バクスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役会長兼社長:ジェラルド・リマ)は、すべての年齢層の血友病B患者における、出血傾向の抑制を適応とした遺伝子組換え型血液凝固第IX因子製剤「BAX326」(一般名nonacog gamma)の製造販売承認申請を、2013年12月26日に行いました。
血友病Bは、血友病Aに次いで患者数の多い血友病であり、出血を抑制する血液中のタンパク質である血液凝固第IX因子が欠乏している疾患です(1)。「BAX326」は、成人の血友病B患者を対象として、米国およびプエルトリコにて販売されています。
本申請は、他剤による治療歴のある血友病B患者を対象とした試験結果に基づいて行われました。重症および重症中等症の成人血友病B患者を対象とした第I/III相国際共同試験では、「BAX326」の週2回の定期補充療法を6ヵ月間受けた患者の43%(56人中24人)に出血が発生せず、年間出血率(ABR)の中央値は2.0回/年でした。抗第IX因子抗体の発現は認められず、また、アナフィラキシー反応は報告されませんでした。最も多く認められた副作用(1%を超える被験者に発現)は、味覚異常および四肢痛でした。また、12歳未満の血友病B患者23人を対象とした試験結果も承認申請資料として提出されました(2)。
当社では、出血性疾患に対する治療薬のポートフォリオを強化、拡大することに注力しており、血友病Bのように治療の選択肢が限られている領域に重点を置いて、今後も治療薬へのアクセス向上に積極的に取り組んでまいります。
■血友病Bについて
「クリスマス病」とも呼ばれる血友病Bは、血友病Aに次いで患者数の多い血友病であり、出血を抑制する血液中のタンパク質である血液凝固第IX因子が欠乏している疾患です(3)。現在、全世界では約26,000人(4)、日本では990人の血友病B患者がいると報告されています(5)。血友病Bは、出血症状や血友病性関節症(関節内出血)などの合併症をともなう慢性疾患で、しばしば衰弱をともない、また、入院が必要となる場合もあります(6)。
■バクスターの血友病領域における取り組みについて
バクスターは、血友病領域において60年以上の実績があり、世界初となる治療法を数多く提供してまいりました。業界随一の広範な血友病治療薬のポートフォリオを有し、各治療ステージに見合うさまざまな選択肢を提供することにより、患者さん個別の選択に対応することが可能です。当社は、血友病治療の最適化と世界中の血友病AおよびB患者さんのQOL向上に向けて取り組んでいます。
■バクスター株式会社について
バクスター株式会社は、腎不全、血友病、輸液、麻酔、疼痛管理の領域に特化した世界的なヘルスケアカンパニー、米バクスターインターナショナルインクの日本法人です。医薬品、医療機器、バイオテクノロジーを中心とした医療サービスを患者さんや医療現場に提供し、医療に新たな価値を創造します。
1.Frequently Asked Questions About Hemophilia. World Federation of Hemophilia. Accessed on April 20, 2012
http://www.wfh.org/
2.Pharmacokinetics, efficacy and safety of BAX326, a novel recombinant factor IX: a prospective, controlled, multicentre phase I/III study in previously treated patients with severe (FIX level <1%) or moderately severe (FIX level ≤2%) haemophilia B. Haemophilia. 2013 Jul 9.; pediatric study not yet published
3.Types of Bleeding Disorders: Hemophilia B. National Hemophilia Foundation. Accessed on May 10, 2013. Available at:
http://www.hemophilia.org/NHFWeb/MainPgs/MainNHF.aspx?menuid=181&contentid=46&rptname=bleeding
4.2011 Annual Global Survey. World Federation of Hemophilia. Accessed on May 10, 2013. Available at:
http://www1.wfh.org/publications/files/pdf-1488.pdf
5.厚生労働省委託事業「血液凝固異常症全国調査」平成24年度報告書
6.Lee-Rodriguez-Merchan, E.-C. and Valentino, L. A. (2011) New Developments in Hemophilic Arthropathy, in Current and Future Issues in Hemophilia Care (eds E.-C. Rodriguez-Merchan and L. A. Valentino), Wiley-Blackwell, Oxford, UK. doi: 10.1002/9781119979401.ch29