サプライチェーンで標的になることが少なかったシステムへの攻撃が増加する:多くのネットワークで、バックエンドコンピューティングシステムの多くでLinuxが動作していますが、最近まで、Linuxがサイバー犯罪者の主な標的になることはありませんでした。ところが最近、Windows 10、Windows 11、Windows Server 2019でLinuxバイナリ実行ファイルをネイティブ実行するための互換性レイヤであるMicrosoftのWSL(Windows Subsystem for Linux)を標的にする新たな不正バイナリが検知されました。さらには、Linuxプラットフォーム向けのボットネットマルウェアもすでに作成されています。このようなボットネットマルウェアの存在により、攻撃対象領域がネットワークのコアへと拡大し、防御しなければならない脅威が増加します。このことは、Linuxプラットフォームで動作するオペレーショナルテクノロジー(OT)デバイスやサプライチェーン全般に影響します。
サイバー犯罪者がウォレット、宇宙、家庭などのあらゆる場所を標的にする
防御側の今後の課題は、攻撃の増加やサイバー攻撃者の手法の進化だけではありません。エクスプロイトの新たな分野が開拓されて、攻撃対象領域がさらに拡大しています。世界中の組織でWFA(work from anywhere:場所に縛られない働き方)が採用され、あらゆる場所で働く従業員が増加し、リモート学習や新しいクラウドサービスなどの推進によってネットワークエッジが新たに追加され、ネットワークが拡張し続けることで、この状況がさらに困難になることが予想されます。オンライン学習やオンラインゲームが一般家庭にも浸透し、その人気は高まるばかりです。このように、場所や時間の制約なく接続が可能になっていることで、サイバー犯罪者は膨大な攻撃機会を手にしています。脅威アクターは、コアネットワークだけでなく、拡大するネットワークの新しいエッジ環境やあらゆる場所で働く従業員も標的にし、悪用する攻撃に多くのリソースを投入するようになっています。