「Salesforce Health Cloud」を活用、治療への患者の関与を高め、医療の「質向上」と「効率化」を兼ね備えた統合ケアの実現を支援
デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役社長 佐瀬真人、以下 デロイト トーマツ)と国立大学法人岡山大学(岡山県岡山市、学長 那須保友、以下 岡山大学)は、株式会社セールスフォース・ジャパンのクラウド型の患者管理ソフトウェア「Salesforce Health Cloud」を活用し、治療への患者の積極的な関与を高めるサポートプログラムの共同研究を始めました。
デロイト トーマツと岡山大学は、医療の”質向上”と”効率化”を兼ね備えた統合ケアのためには、医療を提供する側の努力だけではなく、治療への患者の積極的な関与を高めることが必要だと考えています。これを実現するために、医療現場の問題点やニーズを特定したうえで、患者がどのように関与するのが最適かを共同で研究し、2024年中頃にかけてサポートプログラムとそのシステムのプロトタイプ開発を目指します。
患者の積極的な関与を高めるために、医療機関内の臨床データと患者の非臨床データを統合したり、医療従事者・患者の双方向のコミュニケーションを生み出したりすることが可能なクラウド型ソフトウェアのSalesforce Health Cloudを活用します。
超高齢化社会に直面する日本では、医療機関における入退院業務の複雑化とそれに伴う負担増加を背景に、入院患者への一貫した支援であるPatient Flow Management(以下 「PFM」)の構築が急務となっています。一方で、医療現場では高いレベルでのリスクマネジメントが求められる故に、局所化したワークフローが長年にわたって積み上げられており、全体最適化された統合ケアの実現は容易ではない状況です。
本研究によって開発を目指すソリューションが、日本における最適化された統合ケアの実現の一助となることを目指します。
共同研究の内容
1.PFMにおける医療現場の問題点・ニーズの特定
ソリューション開発に向けては、実際の医療現場において「医療の質」や「患者体験」、「職員のやりがいや働きやすさ」、「医療リスク」などの観点で影響を及ぼしている問題点を洗い出し、医療従事者側および患者側のニーズを特定する必要があります。本研究では、岡山大学病院の職員の協力のもと、ワークショップ等を通じた現場の声からPFMにおける医療現場の問題点及びニーズを特定します。
2.ソリューションのプロトタイプ開発
問題点を解決するためには、既存の医療現場におけるワークフローに則りながら、現場のニーズにフォーカスしたソリューションが求められます。本研究では、顧客関係管理(CRM)のグローバルリーダーであり、ヘルスケア領域においても豊富な知見を有するセールスフォース・ジャパンとの連携を通じ、拡張性・カスタマイズ性の高いSalesforce Health Cloudを用いてプロトタイプを開発します。
Salesforce Health Cloudについて
https://www.salesforce.com/jp/products/health-cloud/overview/
*Salesforce、Health Cloudなどは、salesforce.com,inc.の商標です。
岡山大学 研究代表者
大澤 晋/Susumu Oozawa
岡山大学病院 医療安全管理部 講師(特任)
1972年愛媛県生まれ。2000年信州大学医学部卒。心臓血管外科修練指導医、日本血管外科学会評議員。岡山大学大学院修了後、ドイツ・デュッセルドルフ大学病院留学、岡山大学病院血管外科チーフを経て2020年に外科医から医療安全管理部講師に就任。現在、最高質安全責任者。論文多数執筆。