デロイト トーマツが企業の経営テーマの動向を投資家向け開示情報から分析、DX、SDGs、カーボンニュートラルなどの記載が急増

  • 記載の急上昇ワードはCOVID-19、DX、ESG、SDGs、カーボンニュートラルなど
  • DXに言及する企業が増加、特に東証一部上場企業においては顕著な結果に
  • ESG、SDGs、社会的価値の記載率は銀行が最多、次いで電力・ガス、エネルギー資源。全業種で増加傾向
  • 今後の注目ワード、パーパスの記載が増えつつある

デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、CEO:永田 高士)は、国内企業の経営テーマにおける注力分野の動向を把握する目的で、上場企業2,752社を対象に有価証券報告書をテキストマイニングで分析したレポート「テキストマイニングによる有価証券報告書の開示動向調査」を発表します。

有価証券報告書にて経営方針や経営戦略などを説明する項目「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において記載があったワードを分析したところ、2021年はCOVID-19関連ワードに加えて、ESGやSDGsなどの社会課題関連ワードや、DXなどデジタルトランスフォーメーション関連ワードが急増しています(図表1)。具体的にはDXが前年比379社増、SDGsが前年比257社増、ESGが前年比159社増となり、デジタル技術を活用してビジネスを変革しながら、中長期的な社会価値の創出を目指す姿勢が見られました。また、カーボンニュートラル(前年比166社増)、脱炭素社会(前年比151社増)への言及も増えており、企業が気候変動を経営テーマとして受け止め始めていることが見て取れます。

DXに言及する企業が増加、特に東証一部上場企業においては顕著な結果に
急上昇ワードの2位であるDX関連ワードについては、特に電力(64%, 前年比9ポイント増)、情報通信・サービスその他(50%, 前年比11ポイント増)、電機・精密(44%, 前年比12ポイント増)等の業種における記載企業の割合が高くなっています。会社規模とDXの記載率の傾向を見ると、企業数の少ない一部の業種を除いて、東証一部に属している企業(平均43%)の方が、東証一部以外(二部・その他市場)に属している企業(平均24%)よりも高くなっています。DXの記載率を経年比較すると全業種において増加傾向にあることが見て取れます(図表2)。具体的な記載例としては、「新型コロナウイルス感染症拡大を契機として顧客との接点の変化を見込み、デジタルツール活用した非接触の販売プロセスの確立に取り組む」との記載や、「『デジタルとリアルへのベストミックス』 を追求することで安心と利便性を提供する方針」といった記載が見られました。

図表1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等における急上昇ワード

図表2 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等におけるDXの記載率(2019年、2020年、2021年)

SDGs、ESG、社会的価値の記載率は最多が銀行、次いで電力・ガス、エネルギー資源。全業種で増加傾向
ESG、SDGs、社会的価値の関連ワードの記載率は銀行、電力・ガス、エネルギー資源を筆頭に17業種中8業種が50%を上回り、比較的、高い割合で記載される傾向が見られました。また、市場区分別の集計では、ほぼ全ての業種で東証一部企業における記載率が高い傾向にあります。そして、記載率を経年比較すると全業種で記載する企業の割合が増加傾向にあり、業種を超えた経営テーマであることが示されました。特に、鉄鋼・非鉄業においては記載率が2019年に13%、2020年に22%でしたが、2021年には53%まで急増しています(図表3)。

図表3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等におけるSDGs、ESG、社会的価値の業種別記載率

今後の注目キーワード、パーパスの記載が増えつつある
SDGs、ESG、社会的価値が経営テーマとして示される中、パーパス(存在意義)のワードの記載をしている企業も2020年の98社から2021年の159社まで増加しました。パーパスを経営方針や経営戦略と紐づけて具現化する動きは今後も広がっていくことが期待されます。

パーパスは、ステークホルダーや社会全体といった第三者的視点から自社の果たすべき役割を俯瞰して定義付けていくものであるにもかかわらず、単に「存在意義のある会社」と説明したり、パーパスと経営理念を一致させたりする記載があり、パーパスの位置づけが道半ばなケースがありました。また、パーパスの内容については、金融機関や幅広い商品・サービスを扱っている企業においては「新たな価値の創出」といった抽象度が高い表現が多くみられる一方で、注力する商品や領域を絞っている企業は「食」「健康」「快適な住まい」などのように、具体的な表現を盛り込む例もありました。

パーパスと同様に今後注目するキーワードとしてWell-being が挙げられ、2020年は7社でしたが、2021年は17社に増加しました。例えば、社会に提供する価値として「健康・快適に暮らせるインクルーシブな社会の実現 」と表明し、その中で「Well-beingの提供」を掲げている企業や、「健康的で幸福な『美しい生活(Well-being)』を提案・創造」と記載した企業もありました。

デロイト トーマツ グループ パートナー、神津友武の見解
近年、多くの分野でテキストマイニングを活用した研究が活発になっており、中でも有価証券報告書や決算短信等を対象に企業分析を行うといった動きも見られています。今後研究が進む中でAIなども活用して財務以外のテキスト情報を企業分析や投資判断に活用することが増えることが想定され、今回のように日本企業全体の動向をベンチマーキングすることは有効と思われます。
例えば、今回の分析において、社会課題への自社の取り組みを明示的にESGやSDGsと関連させて発信する企業が急増していることが分かったものの、まだ具体的なKPIや数値目標まで踏み込んで記載している例は多くなく、企業のより一層の情報開示が望まれます。

■テキストマイニングによる有価証券報告書の開示動向調査
調査期間
2021年7月1日~2021年7月31日

調査目的
国内企業の経営戦略、リスク、ガバナンスにおける注力分野の動向の把握

調査対象企業
2020年12月1日から2021年3月31日までに決算期を迎え、かつ、2021年6月30日までに当該期間の有価証券報告書を提出した東京証券取引所上場企業のうち、過去5年間にわたり決算期の変更なく有価証券報告書を提出している企業(2,752社)

対象となる有価証券報告書
上記対象企業が2021年7月1日時点で発行しており、EDINETにて公開されている有価証券報告書

対象となる有価証券報告書の項目
有価証券報告書の記載項目のうち、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等

■調査結果の詳細
調査結果の詳細については、以下よりご覧いただけます。
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20210902.html

本件に関するお問合わせ先
<報道関係者からの問い合わせ先>
デロイト トーマツ グループ 広報担当 内山
(デロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社)
Tel: 03-6213-3210
Email: press-release@tohmatsu.co.jp

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この企業の情報

組織名
デロイト トーマツ グループ
ホームページ
https://www2.deloitte.com/jp/ja.html
代表者
永田 高士
資本金
500,000 万円
上場
未上場
所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル
連絡先
03-6213-3210

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