ロールス・ロイス ドーン:夕陽に向かって


2023年5月8日、グッドウッド、ウエスト・サセックス

「ロールス・ロイスは、ドーン(Dawn)の名を復活させることにより、モーター・カーをはるかに超えるものを再活性させました。コンテンポラリーなドーンは、魅惑的なコンバーチブルからインスピレーションを得たかのように、人生の美しさと豊かさを享受する生き方 「la dolce vita(ラ・ドルチェ・ヴィータ)」を現代的に表現するようになったのです。ドーンは 良き仲間と過ごす喜び、冒険のスリル、そして静かな内省の安らぎを真に映し出します。このモデルは、まさに現代の生きたアートの証しであり、細部に至るまで「ラ・ドルチェ・ヴィータ」のスピリットを想起させます。ドーンの製造終了を迎える時、私たちはブランドの歴史に刻まれた特別な章を振り返ることができるのです。この美しい車は、ブランドの創業理念と伝統を祝しながら、現代的なラグジュアリーを完璧に体現しています」
ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者 トルステン・ミュラー・エトヴェシュ

ロールス・ロイス・モーター・カーズは、 コンバーチブルモデル、ドーンの製造終了と共に、ひとつの輝かしく、華やかな時代が幕を閉じることを告げます。その軌跡を振り返ると、このモデルはブランド史上ベストセラーとなったドロップヘッドであり、比類ないロールス・ロイス製品の神殿において、唯一無二の存在であることを示しています。

現代的な魅力とロマン
ファントム・シリーズII(Phantom VII)、同シリーズのファントム・クーペ (Phantom Coupé)やファントム・ドロップヘッド・クーペ (Phantom Drophead Coupé) の成功に導かれて、 ロールス・ロイス・ブランドに魅了される若々しく、自信に満ちた社交的な顧客層が拡大しました。この最高峰のラグジュアリー製品の新たな愛好家たちは、ロールス・ロイスがグッドウッド時代に発表した初代の斬新なモデルのように、卓越したラグジュアリーカーの魅力とロマンを捉えながら、現代的なテイストやライフスタイルと完全に調和する車を求めていました。

ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者 トルステン・ミュラー・エトヴェシュは、ブランドのプロダクト・ポートフォリオにこのようなお客様の要望を満たす余地があることに気づきました。そして、ファントム・ドロップヘッド・クーペの後継モデルとしてではなく、まったく新しいタイプのスーパー・ラグジュアリー・コンバーチブルの開発に挑むようデザイナーに伝えました。単に美しい車であるだけではなく、ロールス・ロイスの伝説を存分に伝えるロマンと魅力を想起させ、さらに勢いのある新世代の人々に対して、オープン・トップ・ツーリングを社交的で親しみやすいモダンな印象を合わせ持つモデルにする必要がありました。

しかも、まったく新しいモデルでなければならなかったのです。その3年前に、ロールス・ロイスはファストバック・クーペのレイス(Wraith)を発表しましたが、これを流用するという発想は少しもありませんでした。その代わりに、デザイナーたちは、ロールス・ロイスの豊かで名高い歴史の初期からインスピレーションを得たのです。1950年から1954年にかけて、ロールス・ロイスはシルバードーン・ドロップヘッド・クーペ(Silver Dawn Drophead Coupé)をわずか28台のみ製造しました。新たな出発、絶好の機会、そして輝かしい展望を表すドーンという名は、21世紀に生まれ変わるモデルの名として最も相応しい候補であるとして満場一致で承認されました。

魅惑的で洗練されたオリジナルモデルは、「ラ・ドルチェ・ヴィータ」 – 「甘い生活」と表現され不朽の名声を誇る、当時のスピリットを完璧に具現化しています。あらゆる瞬間を楽しみ、今を充実して生きることを思い出させる「ラ・ドルチェ・ヴィータ」 は、よい仲間と静かな内省の安らぎの象徴となり、人生の­美しさと豊かさがもたらす喜びについて、時間をかけて深く考えることの大切さを示しています。

『甘い生活(La Dolce Vita)』は、フェデリコ・フェリーニ監督が1960 年に手がけた名作映画のタイトルとしてもよく知られています。現在も最高傑作のひとつとして広く認められているこの映画によって、女優アニタ・エクバーグは世界的なスターとなり、トレヴィの泉は今日までローマの観光名所の一つとなっています。ロールス・ロイスのデザイン・スタジオにあるムードボードにも取り入れられていることは、ごく自然な流れであるといえます。

極上の気品とラグジュアリーな心地よさを融合
映画の中では、「ラ・ドルチェ・ヴィータ」 は情熱、冒険、ロマンスに満ちた人生として描かれました。それは審美的かつ官能的で、退廃、道楽、喜びへの賛美があらゆる形で映し出されたものでした。ロールス・ロイスが新たなドロップヘッドに取り入れたかったのは、まさこのスピリットであり、時代を超えたフォルムの表現力、現代の技術、そしてリラックスしながらも力強くダイナミックな個性を通じて表されました。

この大胆なビジョンは、ドーンのデザインにも反映されています。そのピュアでシンプルなフォルム は、余分なラインや生地を取り除くことにより着る人の魅力を引き出し、最高の姿を表現することにフォーカスした50年代・60年代のファッションにインスパイアされています。同様に、ドーンのしなやかで流れるようなコーチワークは、まるでオーバーコートの襟を立てるかのように乗る人を大切に包み込み、上質なプライベート空間を演出します。

ドーンの製造では、パネルの 80%は完全オリジナルが採用されました。例えば、スピリット・オブ・エクスタシーからボンネット中央に流れるテーパー状の 「ウェイク・チャネル」は、静かにエネルギーが集まる感覚を与えると同時に、ドライバーに恒久的な限界点を提供し、現在のロールス・ロイス車にも受け継がれるデザインの特徴となっています。

一方で、ドーンはある重要な点において、長期にわたって築き上げた自動車デザインの慣習を打ち破りました。コンバーチブルはほぼ例外なく、フロントにフルサイズの運転席と助手席、リアに予備座席あるいは子ども用のやや狭い2席を装備した2+2の構成で設計されます。リアシートスペース、特にレッグスペースを省くことによって、車内の快適性と実用性が低下するという短所をロールス・ロイスは受け入れられませんでした。すべての搭乗者がそれぞれ快適に座ることができるフル・4シーターをドーンに採用したのは、このような理由によります。

ドーンの極めてシンプルなデザインは、その精巧なつくり、優雅さ、静かな操作性から「サイレント・バレエ(音のない舞踏)」と呼ばれる極めて複雑なルーフ機構など、数多くの難解なエンジニアリング課題と矛盾するものでした。コンバーチブル・ハードトップの使用も一時検討されましたが、デザイナーは、キャンバスに滴る雨音に耳を傾けるようなロマンを残すために、ドーンのルーフにファブリックを使用することを決定しました。ファブリック、カシミア、高性能アコースティック・コンポジットを含む素材を特別な手法でブレンドすることにより、ドーンは世界で最も静かなコンバーチブルとなりました。ルーフを閉じた状態では、ドーンはレイスに匹敵する遮音性能を備えています。

モデル・テスト・プログラム
エンジニアは典型的なロールス・ロイスのスタイルに沿って、コンバーチブルの経験を最大限に活かしながら、数ヶ月かけて徹底的なテスト・プログラムに取り組みました。気流を完全に排除することも、車内が騒々しくなることも許されないのです。この目標を達成するために、マネキンにウィッグを装着し、長い髪がなびくように実験が行われました。空気の動きによって車内に座ったマネキンの髪がどのように動くか、多くの時間をかけて実験し、多数のセンサーやカメラで正確に記録しました。エンジニアはその結果データを活用し、ドーンをエアロダイナミックな快適性を実現したオープンルーフの世界的リーダーにすることができたのです。

ロールス・ロイスは、ドーンの多くの若いお客様にとって、そのドライビング・エクスペリエンスが重要であることを認識していました。しなやかで、ミニマルなボディラインの下部には、ほぼ無音のロールス・ロイス6.6リッター 563bhp V12ツインターボエンジンが搭載されました。当然ながら、シャシーはブランドの特徴的な「マジック・カーペット・ライド(魔法の絨毯のような乗り心地)」を提供し、優れたレスポンスと神わざともいえるなめらかな操作性を兼ね備えています。

実際に後年のとある体験がドーンの性能の高さを証明することとなりました。あるアメリカ人のジャーナリストがマグニチュード 3.6 の地震と2.7の余震が発生した場所を通過しました。非常にスムーズな走りであったため、翌朝の報道でこの地震について初めて知ることとなったのです。[1]
[1]https://www.thedrive.com/new-cars/18327/the-2018-rolls-royce-dawn-review-driving-a-416100-convertible-through-an-earthquake

ブラック・バッジ・ドーン
2017年、ロールス・ロイスはドーンのファミリーにブラック・バッジを加えました。先行モデルのゴースト(Ghost)や レイスと同様に、ドーンに潜むアルターエゴ(もうひとつの顔)を強調したモデルは、エンジニアリングとデザイン処理を何度も重ねて創り出されました。まったく新しいエキゾースト・システムの導入により、エンジンに低音のバリトンが加わり、エンジン出力を 30bhp増加し、最大トルクは840Nmに引き上げるように調整されました。ブラック・バッジ・ドーンは、黒を纏った力強い表現で多くの人を惹きつける反逆的スピリットをアピールしながら、都会の夜のロマンと魅惑に象徴されるようなロールス・ロイスの神殿の中で、独自の地位を獲得しました。

永遠のレガシー
その人気を超越したドーンは、魅惑的なデザイン、モダンな素材、社交的なオープン・エアのドライビング・エクスペリエンスを絶妙に融合させ、ロールス・ロイスの現在のブランド・プロミスに 「ラ・ドルチェ・ヴィータ」のスピリットをもたらしました。ドーンはまったく新しい世代にロールス・ロイスの魅力を伝えながら、そのレガシーをはっきりと残してきたのです。

- 以上-


技術情報
  • Rolls-Royce DAWN:NEDC(複合):CO2排出量: 372-367 g/km、燃費消費量: 17.3-17.5 mpg / 16.3-16.1 l/100km. WLTP(複合):CO2排出量:381-367 g/km、燃料消費量: 16.9-16.2 mpg / 16.7-17.4 l/100km.
  • Black Badge DAWN: NEDC (複合)CO2 排出量: 371 g/km、燃費消費量: 17.3 mpg / 16.3 l/100km. WLTP (複合)CO2 排出量: 382-380 g/km、燃料消費量: 16.7-16.9 mpg / 16.9-16.8 l/100km.

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編集者の皆様へ
ロールス・ロイス・モーター・カーズはBMWグループの完全子会社であり、航空機用エンジンや推進システムを製造するROLLS-ROYCE PLC(ロールス・ロイス・ピーエルシー)とは完全に別会社です。英国ウエスト・サセックス州グッドウッドにあるロールス・ロイス・モーター・カーズの本社および製造工場では2,500名以上の熟練した男女が勤務しており、世界で唯一、極めて上質な自動車を手作業で製造しています。

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