林野庁補助事業「令和4年度 内外装木質化等の効果実証事業」採択プロジェクト
この度、三菱地所株式会社と株式会社乃村工藝社は「令和4年度 内外装木質化等の効果実証事業」(林野庁補助事業、木構造進行株式会社・公益社団法人日本住宅・木材技術センターが募集) に共同で応募したテーマ「無垢材などを用いた内装空間によるリラックス効果」が採択され、実証実験を開始しました。
昨今、テレワークと出社のハイブリッドワークの普及により、単なる仕事場ではない、コミュニケーションを図る場としても居心地がよい、ウェルビーイングなオフィス空間の必要性が高まっています。
本実証実験ではオフィス内装空間をモデルに、無垢材などが人にもたらす効果を科学的に実証し、無垢材などの新たな付加価値を見出すことで、非住宅市場における国産木材活用機会と活用量を増やすことを目的としています。今回は音への効果に注目しており、まず素材(無垢材/非木材)や厚みの違いによる吸音性・反響性を測定し、次にその中で差異が大きい素材を使用した2台の実験ブースにて、利用者の生理反応を計測することで新たな価値を発掘します。
学術指導は、東京大学大学院 農学生命科学研究科 恒次祐子教授、
可聴・非可聴領域音調査は、神奈川工科大学 情報学部 上田麻理准教授、
リラックス効果測定調査は、WINフロンティア株式会社 の協力のもと、2023年2月以降も継続して実証を行う予定です。
(ウッドコラボ)
三菱地所株式会社と株式会社乃村工藝社が中心となり、木材の魅力・価値を向上させるため「木って何か良いよね」を科学的に検証していきます。「ヒトの五感」をキーワードに様々な実験を通して、数字やデータにより裏付けることを目的に活動します。本林野庁補助事業採択プロジェクトもウッドコラボの研究テーマの一つとして実施します。
<参考 - 三菱地所と乃村工藝社の木材活用事例>
両社はこれまでにも、国産材を中心とした木材を利活用した空間づくりを行っています。
■ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通り公園
北海道産木材を使用した国内初の高層ハイブリッド木造ホテルで構造材に使用した木材量は国内最大規模。
施設概要 所 在 地:札幌市中央区大通西 1 丁目 12 番地
構 造:RC 造・⽊造(壁:枠組壁⼯法・床:CLT)
規 模:地下 1 階・地上 11 階
延床面 積:6,157.06 ㎡
客 室 数:134 室
付帯施設:CANVAS LOUNGE 「KOKAGE」、レストラン「HOKKAIDO CUISINE KAMUY」CANVAS ROOFTOP 「Outdoor Living SAPPORO」
建 築 主:三菱地所株式会社
設計・監理:株式会社三菱地所設計
施 工:清水建設株式会社
デザイン監修:株式会社乃村工藝社
着 工:2020 年3月 竣 工:2021 年8月末
■3×3Lab Future
三菱地所が大手門タワー・JXビルの1階において2016年にオープンした新しい拠点。新たなビジネス創発を行い、国際都市間競争における東京の競争力向上に寄与する「交流活動」・「実証ラボ」・「情報発信」の3つの機能を兼ね備えています。
発注者:三菱地所株式会社
デザイン・設計・制作・施工:株式会社乃村工藝社
オープン年:2016年3月1日
三菱地所について https://www.mec.co.jp/
三菱地所株式会社は1937年創立以来、「まちづくりを通じた社会への貢献」を基本使命に掲げ、丸の内に代表されるオフィスや商業施設の開発・賃貸・運営管理、収益用不動産の開発、住宅の開発・分譲、設計監理、不動産仲介、物流施設の開発、ホテル開発・運営、空港事業、海外事業、、DX等、多岐にわたる事業を手掛けています。1890年、東京・丸の内一帯を購入し、世界有数のビジネスセンターに育て上げてきた歴史があらわすように、三菱地所グループは「デベロッパーマインド」を大切に、まちづくりを進めてきました。街に住む人、働く人、訪れる人、さまざまな空間やサービスに求められる本質的な価値に思いを馳せ、真に価値ある社会を実現するためにチャレンジを続けています。
乃村工藝社について https://www.nomurakougei.co.jp/
株式会社乃村⼯藝社は、商業施設、ホテル、企業PR施設、ワークプレイス、博覧会、博物館などの企画、設計、施⼯から運営管理までを⼿掛ける空間の総合プロデュース企業です。グループ全体では、全国9拠点・海外8拠点、国内外6つのグループ会社で事業展開しています。1892年(明治25年)の創業から130年にわたり培ってきた総合⼒を活かし、フィジカルとバーチャルを融合させた空間価値の提供で、⼈びとに「歓びと感動」をお届けしています。近年は、持続可能な社会を実現するため、事業活動を通して幸せなインパクトを生み出す「ソーシャルグッド活動」を推進しています。
木材利活用促進については当社グループで推進するフェアウッド応援宣言のもと、森林資源とともに歩まれるお客様の活動をお手伝いするのと同時に、森林保護や持続可能な木材流通の実現を目指して約10年にわたり取り組みを継続しています。