メディカル・データ・ビジョン株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:岩崎博之、以下 MDV)が、来年2024年4月から勤務医の時間外労働の上限が原則960時間となる、いわゆる「医師の働き方改革」がスタートするのを踏まえてアンケート調査をしたところ、4割強の病院が勤務医の院外での労働・アルバイト時間の把握をしていないことなどが分かりましたのでお知らせいたします。
このアンケートは、3月8日から29日までにWEBで実施。計108人の病院関係者から回答を得ました。勤務医の病院外での派遣先での労働やバイトを含めた時間外労働を把握しているか聞いたところ、把握していると回答したのは63人(58%)、把握していないと回答したのは45人(42%)でした。
■複数主治医制 導入は46%
時間外労働が年960時間を超える医師が勤務する医療機関に作成が義務付けられる、医師労働時間短縮計画の項目にも主治医制の見直しが盛り込まれている通り、医師間のタスクシェア(業務の共同実施)で鍵を握るとされる複数主治医制について、診療科内で導入が進んでいるか聞いたところ、進んでいると回答したのは50人(46%)、進んでいないと回答したのは58人(54%)でした。
複数主治医制については患者やその家族の理解が欠かせず、不安につながらないための工夫が必要なため、導入・移行に慎重な様子がうかがえます。
■4月14日(金)にWEBセミナー開催
MDVは2023年4月14日(金)、 WEB問診システム「Symview(シムビュー)」などを展開する株式会社レイヤードの協賛で、「1年切った医師の働き方改革、病院の準備は?医師の本音は?」をタイトルにした無料WEBセミナーを開催します。
講師には日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院事務部長・渡辺徹氏(社会保険労務士)をお迎えします。セミナーの視聴を希望する方は、登録URLからお申込みください。
<医療機関にご所属の方>
https://forms.gle/C3Nf2arDnchzRkEU8
<報道機関の方>
https://forms.gle/yDJT3p793ux5xty69
また、医療従事者向けサイトを運営する株式会社ケアネットが、3月9日にCareNet.com会員医師にアンケート調査を実施しました(回答医師数1,034人)。同社より許諾およびデータ提供を受けましたので、主な結果を以下に記載します。
■22%の医師が年960時間以上の時間外労働
直近1年間の、当直を含む時間外労働時間の合計を聞いたところ、月45時間未満・年360時間以下(≒週7時間)は432人(42%)、月100時間未満・年960時間以下(≒週20時間)は375人(36%)でした。月100時間未満・年1,860時間以下(≒週40時間)は130人(13%)、それを超えると回答したのは97人(9%)で、22%の医師が今回の上限規制のA水準である年960時間以上の時間外労働をしている実態が明らかになりました。
また、主たる勤務先に派遣先やアルバイトの業務内容・勤務時間等を届け出ているか聞いたところ、届け出ていると回答したのは441人(43%)、届け出ていないと回答したのは241人(23%)、副業等をしていないと回答したのは352人(34%)でした。
■医師の働き方改革 収入減への不安が最多
医師の働き方改革に期待していること、不安なことを複数回答で聞いたところ、収入が減ることへの不安が最も多く、386人(37%)でした。そのほかサービス残業がなくなる・時間外労働に対して適切な報酬が支払われることへの期待(287人、28%)、プライベートの時間が増えることへの期待(266人、26%)、アルバイト・副業等が禁止されることへの不安(237人、23%)、サービス残業が増えることへの不安(227人、22%)などと続きました。
※医師アンケート結果の詳細については、4月初めにCareNet.comに掲載予定です。