「スペクターはすべてを変化させるロールス・ロイスの車です。スーパー・ラグジュアリー・セクターにおいて、当社が技術面で主導的な役割を担うだけでなく、1900年に創業者チャールズ・ロールズが予言した、堂々たる電気自動車のひとつの未来が今、私たちの目の前にあることを象徴しています。スペクターは最終的な完成形を手に入れるために、エンジニアによる『フィニッシング・スクール(広範な検証プロセス)』を経て、250万kmに及ぶ走行や想定されるすべての極限状態の温度、気候、ロードタイプ、路面コンディションなど、多岐にわたるブランド史上最も難関なテスト・プログラムを完了しました。同様に重要なのは、広範なライフスタイル分析テストも終えたことです。お客様の好み、習慣、要望に関する当社の詳細なナレッジを適用した独自の評価プロセスを経ることにより、スペクターは一人ひとりに合ったエフォートレスなスーパー・ラグジュアリー体験と真のエンジニアリングを世界で最も高い要求水準を持つロールス・ロイスのお客様に提供することができるのです」
ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者 トルステン・ミュラー・エトヴェシュ
「ロールス・ロイスをその堂々たる電動化の未来に導く車、ロールス・ロイス・スペクターの開発を担当したことは、私のキャリアの中で最も重要な経験となりました。このように優れた自動車には卓越したテスト・プログラムが必要であり、この度スペクターがロールス・ロイス車の中で最も困難な数々のテストを完了したことを大変誇りに思います。実際に、自動車メーカーとしてスーパー・ラグジュアリー顧客層の要求を満たすために取り組むとき、その多くの作業は仕上げテストから始まるといえます。担当するのは、従来の技術的な領域とエキサイティングな先進テクノロジーを専門とする熟練エンジニアで構成された特別なチームです。ロールス・ロイス・スペクターは、この偉大なブランドの未来を現代にもたらしました」
ロールス・ロイス・モーター・カーズ エンジニアリング・ディレクター ミヒヤー・アヨウビ
ロールス・ロイス・モーター・カーズの新ジャンルとなる完全電気自動車のスーパー・クーペ、スペクターは、400年以上の使用を想定した250万kmテスト・プログラムという、歴史的かつ比類のないプロセスを完了しました。120年にわたる歴史の中で、最も厳しい要求が課された開発プロセスにおいて、スペクターは-40°Cから+50°Cまでの極限の温度環境や、北極圏の氷雪から砂漠、高地の山道、世界各地の巨大都市に至るまで、多様な条件を乗り越えました。
その過程で、ロールス・ロイスのエンジニアは、スペクターに備えられた141,200に及ぶデジタル送信・受信の関係や25,000 の性能関連機能を一つ残らず細かく監視、分析、調整し、高度な技術を要するプロセスは合計50,000時間に相当しました。 その結果、スペクターの音響性能、コーナリング時の安定性、ステアリングの正確性から充電時間、電気航続距離、最大トルクまで、数多くの要素が繰り返し改良されました。それぞれは小さな改良であっても、その積み重ねによってお客様の総合的な体験に計り知れない効果をもたらしています。
ライフスタイル分析
ロールス・ロイスの製品として、スペクターはエンジニアリングの傑作としての価値にとどまらず、真のスーパー・ラグジュアリー体験をお客様に提供する必要があります。そのためスペクターには独自のライフスタイル分析プロセスも義務付けられました。これはロールス・ロイスの本拠地であるグッドウッドで製造するすべての新製品の開発に導入されています。この追加テスト・プログラムは、標準的な自動車評価の域をはるかに超えるものであり、お客様の日常生活で自動車が使われる状況を網羅しています。
ライフスタイル分析は、スーパー・ラグジュアリー顧客に関する当社の詳細なナレッジと理解や、ラグジュアリー分野全域の継続的な情報収集に基づいています。この分析を通じて、エンジニアはロールス・ロイスの新モデルに対する非常に特別なニーズの予測が可能になり、また技術やスタイルの最終テストに適切な機能やレスポンスが含まれていることを確認できます。
エンジニアはこのナレッジを活用しながら、ロールス・ロイスの顧客に生じうる詳細な可変要素を幅広く検討しました。例えば、 海南島(中国)、ドバイ(アラブ首長国連邦)、ナパバレー(米国カリフォルニア州)、そして本拠地英国のロンドンなど、世界有数の高級住宅地とその周辺にある道路での走行時に、スペクターのドライブ・トレインがどのように性能を発揮するかについて調査を実施しました。
このテストは高速走行時のスピードにとどまりません。市街地でのテストでは、スペースが限られた地域の道路や建物の入り口へアクセスするために、全輪駆動などの機能を十分に操作できることを確認しています。実際に、ロンドン市内の メイフェア、ケンジントン、チェルシー地区やその周辺で実施したテストでは、主な住宅街や高級小売店舗に向かうときにリヤ・アクスルが適切に操舵されたことを確認しました。
同様に、今後スペクターが走行する世界中の環境を鑑みて、お客様が最も心配される問題を解決すべく数多くの静的テストが実施されました。これには、待機中のヘリコプターの横に停止した車内で通常の通話が可能であるか、特定の超高層ビルの谷間を走行する場合の車内インターネット接続の強さ、またフォーマルなイブニング・スーツやガウンを保護するために使うガーメントバッグなどの物品を車内に置く際の乗り降りのしやすさなどが含まれます。
技術的なロード・テストでは、ライフスタイル分析テストを段階的に導入し、車の仕様や性能で調整が必要な箇所を明確にしました。例えば、カリフォルニア州ロサンゼルスでよくみられる急なドライブウェイを再現した急勾配の坂道でパワー・アシスト・ドアのテストを行った後、エンジニアはジャイロセンサーと重力センサーを追加し、駐車時の角度が縦向きでも横向きでも、無理なく同じ速度でドアを開閉できるよう調整しました。
また、ロールス・ロイスの歴史の中で最も正確であるとエンジニアが考えるスペクターのステアリングの精度をテストするために、ある曲がり角が頻繁に使われたため、エンジニアたちはウエスト・サセックス州グッドウッドのロールス・ロイス本拠地近くにあるこのスイッチバックを「スペクター・コーナー」と名づけました。
スペクターは、本年度第4四半期から予定するお客様への納車に向けて、ロールス・ロイスの本拠地の首都であるロンドンで実施したライフスタイル分析テストを最後に、250万 kmに及ぶ長旅を終えました。
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以上 –
スペクターのCO2排出量および電力消費量の数値
WLTP: 電力消費量:2.9マイル/kWh. / 21.5 kWh/100km*
電気航続距離:323 マイル/ 520 キロメートル*
CO2排出量0 g/km
*速報値(未確定)。今後変更される可能性があります。
- 燃料消費量、CO2排出量、電力消費量、電気航続距離に関する公式データは、型式認証時点で有効なEU規則715/2007に準拠し、必須の測定方法にしたがって特定されたものです。
- WLTP情報は、ラインナップ内の特別装備を考慮にいれています。2021年1月1日以降に型式試験が行われた車両については、NEDCによる公式情報は存在しなくなり、WLTPによる公式情報のみとなりました。 WLTPとNEDC の測定手順の詳細についてはWLTP: new times, new rules (https://www.rolls-roycemotorcars.com/en_GB/information/fb-dat-wltp.html)をご覧ください。
- 航続距離と消費電力の数値は、あくまで比較のためのものです。これらの数値は、バッテリー始動時の充電状態、登録後に装着されたアクセサリー、天候の変化、運転スタイル、積み荷の重量など、多くの要因によって異なるため、実際の運転結果を反映していない可能性があります。
新型乗用車の公式のエネルギー・燃料消費量および公式のリッターあたり CO2排出量の詳細については、「新型乗用車の燃料消費量、CO2排出量および電力消費量に関するガイド」をご覧ください。このガイドは、すべての販売店にて無料で入手できるほか、 http://carfueldata.direct.gov.uk/ (英国)、 http://www.dat.de/angebote/verlagsprodukte/leitfaden-kraftstoffverbrauch.html (ドイツ)およびお住まいの国の政府機関でも入手できます。
編集者の皆様へ
ロールス・ロイス・モーター・カーズは、真のラグジュアリー自動車のメーカーであり、世界で最も高い評価と敬愛を受ける、手作業による魅力的なビスポーク製品を世界中のお客様のために製造しています。
ロールス・ロイスの本拠地である英国ウエスト・サセックス州グッドウッドでは、2,500名以上の従業員が勤務しています。敷地内にグローバル本部およびセンター・オブ・ラグジュアリー・マニュファクチャリング・エクセレンスを構え、世界で唯一、ロールス・ロイス車の考案、設計、手作業による丹念な製造が行われています。設備、製品、人材への投資を継続したことにより、グローバル市場における販売台数記録を毎年更新し続け、頂点となった2022年には世界中で6,000台以上を販売しました。
ロールス・ロイス・モーター・カーズはBMWグループの完全子会社であり、航空機用エンジンや推進システムを製造するROLLS-ROYCE PLC(ロールス・ロイス・ピーエルシー)とは完全に別会社で、関連はありません。