酪農学園大学環境共生学類の小川准教授(環境空間情報学研究室)は、ドローン画像からAIを用いて水鳥(マガン)を自動カウントするシステムを開発。このたび、誰でも無料でそのシステムを利用できるWebサイト「Goose1・2・3」公開した。今後、ドローンとAI技術、Webアプリケーションの組み合わせにより、水鳥の調査・研究の新たな解決策を生み出すことが期待されている。
◆研究成果のポイント
・ドローン画像からAIを用いて水鳥(マガン)の自動カウント・システムを開発
・システムは Webサイト「Goose 1・2・3」(
https://goose123.jp/ )上で、誰でも無料で利用することが可能
・今後、ドローンと AI 技術、Web アプリケーションの組み合わせで新たな解決策を生みだすことが期待される
■研究成果の概要
酪農学園大学 環境共生学類 環境空間情報学研究室では、ドローンで撮影された画像からAI を使って水鳥(マガン)を自動的にカウントできるシステムおよびWebサイト「Goose 1・2・3」を開発した。サイトは誰でも無料で利用可能。
同研究室では、2015年から宮島沼水鳥・湿地センター、公益財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団、北海道大学、東京大学、国際航業株式会社、株式会社HBAなどの協力を得て、ドローンを使った渡り鳥の撮影とAIを使った自動カウントに関する研究に取り組んできた。
AI による画像中の物体検出技術を活用した水鳥のカウント・システムを 2019年までに開発。このたび、株式会社ナップザックの協力を得て、Webサイトからこのカウント・システムが利用できるようになった。
現在、水鳥の調査は、識別やカウント能力など専門的スキルのある人材に依存しているが、ドローンの利用はその代替手段となり得る可能性があり、調査範囲の拡充も期待される。また、野生動物へ影響やリスクの低い調査手法に関する検討も進んでおり、ドローンを活用した調査は注目を集めている。
現時点では「Goose 1・2・3」上でカウントできるのはドローンで撮影した画像のみ、対象はマガンのみとなっているが、ドローンと AI 技術、Web アプリケーションの組み合わせで新たな解決策を生みだせる点に着目。このたび広くサイトを公開することとした。
同研究室は、このようなサービスの形が世の中に拡がり、有益な技術が普及することを期待している。
■関連資料等
ドローンによる水鳥の撮影やカウント技術の詳細ついての論文、またこの技術を使ってマッピングを行った結果は以下を参照。
・「UAV 画像を用いた水面の水鳥の自動カウント」日本リモートセンシング学会 論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rssj/39/5/39_363/_article/-char/ja/
・「ドローンを活用したガンカモ類調査ガイドライン」
http://izunuma.org/pdf/drone_gideline.pdf
・ESRI ジャパン GIS コミュニティフォーラム・マップギャラリー(2019 年)
https://www.esrij.com/news/details/116797/
・ESRI User Conference Virtual Map Gallery (2020 年)
https://www.esri.com/en-us/about/events/uc/esri-uc-map-gallery#/mapdetail/5efccd1ff3b616cb348f70c7
▼本件に関するお問合せ先
酪農学園大学 農食環境学群 環境共生学類
環境空間情報学研究室 准教授 小川健太
〒069-8501 江別市文京台緑町 582 番地
電話:011-388-4783
E-mail: k-ogawa@rakuno.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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