レンゾ・ピアノ設計による米国最大の施設がオープン
映画と映画製作の芸術科学の探求に特化
アカデミー映画博物館を上空から撮影したもの©Academy Museum Foundation
<概要>
今月、ロサンゼルスの中心部にオープンする「アカデミー映画博物館」は、プリツカー賞を受賞した建築家レンゾ・ピアノ氏がレンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップと共同で設計し、建設設計事務所のゲンスラーが建設を担当した、映画製作の従事者と、芸術科学に特化した米国最大の施設です。約4645平方メートルのギャラリースペースには、臨場感あふれる展示が用意されています。
アカデミー映画博物館では、次の展示を予定しています。
-同博物館の中核となる
Stories of Cinema(映画の物語)は、3階分のギャラリーで展開され、主にアカデミー映画博物館と映画芸術科学アカデミーのコレクションから集められたアーカイブ映像、衣装、展示品を通じて、映画の歴史を紹介する臨場感あふれる展示内容となっています。
- アカデミー映画博物館オープニング初の企画展
宮崎駿展:アメリカ大陸の美術館では初となる、高い評価を受けたアニメーション映画監督 宮崎駿氏の回顧展です。
The Path to Cinema(シネマへの道): リチャード・バルツァー コレクションハイライト:映画誕生前の光学玩具や装置の世界有数のコレクションを展示し、映画の発明に繋がった視覚的エンターテイメントの長い歴史を紹介します。
Backdrop: An Invisible Art (バックドロップ:見えざる芸術):ヒッチコック監督の「北北西に進路を取れ」に登場する象徴的なシーンであるラシュモア山にスポットを当てています。
- シドニー・ポワチエ ・グランドロビーにある無料の
スピルバーグ ・ファミリー ギャラリーでは、リュミエール兄弟から現代までの映画の歴史を、複数のスクリーンを使ってアカデミー映画博物館の展示物をダイジェスト紹介しています。
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「The Oscars® Experience (オスカー体験)」は、ハリウッドのドルビー・シアターのステージでアカデミー賞受賞の体験ができるプログラムです。
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1,000席のデヴィッド・ゲフィン・シアターでは、35mm、70mm、レーザー・プロジェクション、ナイトレートによる上映を毎日行う他、大規模な映画イベントも開催します。
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288席のテッド・マン・シアターでは、様々な年代のこども向けの土曜のこども向けマチネや、海外映画作品まで、16mm、35mm、70mm、デジタル・レーザー・プロジェクションによる多岐にわたる上映を行います。
-広さ約930万平方メートル、250席の
レストラン・カフェ「Fanny's」は、アールデコ調のバーやラウンジエリア、フードコートを完備しています。レストラン経営者 Bill Chait氏とCarl Schuster氏 によるもので、ケータリングサービスはウルフギャング・パック・ケータリングが担当しています。
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アカデミー・ミュージアムストアは、限定デザイングッズや、アカデミー賞関連グッズなど、映画に関連する商品を販売する約240平方メートルの店舗です。
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屋上のドルビー・ファミリー・テラスからは、ハリウッド・ヒルズを一望できます。
<所在地>
6067 Wilshire Boulevard, Los Angeles, CA 90036
アカデミー映画博物館は、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)、ピーターソン自動車博物館、ラ・ブレア・タールピッツ博物館、クラフト・コンテンポラリーなどが並ぶロサンゼルスの文化の中心地、ミラクルマイルに新たに加わる重要な施設です。
<開館日>
2021年9月30日(日本時間:2021年10月1日)一般公開
<オープニング・プログラム>
9月30日(米国時間)には、「オズの魔法使」(アメリカ、1939年)を、アカデミー賞ノミネート経験のあるデビッド・ニューマンが指揮するアメリカン・ユース交響楽団の生演奏をバックに大劇場で上映します。
開館後3カ月間、アカデミー映画博物館では、115本以上の映画上映、ディスカッション、その他充実のプログラムを実施します。上映作品の一部は下記のとおりです。
マルコムX 70mm版 : アカデミー映画博物館会員向けの上映会で、特別ゲストにスパイク・リーとデンゼル・ワシントンを迎えて開催します。
Oscar® Frights: 「ゲット・アウト」(アメリカ、2017年)や「サイコ」(アメリカ、1960年)など、アカデミー賞受賞作品やノミネートされたホラー映画を上映します。
宮崎駿作品:初の企画展”宮崎駿展”の開催に合わせ、宮崎駿監督の全11長編監督作品を上映します。
Imperfect Journey: ハイレ・ゲリマと同志: ハイレ・ゲリマ監督とその同志であるマリク・サイード、ブラッドフォード・ヤング、アーサー・ジャファらを称える上映会で、エイヴァ・デュヴァーネイがホストを務めます。
Sound Off: A Celebration of Women Composers(女性作曲家を称えて): ヒドゥル・グドナドッティルが音楽を担当した「ジョーカー」(アメリカ、2019年)、ウェンディ・カルロスが音楽を担当した「トロン」(アメリカ、1982年)など、女性作曲家が音楽を担当した映画の上映会を行います。
ジェーン・カンビオンとサタジット・レイの回顧展。後者は、アカデミーフィルム アーカイブが所蔵する豊富な作品と共に紹介します。
Beyond the Icon: アンナ・メイ・ウォン: 「ピカデリー」(イギリス、1929年)と「上海特急」(アメリカ、1932年)の上映を含む、アンナ・メイ・ウォンに敬意を表したイベントを行う予定です。
アカデミー映画博物館では、ギャラリー、シアター、シャーリー・テンプル教育スタジオなどで、中高生向けや家族向け、あるいは学校・団体ツアーといった様々な教育プログラムを随時提供します。また、難聴者や聴覚障害者、弱視者や視覚障害者のためのツアーや、ニューロダイバージェントのご家族向けの映画上映会も毎月開催されます。
<入場料>
時間指定の前売り入場券は academymuseum.org より購入いただけます。
一般入場券:大人25ドル、シニア(62歳以上)19ドル、学生15ドル、17歳以下無料。ハリウッドのドルビー・シアターのステージでアカデミー賞受賞を疑似体験できる「Oscars® Experience」は追加料金15ドル。
当博物館の以下のパブリックスペースは、一般入場券をお持ちでない方でもご利用いただけます。T ウォルト・ディズニー ピアッツァ、スピルバーグ ・ファミリー ギャラリーを有するシドニー・ポワチエ ・グランドロビー、アカデミー・ミュージアムストア、レストラン・カフェ「Funny’s」
営業時間:年中無休。
日曜~木曜:10時~18時(The Oscars® Experienceは9時~19時)
金曜~土曜:10時~20時(The Oscars® Experienceは9時~21時)
当館では、カリフォルニア州およびロサンゼルス郡公衆衛生局によるCOVID-19公衆衛生ガイドラインを遵守していただく必要があります。