大学通信から中学・高校のニュースリリースをお送りします。
武蔵野学芸専門学校高等課程(東京都武蔵野市)では、美術教育の中で「Art thinking」や「Design thinking」といった思考力を高める教育プログラムを実践するとともに、表現や技法についても専門的な知識を勉強できる環境を作り出すことで、実社会で活躍できる人材を育成している。このたびは、多くのプロのイラストレーターや漫画家が使用しているマーカー・コピック(COPIC)を開発したTooグループのグループ会社である株式会社G-Tooから講師を招き、特別講習を実施した。
当日はまず、G-Tooから来校した講師による、コピックの特色と性能についての導入講義を実施。「コピックと普通のマーカーの違いは?」「アルコールマーカーのメリット」など、同社がデザイナーにとって使いやすいマーカーを目指して商品開発した特色を解説した。
講義の後には、コピックマーカーを使用して実際に作品を制作。コピックペン先の使い方、彩色のムラについて、0番(透明)の使い方など、これまで感覚で使用していたコピックに隠された能力に生徒たちは感銘を受けていた。
コピックの技法は水彩画やデザイン画と共通する知識も多く、カリキュラム後に実施したポスター制作、油絵制作、水彩制作にも大いに生かされている。生徒らは、制作で使用する画材が異なっても、求められているものは同じであることを感じたのだろう。
美術の授業は一つの知識がさまざまな分野につながっており、同校の授業では、それを体験しながら学んでいく。
例えば、西洋美術史やデザイン史を学ぶ時、一般科目で学ぶ世界史とつながっていることを知り、日本美術史では日本史との関わりを知る。美術は社会の変動とともに移り変わっていくことを知ることで、単に絵を描くだけではなく社会に目を向けることができる人材の育成が可能となる。
この多様なつながりを持つアート教育が、将来の目標に向かって生徒たちが柔軟に発想を繰り広げていく原動力となっている。
以前から欧米諸国の教育に取り入れられているSTEAM教育(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念)では、知る(探求)とつくる(創造)のサイクルを生み出す分野の横断的な学びを生み出し、その中でArt(芸術)によってさまざまな課題を見つけ、クリエティブな発想で問題解決を創造、実現できる人材を育成するための取り組みが行われている。
同校で実施している分野を横断したアート教育も、このSTEAM教育が持つ横断的な学びを基本としてカリキュラムを設計している。
近年、日本でもSTEAM教育の考え方が広がりつつあり、研究会や学会などで論文も提出され始めている。これまで日本の教育ではArt(芸術)を軽視する場面が多かったが、Art(芸術)が社会の中心になっていく未来がすぐそこまできていると同校は考えている。
(武蔵野学芸専門学校公式サイト)
【NEWS】コピック技法 特別講習会
https://musagei.jp/news/details.html?rec=402
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/