。DICグループは、世界全体でSun Chemical Corporationを含む190以上の子会社によって構成され、60を超える国と地域で事業を展開しています。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料、テレビやPC等のディスプレイに代表される表示材料、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用される高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されています。これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供しています。DICグループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいます。連結売上高1兆円を超え、世界全体で22,000名以上の従業員を有するなか、グローバルで様々なお客様に寄り添っていきます。詳しくは、
https://www.dic-global.com/ をご覧下さい。