東日本国際大学(福島県いわき市)健康社会戦略研究所は10月4日に国際シンポジウム「東日本大震災と原発事故からの10年―災害現場の初動から真の復興、そしてウィズコロナの未来へ向けて―」を開催した。当日は、災害現場の初動活動から被災者支援を通して、実際に一線で活動した医療関係者、専門家・研究者が多角的・多面的にこの10年を検証し、さらに、これからのウィズコロナを含めた社会復興の未来に向けて、提示・提言した。なお今回のシンポジウムは、各界・各方面のからの寄稿文を併せ、来年2月に出版物として刊行を企画している。
このたびのシンポジウムは、来年で東日本大震災・原発事故から10年の節目を迎えるにあたって企画されたもの。当日は、オンラインによる同時配信も実施。また、会場では感染症対策として来場者の席と席の間隔を開け、検温及び手指消毒を徹底した。
開会式では、健康社会戦略研究所の石井正三所長、同大の吉村作治学長、共催のNBCR対策推進機構(※)の深山延暁副会長が挨拶。続いて午前の部の講演が行われた。
午前の部最初のプログラムは、明石真言氏(元放射線医学総合研究所理事)が「被ばく医療初動から復興を展望して」と題して講演した。
次に防衛医科大学校防衛医学研究所の四ノ宮成祥センター長が登壇し、「複合災害対応に向けての考察―過去の生物災害などの事例に学ぶ―」をテーマに講演。
午前の部の最後は、健康社会戦略研究所の客員教授でもある永田高志・IAEM Japan(国際危機管理者協会日本支部)会長が「危機からの復興 福島で経験した東日本大震災そして新型コロナ感染症からの教訓」について話をした。
午後の部最初の講演は、アメリカ・ボストンからオンラインでの同時配信により、ハーバード大学のステファニー・ケイデン准教授が「国際的な災害対応から学んだ教訓について」をテーマに参加した。
次に、ハンガリー・ブダペストからオンラインでバッキンガム大学国際経営大学院のカタリン・ユーローヴ講師が「構造転換、変遷、移入:ハンガリーにおける社会的・体制的変化をめぐる考察」と題して講演を行った。
午後の部最後の講演では、厚生労働省大臣官房企画官(危機管理対応)の長谷川学氏が登壇。「東日本大震災からウィズコロナまで」をテーマに講演した。
いずれの講演も各講師の専門分野からの現状分析をはじめとした問題提起、そして課題解決に向けた提言で、今後の社会復興に向けて示唆に富んだ内容であった。
パネルディスカッションにおいては、石井所長と永田客員教授がコーディネーターを務め、パネリストとして午前と午後の講演者に加え、NBCR対策推進機構の井上忠雄理事長が登壇した。
また、小野栄重氏(いわき商工会議所会頭)、木村守和氏(いわき市医師会会長)、高萩周作氏(いわき市病院協議会代表理事)がコメンテーターとして参加し、それぞれの立場から発言した。
閉会式では健康社会戦略研究所の木田光一客員教授、学校法人昌平黌の緑川浩司理事長がそれぞれあいさつと御礼の言葉を述べ、成功裡のうちにシンポジウムは閉会した。
※特定非営利活動法人NBCR対策推進機構
NBCRは「核・生物・化学・放射能」の頭文字で、N(核災害)、B (生物災害)、C(化学災害)及びR(放射能災害)の脅威から我が国及び一般市民を如何に守るかという防護対策を推進する非営利集団。
▼本件に関する問い合わせ先
健康社会戦略研究所
松本梨奈
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