三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:猿田隆)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート「コロナショックと中央銀行の『バランスシート』拡大」を2020年7月15日に発行いたしましたので、お知らせいたします。
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新型コロナウイルスの感染拡大は、世界経済を混乱させ、金融市場にパニックをもたらしました。感染防止のため実施されたロックダウン(都市封鎖)の影響で、2020年の世界経済は、戦後最大のマイナス成長が見込まれています。しかし、各国の積極的な財政政策と過去に例のない金融政策により株式市場は急速に持ち直しました。特に、中央銀行の量的緩和に伴う『バランスシート』拡大は株式市場の支えになったとみられます。
【ポイント1】中銀は量的緩和を再開し、『バランスシート』を拡大
■今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、各国でロックダウンが実施され、世界経済は急縮小することが避けられなくなりました。コロナショックを和らげるため、各国の財政・金融当局は迅速に行動に移し、極めて積極的な政策を講じました。
■中でも米連邦準備制度理事会(FRB)は3月に、量的緩和とゼロ金利の復活を決めたほか、社債やコマーシャルペーパーを購入する異例の資金供給策を発表し、迅速に危機対応モードに切り替えました。量的緩和再開に伴い、FRBの『バランスシート』はわずか3カ月で4.3兆ドルから7.1兆ドルに急拡大しました。他の中央銀行も追随し、欧州中央銀行(ECB)は量的緩和を再開、日銀も3月以降『バランスシート』拡大ペースを上げました。さらに、新興国の中央銀行が量的緩和に踏み切る事例も増えてきました。
【ポイント2】量的緩和は市場をサポート
■各国の積極的な財政政策や金融緩和策を受けて、3月下旬以降、世界の株式相場は急激かつ大幅な反発を示現しました。全世界株式の代表的な指数(MSCI ACWI)をみると、3月23日の安値から7月10日の戻り高値まで41%上昇し、コロナショック前の2月12日につけた史上最高値まであと7%に迫っています。
■中央銀行の量的緩和によって、長期金利が低下したほか、リスク性資産への資金流入期待が高まったことが大きいと思われます。
【今後の展開】中銀の『バランスシート』拡大が市場心理を支える
■国際通貨基金(IMF)によれば、2020年の世界の経済成長率は▲4.9%が予想されるなど、世界経済は新型コロナウイルスの影響で停滞が続き、以前の水準に戻るのに数年かかるという見方が一般的です。それでも株式市場で強気な見方が保たれているのは、中央銀行への信頼が厚いためだと考えられます。低成長が見込まれる中、日米欧の主要中央銀行を中心に異例の金融緩和策が長期化することが予想され、量的緩和によって過去にないペースで『バランスシート』が拡大するとの期待が市場心理を支えそうです。
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