【関東大震災から100年】 NTTが研究開発を進める防災関連技術を紹介

 大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災からの100年間、さまざまな災害を経験する中で、私たちは災害の予測により被害を低減させることの重要性を知りました。
 この節目に、NTTの災害の予測に役立つ革新的技術の研究開発の状況についてご紹介します。
なお、各案件に関する個別取材も受け付けておりますので、お問い合わせください。

------------------------ 災害の予測に役立つ技術 -------------------------
(地震動による設備被災予測技術 / 超広域大気海洋観測技術 / 極端気象予測・適応技術
落雷制御・充電技術 / 水循環に関する地球規模シミュレーション)
  • NTTでは、地震に対する通信基盤設備個々の被災を予測する技術の研究開発に取り組んでおり、今後は激甚化する風水害の被災予測モデルの構築に取り組みます。
  • 超広域大気海洋観測技術を活用して地球規模での気象情報を収集し、そのデータによって地球環境のデジタルツインを構築し、デジタルツイン上で気候、気象予測の実現をめざしています。
  • 特に極端気象である台風の予測精度を向上する海洋の観測データを観測するシステムの設計と実測を行いつつ、台風の気象モデルについても大学等と連携して検討を進めています。
  • 地球上の環境や人々の暮らしにかかわる諸問題を解決するために、個々の問題を部分的にとらえるのではなく、地球全体を循環システムとして包摂的にとらえる必要があるとのビジョンを掲げて研究開発に取り組んでいます。

■地震動による設備被災予測技術
NTTは膨大に存在する管路に対して、耐震補強が必要となる対象を見極めるため、地震に対する設備個々の被災を予測する技術の研究開発に取り組んでいます。具体的には、過去の大規模地震時の設備被災状況に対して、設備情報や地形・地盤の情報、地震動の情報などの多数のパラメータを照らし合わせた学習用のデータベースを作成・活用することで、簡便に利用可能な予測モデルを構築しました。この予測モデルにより設備個々の被災個所を把握できることから、計画的な事前対策、迅速な緊急点検・応急復旧といったプロアクティブな対応が可能となります。

機械学習に用いる学習用のデータベースの内容は異なりますが、本技術のアプローチ方法はさまざまな被災予測に展開できると考えており、今後は激甚化する風水害の被災予測モデルの構築に取り組みます。また、電力、ガス、上下水道などライフライン設備を有する事業者への展開も可能と考えています。
詳細はこちらをご覧ください。
・社会インフラ事業の課題解決を実現する研究開発の取り組み
(https://journal.ntt.co.jp/article/18748 )
(NTT技術ジャーナル)

■超広域大気海洋観測技術
NTTでは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって、2020年5月に革新的衛星技術実証テーマとして採択された「衛星MIMO技術を活用した920 MHz帯衛星IoTプラットフォームの軌道上実証」をベースとして、地上通信インフラでは情報を収集できない未踏領域の観測を可能とする超広域大気海洋観測技術の確立をめざしています。

上空500kmにある衛星で地球上のさまざまなIoTセンサの情報を一斉に取得・分析するセンサネットワークシステムを用いて、地球規模の観測を行うことで、穀物生産に影響を与え食料危機などを引き起こす気候変動や、変化の激しい局所豪雨や台風などの極端気象を予測するための直接観測データ取得を実現します。

また、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)とも共同研究契約を結んでいます。実証実験などを通じて、地球環境の理解、再生と保全に貢献する、地球規模での地球環境シミュレーションのための研究開発を推進しています。

詳細はこちらをご覧ください。
・超広域大気海洋観測技術
(https://www.rd.ntt/research/SE0008.html )
(2022年11月24日更新 NTT R&D Website)
・NTTとJAMSTECが「大気海洋観測」の高度化に向けた共同研究を開始
(https://group.ntt/jp/newsrelease/2022/09/26/220926a.html )
(2022年9月26日発表 プレスリリース)
・地球環境と人間社会の未来予測技術
(https://www.rd.ntt/research/JN202212_20365.html )
(2022年12月16日更新 NTT R&D Website )

■極端気象予測、観測、適応技術
NTTでは、大規模な被害を引き起こす台風や線状降水帯などの極端気象の観測によるメカニズム解明を解明し、モデル化、サイバー空間上で未来予測することで、極端気象予測精度の向上をめざしています。

2022年8月には、沖縄科学技術大学院大学(OIST)と共同で、北西太平洋で上陸前のカテゴリ5の猛烈な台風直下において、複数地点での大気と海洋の同時観測に世界で初めて成功しました。今後も共同研究を通じて、台風予測精度向上に貢献する観測手法の確立と、台風直下での観測データによる大気と海洋の相互作用のメカニズムの解明をめざします。

また、横浜国立大学との共同研究契約では、双方の強みを生かすことで超広域大気海洋観測技術による台風リアルタイム観測の実現、そして台風予測精度の向上をめざしています。

雷の制御については、ドローンで落雷を捕捉し安全な場所に導く技術の研究開発を進めており、ドローンが雷撃を受けても飛行を維持するための装備や機能に関しても検討しています。さらに雷のエネルギーを蓄積・利用する手法についても検討し、雷のエネルギーのみで自律運行する落雷制御システムの実現をめざします。

適応技術として、東北大学とのビジョン共有型共同研究に基づき、東日本大震災の教訓と10年間の復興への取り組みの経験を知恵へと発展させ、様々なリスクを乗り越える『超レジリエンス社会』の実現をめざし、人や社会が未知なる環境変化にもしなやかに対応できるシステムの創出にも取り組んでいます。

詳細はこちらをご覧ください。
・世界初、NTTとOISTが北西太平洋で、カテゴリ5の猛烈な台風直下の大気・海洋の同時観測に成功
(https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/05/23/230523a.html )
(2023年5月23日発表 プレスリリース)
・NTTと横浜国立大学、台風予測精度向上に向けた共同研究をスタート
(https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/01/25/230125a.html )
(2023年1月25日発表 プレスリリース)
・落雷制御・充電技術
(https://www.rd.ntt/research/SE0010.html )
(2021年12月3日更新 NTT R&D Website)
・東日本大震災後の10年間の経験を知恵へと発展させ、しなやかな社会の実現をめざす共同研究を新たに開始。~未知なる環境変化にも対応できる社会をめざす~
(https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/11/16/211116c.html )
(2021年11月16日発表 プレスリリース)

■水循環に関する地球規模シミュレーション
東京大学との共同研究契約に基づき、地球規模の水循環に関する環境と経済活動の相互影響を再現することで、包摂的サステナビリティを実現するさまざまな政策検討が可能な地球規模シミュレーション環境の実現をめざしています。
詳細はこちらをご覧ください。
・環境と経済活動の相互影響を考慮した地球規模シミュレーションによる、長期間に渡る環境負荷の観察を実現
(https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/05/25/230525a.html )
(2023年5月25日発表 プレスリリース)

今後も、NTTは防災に関わる研究開発を進め、誰もがより安心して過ごせる安全な社会への貢献およびIOWN構想の実現をめざしてまいります。

なお、各案件に関する個別取材も受け付けておりますので、ご希望の場合は以下のお問い合わせ先までご連絡くださいませ。

※「IOWN(アイオン)構想」:革新的な技術によりこれまでのインフラの限界を超え、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用した高速大容量通信、膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。

この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
日本電信電話株式会社
ホームページ
https://group.ntt/jp/corporate/overview/
代表者
島田 明
資本金
93,800,000 万円
上場
東証プライム
所在地
〒100-8116 東京都東京都千代田区大手町一丁目5番1号大手町ファーストスクエア イーストタワー
連絡先
03-6838-5111

検索

人気の記事

カテゴリ

アクセスランキング

  • 週間
  • 月間
  • 機能と特徴
  • Twitter
  • Facebook
  • デジタルPR研究所