機能性食品の研究開発で知られる武庫川女子大学食物栄養科学部食創造科学科の松浦研究室(松浦寿喜教授)が株式会社「味来」とコラボし、兵庫県朝来市の特産品で日本三大ねぎの一つ、岩津ねぎの成分を分析。ビタミンCを補給する機能を明らかにし、岩津ねぎの栄養を手軽に取れるパウダー化を実現しました。スティックタイプの「ねぎのチカラ」として発売し、注目を集めています。
岩津ねぎは兵庫県朝来市の特産品で、福岡県の「博多万能ねぎ」、群馬県の「下仁田ねぎ」と並ぶ日本三大ねぎとして知られます。ヌルヌルした強い粘液質が特徴で冬季に出荷の最盛期を迎え、鍋にぴったりの食材です。ただ、収穫量が少なく、おいしさや魅力が十分に知られていないのが実情です。
松浦研究室は機能性食品の研究開発に優れた実績があり、農業と地域の振興に一役買おうと朝来市に拠点を置く「味来」と連携。2018年、ひょうご農商工連携ファンド事業としてプロジェクトをスタートし、岩津ねぎの機能性成分の研究を進めてきました。同プロジェクトは2020年6月、兵庫県アグリビジネス創出支援事業にも採択されています。
研究は主に松浦教授と中村衣里助教が手掛けました。ビタミンCを補給する機能を明らかにし、栄養機能食品(ビタミンC)としてのエビデンスを示すとともに、岩津ねぎの栄養を手軽に取れるパウダー化を実現。スティックタイプの「ねぎのチカラ」として7月に発売しました。学生約10人も成分分析や「ねぎのチカラ」を使ったレシピ開発に協力。お好み焼きに混ぜたり、焼き鳥風に鶏肉と一緒に炒めたりしておいしく食べる方法を「味来」のホームページで提案しています。
岩津ねぎには、ビタミンC以外にも食物繊維やポリフェノールも豊富に含まれます。食物繊維は腸内環境を健康に保ち、ポリフェノールは抗酸化作用が期待されます。松浦教授は「普段の食品に加えるだけで岩津ねぎの栄養を摂取でき、季節を問わず、手に入るのが魅力です。今後さらに研究を進め、岩津ねぎの栄養パワーを明らかにして機能性表示につなげたい」と話しています。
「味来」のホームページから購入できるほか、「道の駅 フレッシュあさご」で販売されています。
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