チェコ共和国駐日特命全権大使のマルチン・トムチョ(Martin TOMČO)氏が3月2日、城西国際大学千葉東金キャンパス(千葉県東金市)を来訪され、チェコ語教育に力を入れる本学の取り組みについて、杉林堅次学長らと意見交換しました。8月からチェコの大学で学ぶ予定の千葉悠々華さん(国際人文学部国際交流学科2年)とも面談し、コロナ禍の収束がみえないなかで留学準備を進める学生を激励しました。
中欧研究所を擁する本学は、チェコ共和国をはじめ、ハンガリー、ポーランド共和国といった中欧ヨーロッパ地域の語学・文化教育に注力しています。特に、チェコ語を学べる大学は国内に数校しかなく、国際大学として貴重な学びの機会を提供しています。また本学でチェコ語・チェコ文化教育を担当するダニエラ立古(りゅうご)兼任講師は、その功績を認められ、昨年10月、チェコ共和国外務省から「Gratias agit(ラテン語で「感謝」の意味)賞」を贈られました。こうした縁が発端となり、今回の来訪が実現しました。
この日、トムチョ大使は杉林学長に「チェコ語の貴重な教育の場を提供いただいていることに、深く感謝します。チェコには多くの日本企業が進出しており、関係性をさらに強化するためにも、両国の窓口となる人材の育成にも期待しています」と語りかけました。さらにチェコからの留学生の受け入れにも、協力を呼びかけました。杉林学長は「日本が中欧地域の文化や歴史から学ぶべきことはたくさんあります。チェコ語を専攻する学生を増やすとともに、チェコからの留学生もこれまで以上に受け入れていきたく思っています」と応じました。
本学図書館が所蔵するチェコ関連図書を見学したあと、トムチョ大使はチェコ留学を控えた千葉さんと面談しました。千葉さんはチェコ語で自己紹介し「現地でチェコ語と英語を学んできます」と話しかけると、大使は笑顔で「とてもきれいな発音ですね」と勉強の成果を称えました。「チェコにはさまざまな歴史的建築物や博物館があり、大変美しく、安全な国です。現地での滞在を楽しみ、チェコの文化に触れてください」と、コロナ禍に加え、国際情勢が不安定ななかで留学準備を進める千葉さんを励ましました。
千葉さんは本学入学後にチェコ語を学び始め、次第にその文化にも興味を持つようになり、留学を決意。昨秋の渡航予定がコロナ禍の影響で延期となり、今年8月から10カ月間、チェコ第2の都市・ブルノにある本学の協定校マサリク大学で、交換留学生として学ぶ予定です。「現地では語学の習得だけでなく、日本文化や日本映画に関する授業にも参加し、日本人としての視点で議論に加わりたいです」と、決意を新たにしていました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響から、本学では約2年間にわたり学生の海外留学を中止していましたが、この2月からようやく再開にこぎつけました。第一陣として韓国とカナダへ16名の学生を送っています。今後も状況を注視し、安全に十分配慮しながら、派遣数を増やしていく予定です。
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