~独自RPAとドライブレコーダー活用で、管理台帳の適切な更新と業務効率化に貢献~
● 長瀞町と東秩父村にある道路標識・道路標示(約1,000箇所)のデジタル台帳を作成
● 横断歩道や二段停止線などの道路標示もデータの取得対象として初めて追加
● 道路附属物維持管理ソリューションにより管理台帳データの適切な維持管理と業務効率化に貢献
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)は、埼玉県警察本部から「交通規制用道路標識及び道路標示設置状況調査業務」を受託し、当社の道路附属物維持管理ソリューション「みちてん(R)」シリーズを用いて、長瀞町と東秩父村にある道路標識・道路標示(約1,000箇所)のデジタル台帳を作成しました。
■背景
高度成長期に整備された道路標識や道路照明、カーブミラーなどの、道路附属物の急激な老朽化が、それらを管理する全国の自治体や警察で近年問題となっており、これら道路附属物を適切に維持管理していくことは極めて重要な課題であると言えます。特に警察が管理する道路標識と道路標示は膨大な数であり、それらの管理には現状の設置状況の把握のほか、点検結果や新設・撤去の情報を台帳に反映するのに多大な工数が必要となるため、人海戦術に代わる適切かつ効率的なソリューションが求められています。
■内容
適切な交通規制の実施や道路標識等の維持管理に役立てることを目的に、当社の道路附属物維持管理ソリューションみちてん(R)シリーズを用いて、交通規制用の道路標識及び道路標示の正確な位置情報、標識板の種類、設置状況等を調査し、デジタル台帳を作成しました。
成果
● 従来みちてん(R)シリーズが対応していなかった横断歩道や二段停止線などの道路標示もデータの取得対象とし、約1,000箇所の道路標識及び道路標示の情報を取得しました。
● 一本の標識柱に対して多方向に標識板が設置されるケースにおいても、正面方向だけではなく側面方向・背面方向に設置された標識板を判別・取得できました(図1・2)。さらに取得した標識板については、付随する補助板も含め記載文字が判読できることを確認しました。
● 経年劣化で視認性が低くなった横断歩道などの道路標示のデータも取得できました(図3)。
● 本業務仕様のデジタル台帳や施設写真などを一元的に閲覧できる専用ビューアも開発し、データ管理の利便性を向上させました。
本業務結果より、みちてん(R)シリーズの継続的な活用が道路標識や道路標示の管理台帳データの適切な維持管理に貢献できることを確認できました。当社は今後も道路施設管理者や道路管理者の課題解決に向けて技術開発を進め、道路維持管理業務の効率化・高度化に貢献してまいります。
図1 標識板が正面方向と側面方向にある例
図2 標識板が正面方向と背面方向にある例
図3 視認性が低くなった道路標示の例
埼玉県警察本部コメント
交通安全施設の点検にドライブレコーダーを活用することによって、業務の大幅な省力化が図られることが期待される。施設情報のデジタル台帳を作成することによって、より効率的な維持管理に寄与する実用性のあるシステムだと考える。
案件概要
名 称:交通規制用道路標識及び道路標示設置状況調査業務
実施期間:2023年1月24日~2023年3月31日
実施区域:長瀞町(道路延長218.7km)と、東秩父村(道路延長271.2km)の2地区全域
対 象:実施区域内の道路標識・道路標示、約1,000箇所
・「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」の別表第二の規制標識及び指示標識のすべての道路標識
・「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」の別表第六の規制標示及び指示標示における、横断歩道、斜め横断可、自転車横断帯、二段停止線、停止禁止部分の5種類
実施内容:ドライブレコーダーを搭載した車両で対象区域内を網羅的に往復走行し、走行データを取得。みちてん(R)シリーズを用いて撮影した動画から対象の道路標識・道路標示を抽出・解析し、デジタル台帳を作成。本業務仕様のデジタル台帳や施設写真などのデータを一元的に閲覧できる専用ビューアを開発。
■
道路附属物維持管理ソリューション みちてん(R)シリーズ
みちてん(R)シリーズは、独自のRPA(Robotic Process Automation)技術により、車両に取り付けたドライブレコーダーの走行動画から道路附属物の位置や属性を検出し、定期点検の記録様式である点検表(デジタル台帳)を自動作成することで、効率的な点検・管理を支援します。
https://www.furukawa.co.jp/infra-maintenance/
『みちてん』は日本における古河電気工業株式会社の登録商標です。
■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。
古河電工グループのSDGsへの取り組み
https://furukawaelectric.disclosure.site/ja/themes/182