熱中症予兆アラート対象の84%が休憩取得・活動量緩和、3年連続で行動変容が80%以上に
株式会社ユビテック(本社:東京都港区、代表取締役社長:大内 雅雄)は、作業者の安全見守りサービス「Work Mate」において、2023年4月1日~2023年10月31日の期間に発報した「熱中症予兆アラート」を分析した結果、アラートを受けた作業者の84%が休憩取得・活動量緩和という熱中症対策のための行動変容を行ったことがわかりましたのでお知らせします。本機能についての効果をぜひこの機会にご確認ください。
1. 熱中症対策と「Work Mate」の「熱中症予兆検知機能」
消防庁によると、2023年5月~9月の仕事場
※1における熱中症による救急搬送人員は、9,324人で前年比115%
※2となり、本年は昨年に比べて過酷な作業環境となりました。熱中症は回復まで数日を要すことがあり、発症の要因には個人差があります。現場の監督者は、作業者個人にあわせて適切なタイミングで休憩・水分補給などを指示する必要がありますが、作業者のわずかな体調変化を目視で把握をすることは困難です。「Work Mate」の「熱中症予兆検知機能」は、作業者の個人特性をAIが解析し、熱中症の予兆を検知すると「熱中症予兆アラート」を作業者と監督者へ発報します。また、「回復」状態の通知も行い、作業復帰を促します。
2. 「Work Mate」の熱中症予兆アラートによる作業者の行動変容
期間内に「Work Mate」が発報した「熱中症予兆アラート」は1,561件でした。内訳を分析した結果、アラート発報後30分以内に、68%が休憩を取得、16%が活動量を緩和したことを確認しました。従って「熱中症予兆アラート」が客観的な指標となり、アラートを受けた作業者の84%の行動変容につながりました。また、行動変容が確認された作業者のうち、91%が行動変容後30分以内に回復状態
※3に至ったことが確認されました。
熱中症予兆アラートの発生件数は、利用者数の増加に伴い一昨年の約7倍、昨年の約3倍に増えましたが、アラートをきっかけとした作業者の行動変容は80%以上を維持しています。
3. 熱中症対策における「Work Mate」の有効性と今後の展開
分析の結果、「熱中症予兆アラートによって早期の休憩取得や活動量緩和等、熱中症対策に必要な行動変容につながっていること」を再確認し、「Work Mate」が作業者の行動変容による安全管理向上に寄与することを確認しました。
ユビテックは、「ヒト」にまつわるデータの価値創造を最優先し、AI・データ活用のエクスパティーズ(専門的技術)を高めております。企業活動上、最も大切で必要不可欠、普遍的な存在である「ヒト」のバイタルデータとAIを活用した「危険予知・予防」をコンセプトとしたサービスを今後も展開してまいります。
※1 仕事場は、消防庁が定めた発生場所の区分の仕事場(1)を指し、「道路工事現場、工場、作業所等」が該当する。
※2 消防庁「令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況(https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r5/heatstroke_nenpou_r5.pdf)」の報告値を計算
※3 回復状態:作業者の「Work Mate」通常利用時の状態と比較分析をして定義
■「Work Mate」のコンセプト
転倒・転落や各種体調変化のリアルタイム検知に加え、バイタルや活動量データから熱中症予兆や注意力低下などの「危険予知」を行い、労災事故の「未然予防」を目指す
■「Work Mate」の特徴・機能
危険予知:熱中症予兆検知
- 実証で得たバイタルデータから熱中症の「予兆」を検知するアルゴリズムをユビテックが独自開発
- 日々のバイタルデータの個人特性をAIが学習することで、検知精度が進化し続けていく
- 回復状態も検知し、現場での適切な休憩および現場復帰を促す
危険予知:注意力低下検知
- スマートウオッチから取得したパルスと加速度のデータをリアルタイムで分析し、動作に対してパルスが平常時より低い状態が一定時間継続した場合に「注意力低下状態」と判定する
- 日々のバイタルデータの個人特性をAIが学習することで、検知精度が進化し続けていく
- 本人と管理者へアラートを発報し、注意喚起や、行動変容を促す
リアルタイム検知(一部抜粋)
☑転倒・転落検知の本人確認画面・通知
☑体調レベルの変化通知
- 「Work Mate」は、医療機器ではなく、疾病の診断、治療、予防を目的としておりません。
(※株式会社ユビテックはオリックスグループです)