投資家が直面する避けられない真実(2021年版):新型コロナ危機によって強化された潮流とより困難が待ち受ける潮流

キース・ウェイド
チーフ・エコノミスト

世界経済がグレート・ロックダウンから回復し始めました。パンデミック後の投資環境を特徴づける主要なトレンドをより詳しく見ていきましょう。

私たちは、投資家が避けられない真実のレンズを通し、中期的な見通しに影響を与えていくであろう3つの主要な構造的かつ破壊的なインパクトを持つ要因:

― テクノロジー導入の加速
― ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭
― 気候変動をはじめとした、環境問題へのより強いフォーカス

に焦点を当ててみていきます。
今回のアップデートでは、パンデミックからの経済回復期において、これらの「真実」またはトレンドの何が受け入れられ、何が困難に直面していくのかを述べていきます。



要約
世界経済はグレート・ロックダウンから抜け出しつつありますが、進捗状況はまだらです。米国と英国が先導しているように見えますが、中国も引き続き堅調です。ユーロ圏はワクチンプログラムのスタートがやや遅れたためペースがゆっくりではありますが、それに続いています。全体としては、インドやブラジルなどウイルスの封じ込めに苦労しているエマージング市場に対して先進国市場の経済回復が先んじて進んでいる状況です。パンデミックがもたらしたもう1つの分断は経済の不均衡であり、これは所得と富の両方の指標で拡大している可能性があります。

一方前向きな点としては、テクノロジーの技術革新によって促された経済の適応力は、より強力な生産性の向上を促す可能性を示しました。この点を考慮して、人口動態の悪化は続いていますが、我々は中期的な見通しを引き上げました。

テクノロジーの進展による第4次産業革命によって雇用の一部が減少する可能性があることから、不平等問題への取り組みにおいて政策担当者は困難なかじ取りが要求されるでしょう。パンデミックの最中にはポピュリズムが急速に台頭することはありませんでしたが、今後再び戻ってくることが予想されます。歴史は、パンデミック後に社会不安が増大し、よりポピュリスト的な政策をもたらす環境を作り出すことを示しています。

環境問題への関心が高まり、気候変動への取り組みが進んでいます。米国はパリ協定に復帰し、バイデン政権は環境対策のインフラストラクチャーへの投資を増やすことを決定したほか、中国はカーボン・ニュートラルの目標を設定するなど、世界の2大汚染国が協力して対策を進める流れとなっています。しかしながら、エネルギー変革は大きな好機をもたらしますが、先進国市場とエマージング国市場の間の格差を増長させる恐れもあります。

パンデミック対応で政府の財政は大幅に悪化し、債務の持続可能性については疑問が投げかけられています。それにもかかわらず、政府が緊縮財政に戻り、公共部門を圧迫するようになることを望まないという、財政政策についての考え方に変化が起きています。景気回復に対するサポート材料にはなりますが、今後発生するヘルスケアと気候変動への追加支出需要を考えると、政府財政への圧力は引き続き継続するでしょう。増税は不可避であり、その対象として政府は企業部門に目を向けています。

金融政策の運営において財政政策の影響を考慮する流れが強まっていることから、金融的抑圧(金融緩和により実質金利を低位に維持する状態)が続く可能性が高いと考えます。経済成長見通しの改善にもかかわらず、金利は長期にわたって低位にとどまっています。 但しそれと同時に、インフレ率の上昇というテールリスクは高まっています。 足元のインフレ率の上昇は一時的なものであろうと予想しますが、循環的圧力は高まっており、2022年には金融政策を引き締める必要があるとみています。そこから先については、悲観的シナリオを構築することも難しくありません。一例として、継続する社会的不平等がポピュリスト運動を扇動し、中央銀行の独立性が弱まり、インフレを制御できなくなるケースがあげられるでしょう。

その一方、インフレを抑制する強力な力もあります。テクノロジーは製品市場と労働市場の両エリアでの競争の激化を生み出し、物価を押し下げています。また中央銀行では低インフレ率を支持するコンセンサスが依然としてあり、このようなスタンスの転換には構造的な力に直面してインフレ率が低すぎる、という認識が必要でしょう。

このような背景の中で、構造的破壊をもたらすトレンドに乗り、世界経済において成長の機会を見つける必要がある投資家にとって、簡単な答えはありません。明らかなことは、政府がこれらのトレンドを推進する上で、以前と比べてより大きな役割を果たしているということです。


※以下、PDFをダウンロードの上、ご参照ください。

<目次>

世界的な成長の見通しの改善

インフレ懸念

デジタル化の流れは生産性の向上を後押し

人口動態による下押し

成長率予想の上方修正

力強い成長も恩恵には偏り

ポピュリズムの衰退?

ポピュリズム:活動休止中?それとも形を変えて戻っているのか?

政府財政への圧力の高まり:ヘルスケアと気候変動

環境と気候変動への注目の高まり

資金調達と借入費用:誰が負担するのか?

税金:企業は脆弱

金利を長期に低く抑えるべきか?

財政支配?




【本資料に関するご留意事項】
  • 本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネージメント・リミテッド(以下、「作成者」といいます。)が作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
  • 本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
  • 本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。
  • 本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
  • 本資料中に個別銘柄についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。
  • 本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
  • 本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
  • シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
  • 本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。

この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
ホームページ
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/
代表者
黒瀬 憲昭
資本金
49,000 万円
上場
未上場
所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目8番3号丸の内トラストタワー本館21 階
連絡先
03-5293-1500

検索

人気の記事

カテゴリ

アクセスランキング

  • 週間
  • 月間
  • 機能と特徴
  • Twitter
  • Facebook
  • デジタルPR研究所