改正公益通報者保護法により内部通報制度の有効性向上が求められる中、国内外で一貫したグローバル内部通報制度の構築を助言
デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ リスクサービス株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 岩村篤 以下、デロイト トーマツ)は、企業の内部通報制度の有効性向上を支援するために内部通報マネジメントシステム構築助言サービスの提供を開始します。
2022年6月1日に施行予定の改正公益通報者保護法では、従業員300名超の組織に対して内部通報制度の体制整備が義務化されます。しかし、デロイト トーマツの調査*1によると改正公益通報者保護法について、内容を含め知らない人の割合が36.9%となり、理解が進んでいません。公益通報者保護を目的とした内部通報制度の体制整備はコーポレートガバナンスコードによっても明示的に求められており、多くの企業で何らかの対応がされているものの、法規制によりペナルティが課せられる可能性もあります。そのため、今後はより有効性の高い体制や運用が求められることになります。
多くの日本企業が進出している海外においても、公益通報者を保護する法規制が整備されつつあります。例えば欧州では、EU公益通報者保護指令が発布され、指令に基づいてEU加盟各国が公益通報者を保護する法令の整備もしくは改正を行いました。これらの規制の動向は通報者保護の強化と共に日本本社で運営するグローバル内部通報制度に対するステークホルダーの信頼を得ることの重要性を示しています。海外に進出している日本企業においては国内法の基準である11条指針*2のみではなく、例えば、ISOといった国際的な基準を参照して内部通報制度を整備・運用することが有効と考えられます。
本サービスでは、企業が11条指針に準拠し国際規格であるISOの基準を参照しながら、既存の内部通報制度の有効性を高めるために、必要な方針、一連のプロセス・手続きの整備を行うことを支援します。具体的には内部通報制度のマネジメントシステムに必要となる規程、基準、手順書、周知文書等アイテムの雛形を提供すると共に、内部通報制度のアセスメント支援など、企業が内部通報制度の刷新を図るための助言を行います。
〇内部通報マネジメントシステム構築助言サービスの特徴
- 企業が11条指針に準拠し国際規格であるISOの基準を参照しながら、内部通報制度マネジメントシステムを構築するために必要となる規程、基準、手順書、周知文書、担当者指名文書、通報中継レポート、調査票および定型返信文などの関連雛形資料を提供します
- デロイト トーマツでは内部通報制度構築の支援や外部窓口として内部通報の中継業務を10年以上継続して企業に提供しており、その知見や考え方に基づき上記雛型の作成と共に個社毎の課題への助言を行います。
- 本サービスは、内部通報マネジメントシステムアセスメントシートおよびISO 37002*3規格票の活用を前提としています。これにより、11条指針を満たす体制であるか否かの検証、ISO 37002の詳細な細分箇条と自組織の内部通報制度との比較や、WCMS*4審査基準との比較検証を効率的に行うことができます。アセスメントシート*5およびISO 37002規格票*6の知的財産権は他団体に属しており、別途正規の販売者から事前に購入する必要があります。
*1 デロイト トーマツ グループ「内部通報制度の整備状況に関する調査2021年版」
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/risk/articles/cm/survey-report-whistleblowing-system.html
*2 11条指針:公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針
*3 ISO37002:ISO 37002:2021 Whistleblowing management systems - Guidelines
*4 WCMS:Whistleblowing Compliance Management System
*5 一般社団法人日本コンプライアンス&ガバナンス研究所が販売しています
https://jacgi.org/
*6 一般財団法人日本規格協会が販売しています
https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0010/?post_type=book_common&page_id=b_j_libraryserver_t1