当社は2022年9月30日、米国Structuralグループ4社の事業資産を譲受するStructural OpCo, LLC及び、その持株会社であるStructural HoldCo, LLCの持分70%を取得し、特定子会社とすることを決定しましたので、お知らせいたします。
1. 持分取得の理由
当社は今回の事業資産譲渡を通じ、ワシントンD.C.近郊で住宅のトラスや壁パネルなどのコンポーネント製造事業に参入します。当社は米国でパネル設計から、製造、配送、施工までを一貫して提供するFully Integrated Turn-key Provider(以下、FITP)事業を推進しており、今回のコンポーネント製造機能の獲得によりFITP事業の確立を目指します。
Structuralグループはペンシルベニア州とメリーランド州の州境に本社工場を構え、住宅メーカーや工務店向けにコンポーネント製造事業を展開しています。ワシントンD.C.都市部へのアクセスに優れ、同エリアの住宅メーカー等に高品質な製品を提供することで事業を拡大してきました。
米国建設業界では労働力不足や労務費の高騰、工期長期化が深刻で、住宅建設時の施工合理化や工期短縮等が課題となっています。今後は当社グループの工場で製造したパネルやトラスなどのコンポーネントを邸別に配送し現場で組み立てることで工数を削減し、それらの課題解決に取り組みます。2022年2月にはワシントンD.C.近郊でフレーミングや内外装工事等の請負事業を展開する施工会社を買収し一部の施工機能を内製化しました。今回持分を取得するコンポーネント製造会社との連携により、ワシントンD.C.をはじめとした米国東海岸でFITP事業を確立します(参考資料:FITP事業工程図参照)。
今後は米国で戸建分譲住宅事業を展開する当社グループ各社へコンポーネントおよび施工力を提供し、資材調達から住宅販売までを一気通貫で担います。施行合理化の推進と新たな価値の創造(バリューエンジニアリング)で、工期短縮、経費削減、品質向上、建築現場の廃棄物削減等を実現します。当社グループの米国での資材調達網を活用した価格競争力のある建材・資材の供給に加え、将来的にはFITP事業を発展させ、窓、ドア、外壁、キャビネット等、幅広い品目の資材供給を目指します。
当社グループは2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」で事業方針の1つに「グローバル展開の進化」を掲げ、米国の年間住宅供給戸数23,000戸を目指しています。将来的な米国建設業界での労働力不足を見据え、製造会社や施工会社の買収を通じ将来的な施工力を確保します。近年、当社の米国における住宅・不動産事業は著しい成長を遂げ、当社全体の利益に占める割合も大きくなっています。FITP事業の確立により、米国における当社グループ全体のバリューチェーンを強化し、収益源の多様化と安定したポートフォリオの構築を目指します。
2. 特定子会社の概要:
※ 参考情報
Structural HoldCo, LLC社、Structural OpCo, LLC社は、当社グループの資産譲受に際し、Builder Solutions Group社が新設する会社です。OpCo社が資産譲受の対象とするStructuralグループ(対象4社、Structural, LLC、Structural Building Solutions, Inc、Maryland Transload Logistics, LLC、Hobbs Lumber & Hardware, LLC)の2021年12月期の連結経営成績及び連結財務状態は以下の通りです。純資産10百万USD、総資産14百万USD、売上高43百万USD、税引前利益6百万USD。
3. 資産譲受の主な相手先の概要等:
4. Structural HoldCo, LLC社持分の取得持分及び取得前後の所有持分の状況
※ 取得価格については、譲渡価格調整条項があり、最終的な価格が変動する可能性があります。
5. スケジュール:
※ 決議日は当社取締役会が決議した日です。
6. 今後の見通し:
2022年12月期の当社連結業績への影響につきましては、現在精査中であり、開示すべき事項が生じた場合には、速やかに開示致します。
以 上
<参考資料>FITP事業工程図