2020年7月、山口県において小型ロケットの空中発射システムの実証試験が行われます。発射試験は「やまぐち空中発射プロジェクト(※1)」が実施するもので、成層圏気球からロケットを空中発射する発射システムの検討を機械電子創成工学科・惑星探査研究センターの和田准教授らのグループが担当しています。
【概要】
2020年7月、山口県において小型ロケットの空中発射システムの実証試験が行われます。発射試験は「やまぐち空中発射プロジェクト(※1)」が実施するもので、成層圏気球からロケットを空中発射する発射システムの検討を機械電子創成工学科・惑星探査研究センターの和田准教授らのグループが担当しています。
【詳細】
やまぐち空中発射プロジェクトは、⼭⼝ 県内の半導体やロボット製造、⾦属加⼯メーカーなど複数の企業や⼤学などで構成するもので、ロケットを気球で成層圏まで運び、成層圏からロケットを発射することで燃料を抑え、低コストで宇宙空間に衛星を運ぶことをめざしています。プロジェクトの実現に向けて、液体式⼩型ロケットと100kg級⼩型衛星の⼀体型モデルの構築や成層圏での気球の姿勢制御などの開発を⾏っています。
発射試験では、実物ロケットの縮⼩版を使ってさまざまな装置の検証を⾏います。気球で運ぶロケットの姿勢制御装置や無線点⽕装置を含むロケットの構成、機械的条件などを確認する予定です。
また、昨年度の実施成果を受け、今年度はサブスケールロケット(※2)を使った空中発射システム試験を実施し、試験計画ならびにロケット発射にかかわる実験実施の安全の面を監修しています。さらに、成層圏気球用バルーンスラスタの設計開発(※3)にも取り掛かるなど、本プロジェクトの主要なテーマを担っています。
【注釈】
(※1)やまぐち空中発射プロジェクト
正式名称「液体式小型ロケット空中発射事業に於ける発射装置の研究開発」。2018年度やまぐち産業イノベーション促進補助金(航空機・宇宙産業関連分野)に採択され、事業化に向けて液体式小型ロケットと100kg級小型衛星の一体型開発モデルの構築、サブスケールロケットを使った空中発射システム試験、さらに成層圏気球用バルーンスラスタの設計開発を実施
(※2)サブスケールロケットを使った空中発射システム試験
本試験では、『成層圏からの空中発射システム』の機能検証を行うことを目的とする。今回は、全体システムの開発課題の中でも最も重要な、気球から下に懸架する姿勢制御装置の機能確認をするとともに、無線点火装置を含むロケットの構成や機械的条件を確認する。
(※3)成層圏気球用バルーンスラスタの設計開発
本プロジェクトが開発する『成層圏からの空中発射システム』は、液体式小型ロケットを高度30km近傍の成層圏に到達させるために浮揚ガスを充填した気球を使用する。
今回設計開発する成層圏気球用バルーンスラスタと呼ぶ装置は、気球内部の浮揚ガスを噴射して高度の調整を行い、さらに噴射方向の工夫により気球に蓄積した角運動量の解消する機能を有する。これにより気球側の目標高度到達精度を高めることのほか、気球側の姿勢安定を実現する。
〈開発・研究についてのお問い合わせ〉
本プロジェクトに関⼼のある⽅は下記にご連絡ください
【プロジェクト代表企業 アクシス社】
WEBサイト
https://www.axs-jp.com/news.html
【プロジェクト事務局 ⼀般財団法⼈宇宙システム開発利⽤推進機構】
メール yamaguchi-pj-office@jspacesystems.or.jp 注:「@」を半角の@にしてご使用ください。
▼本件に関する問い合わせ先
入試広報課
住所:千葉県習志野市津田沼2丁目17−1
TEL:047-478-0222
FAX:047-478-3344
メール:cit@it-chiba.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/