摂南大学(大阪府寝屋川市)は4月9日に、認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワークから、同法人がこの病気の根治に現在最も近いと期待して支援する「バイオ人工膵島移植プロジェクト」に基づき研究助成を受けました。
7月29日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため延期していた贈呈式とメディア向け説明会を摂南大学枚方キャンパスで開催します。
【本件のポイント】
●1型糖尿病の根治実現に最も近いといわれるバイオ人工膵島移植にかかる研究助成
●移植用ドナーブタの膵島細胞における病原体(特に人獣共通感染症)の有無を調査する方法の確立と検査体制構築を目指す
●日本IDDMネットワークから600万円を助成
助成を受けたのは、摂南大学農学部 応用生物科学科 動物機能科学研究室の井上亮教授が中心となって進める「バイオ人工膵島移植実現に向けた感染症検査体制の構築」をテーマとした研究で、研究助成金は佐賀県庁へのふるさと納税を活用したクラウドファンディングで寄付を募る「ガバメントクラウドファンディング(R)」で呼びかけた寄付金を財源としています。
◆贈呈式とメディア向け説明会
1.日 時
2020年7月29日(水)13:30~15:00
2.場 所
摂南大学枚方キャンパス 8号館1階 会議室1
(大阪府枚方市長尾峠町45-1)
3.次 第
【贈 呈 式】
贈呈者挨拶、謝辞、研究助成事業目録贈呈 など
【メディア向け説明会】
・日本IDDMネットワークの活動について(井上理事長)
・研究概要説明(井上教授)
4.出席者
[日本IDDMネットワーク]
理事長 井上 龍夫
[本学]
学長 荻田 喜代一、副学長 前田 定秋(産官学連携・枚方マネジメント担当)、農学部長 久保 康之、農学部応用生物科学科教授 井上 亮 ほか
■井上教授の助成研究概要
[研究テーマ]
バイオ人工膵島移植実現に向けた感染症検査体制の構築
[研究概要]
バイオ人工膵島移植で用いるブタは、専用の装置または施設で医療用として飼育されます。今般助成を受けた本研究では、移植用細胞の安全性を確認するための感染症検査系の確立を研究のゴールとし、ブタから取り出した膵島細胞の安全性、特に人獣共通感染症の有無を調べる方法を確立するとともに、検査の実用化に向けた体制構築を目指します。
厚生労働省が指定している病原体だけでも90種類以上あり、各病原体をできるだけ感度良く、確実に検出できる方法を開発します。また、厚生労働省指定以外の病原体も含めて幅広く感染の有無を確認できる方法および特に感染が懸念されるブタ内在性レトロウィルスの感染性をチェックする方法も併せて開発します。
■バイオ人工膵島移植プロジェクトについて
現在、1型糖尿病の根治実現に最も近いといわれるのがバイオ人工膵島移植(※)です。同移植が実現するには、ヒトに移植可能な無菌ブタの飼育、感染症検査方法の確立、移植方法の確立など課題が複数あり、一つの研究機関だけではそれらを解決できません。そのため、日本IDDMネットワークでは4つの研究課題に助成し、各研究機関が協力し合うバイオ人工膵島移植プロジェクトとして稼働し、臨床応用を目指しています。
本学 井上教授の研究は、「感染症検査体制構築」の研究課題に該当します。
(※)バイオ人工膵島移植とは
1型糖尿病の根治的な治療法である膵島移植は成果が期待される一方で、絶対的な提供臓器の不足により、膵島細胞が必要とされる患者へ行きわたりません。その課題を解決するのがバイオ人工膵島移植で、免疫細胞からの攻撃を避けるために、特殊なカプセルで包まれた無菌ブタの膵島を1型糖尿病患者に移植します。
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人常翔学園 広報室
坂上・上田
住所:大阪府寝屋川市池田中町17-8
TEL:072-800-5371
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/