公益財団法人 日本漢字能力検定協会(本部:京都市下京区/代表理事:高坂節三)は、日常生活の中で、家族や友だち、先生など、大切な人たちに「漢字一文字」とメッセージを贈る『今、あなたに贈りたい漢字コンテスト』を企画し、この度 各部門の受賞作品が決定いたしましたので、ご報告いたします。
当協会は、震災以降、社会全体で「絆」に対する意識が高まっている中で、これをより長期的に続く世の中の流れとなることを願い、本コンテストを開催することを企画いたしました。
「漢字を贈る」ことが、贈る人と贈られる人とがお互いの「絆」を感じあえる機会となり、家庭や学校で、季節や人生の節目に「漢字を贈る」輪が広がることを期待しています。
------------------------------------------------------------------------------------------------------
■【絆大賞】各部門1名 計4名
------------------------------------------------------------------------------------------------------
≪小学生部門≫(岐阜県・岐阜市立長森東小学校2年/永友 佑さん/男性)
贈りたい漢字:『手』
贈る相手 :おばあちゃん
贈り主 :ながともゆう
メッセージ :
おばあちゃんは、いつも、ぼくの手をにぎってくれます。
ぼくが、おこっているときも、ないているときも手をにぎってくれます。
そうしてもらうと、ぼくは、とても気もちよくなります。
ぼくは、あたたかくて、やわらかいおばあちゃんの手が大すきです。
≪中学生部門≫(神奈川県・山北町立三保中学校3年/山口 夏季さん/女性)
贈りたい漢字:『迎』
贈る相手 :家族
贈り主 :夏季
メッセージ :
毎日、毎日、家で迎えてくれるあなたの存在にありがとう。
毎日、毎日、迎えてくれる憩いの場にありがとう。
毎日、毎日、迎えてくれる温かい心にありがとう。
自分が安心してホッとする場は家であり、家族に囲まれた空間です。
自分にそのような場が在ることはとても幸せなことだと思います。
これから先も、ずっと、みんなを迎える温かい家族でいようね。
≪高校生部門≫(徳島県・徳島県立新野高等学校3年/中野 志保さん/女性)
贈りたい漢字:『背』
贈る相手 :母
贈り主 :志保
メッセージ :
小さい頃、「仕事に行く母の背中」が大嫌いでした。
「仕事行かないで」って泣きながら母を追いかけて・・・。
その背中が今も心に残っています。
あれから15年ほどたち、私は今高校3年生になりました。
将来のことを悩んだ時、母の背中を思い出しました。
そして、将来の夢として選んだ仕事は、母と一緒の仕事。
その夢を見つけた時、あの頃大嫌いだった母の背中は、今では憧れの背中へ変わっていることに気がつきました。
これからは、母の背中を追って夢へ向っていきます。
≪一般部門≫(大阪府・清水書道教室代表 51歳/清水 真弓さん/女性)
贈りたい漢字:『安』
贈る相手 :娘
贈り主 :母
メッセージ :
「安」の字源は家の中に女がすわっているさま。
仕事と家事で忙しかった頃よくこの「安」の文字を想い浮かべました。
母が家に居て「おかえり」と言って子供を迎えられる「安」に憧れを持ちながら、
その文字と程遠く時間に追われていました。
そして今、ゴールを急いで先に逝ってしまった
最愛の娘にこの「安」の文字を贈ろうと思います。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
■【日本漢字能力検定協会賞】各部門1名 計4名
---------------------------------------------------------------------------------------------------
≪小学生部門≫(群馬県・高崎市立上郊小学校6年/大原 梨奈さん/女性)
贈りたい漢字:『彩』
贈る相手 :おばあちゃん
贈り主 :りな
メッセージ :
私は、祖母に「彩」という字を送りたいと思います。
祖母は、私と一緒にお買い物に行くと「春になってきたわね」と並んでいる野菜や果物を見て必ず季節を私に教えてくれます。
祖母の作るお料理は本当にたくさんの彩りが豊かで目でも楽しませてくれます。
テーブルの上をいつもいろいろな彩りでいっぱいにしてくれる祖母に私は、四季の大切さを教えてもらったと思います。
色彩豊かな食卓に感謝したいです。
≪中学生部門≫(青森県・八戸市立小中野中学校3年/木村 京香さん/女性)
贈りたい漢字:『望』
贈る相手 :両親
贈り主 :木村 京香
メッセージ :
私は母と父の子に生まれてきて世界一幸せ者です。
東日本大震災で大きなゆれが生じたとき、母は私をかばうようにして「大丈夫」といつもの温かい声で守ってくれましたね。
父は出張先からわざわざ飛行機で私たちの元まで戻ってきてくれましたね。
家族四人集まり顔を見ると安心して涙が止まりませんでした。
怒られて反抗してしまうのは家族が私にとって安心できる居場所だからです。
子は親を選べないというけれど私は母や父のもとを望んで生まれてきました。
将来母のような女性になって父のような男性と結婚します!
≪高校生部門≫(沖縄県・沖縄県立八重山商工高等学校3年/長浜 恵利さん/女性)
贈りたい漢字:『傘』
贈る相手 :コーヘイ
贈り主 :エリ
メッセージ :
この漢字は一つかさの下の意から、ある中心人物のもとに多くの人が集まるという意味があります。
あなたの周りにはいつもたくさんの人がいます。
それは、あなたが誰にでも変わらぬ心で接しているからだと思います。
いつかあなたの傘に私も入れてください。
≪一般部門≫(埼玉県・日本語教師 25歳/レ・ジェウ・フエンさん/女性)
贈りたい漢字:『笑』
贈る相手 :義理のお姉さん
贈り主 :フエン
メッセージ :
兄のお嫁さんになってくれてありがとう!
私と兄は二人だけの兄弟なので子供の頃からいつも姉がほしかった。
兄が結婚する日に「やっと姉ができた」と思ってとても嬉しかった。
ニコニコしながら「子供ができた」と報告したお姉さんの幸せな顔を今も思い出している。
しかし、病院で子供がなくなったその日のお姉さんの顔も一生忘れられない。
その日のことを考えるたびに胸が痛くて痛くてたまらない。
私ができるのはお姉さんが泣くのを見るだけだった。
その時どんなことを言っても意味がないと思ったからだ。
私がお姉さんに一番贈りたいのは「笑」だ。お姉さんの幸せな顔をもう一度見たい。
-----------------------------------------------------------------------------------------------
※審査員特別賞・佳作は、コンテストサイト(
http://www.kanken-kizuna.jp/)で公開しています。
----------------------------------------------------------------------------------------------
**********************************************************************************************
<<『今、あなたに贈りたい漢字コンテスト』概要>>
■名称 『今、あなたに贈りたい漢字コンテスト』
■主催 公益財団法人 日本漢字能力検定協会
■後援 全国小学校国語教育研究会
■コンテストサイト
http://www.kanken-kizuna.jp/
■応募テーマ 「大切な人に贈りたい漢字とメッセージ」
大切な人に伝えたい想いを表す漢字とメッセージを記入してください。
漢字は「一文字」、メッセージは「150字」程度とします。
■応募部門 (1)小学生部門 (2)中学生部門 (3)高校生部門 (4)一般部門
■応募方法 郵送、ウェブサイトにて受付
■応募期間 2013年7月10日(水)~10月21日(月)必着
■応募総数 29,042作品
(内訳) 小学生部門 6,005作品
中学生部門 12,769作品
高校生部門 9,083作品
一般部門 1,185作品
■応募作品の漢字ランキング
小学生部門 1位「友」2位「笑」3位「感」4位「優」5位「心」
中学生部門 1位「笑」2位「感」3位「謝」4位「楽」5位「友」
高校生部門 1位「感」2位「笑」3位「謝」4位「愛」5位「楽」
一般部門 1位「愛」2位「謝」3位「笑」4位「生」5位「優」
全部門 1位「笑」2位「感」3位「謝」4位「友」5位「楽」
■応募者の最少年齢 男性:6歳 女性:5歳
■応募者の最高年齢 男性:85歳 女性:95歳
■応募者の男女比 男性:44% 女性:56%
■表彰 絆大賞(各部門1作品) 計4作品:賞状・副賞(旅行券5万円相当)
日本漢字能力検定協会賞(各部門1作品)計4作品:賞状・副賞(旅行券3万円相当)
審査員特別賞(各部門3作品) 計12作品:賞状・副賞(図書カード1万円相当)
佳作(各部門20作品) 計80作品:賞状・副賞(図書カード5千円相当)
※表彰並びに授与は、3月30日に行います。
■審査
主催団体および専門家が、本コンテストの開催趣旨に基づき、漢字一文字とメッセージを合わせて総合的に審査いたしました。
■最終審査員
橋本 五郎 読売新聞特別編集委員 (審査員長)
池田 芳和 全国連合小学校長会顧問、東京福祉大学教授
壷内 明 元全日本中学校長会会長、聖徳大学教授
戸谷 賢司 独立行政法人大学入試センター参与、全国高等学校長協会顧問、秀明大学教授
高坂 節三 公益財団法人 日本漢字能力検定協会 代表理事
<総評>
「漢字ほどことばを具体的に、全的に表現しているものはない。それは一字のうちに形と音と意味とをそなえた、完全な文字である」。白川静さんは『漢字の世界』でそう書いています。応募作品を審査しながら、その思いを一層強くしました。応募の多かった漢字は、「笑」を筆頭に、「感」「謝」「友」「楽」の順となりました。とてもわかるような気がします。
辛い中でも笑いを絶やさず、感謝の気持ちを忘れず、仲間の輪を広げようという前向きの気持ちがよく出ているように思いました。
一字に込められた人生の哀歓を思うとき、順位を付けることに不遜さを覚えたことを正直に告白したいと思います。
(審査員長 橋本 五郎)
■一般の方からのお問い合わせ先
「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」係
TEL:0120-509-315(月~金 9:00~17:00 祝日・年末年始を除く)
以上