東京都市大学は4月8日、東京都町田市と「町田市未来都市研究2050」に関する共同研究協定を締結した。これは、シナリオプランニングの手法により2050 年の町田市の都市像に関する研究を行うもの。今年1月に同市が公募した共同研究の相手に同大が採択され、テクノロジーの進化による都市や市民への影響を踏まえた外部環境の変化などを見据えた2050年の町田市について複数のシナリオを作成し、今後の課題に対する検討を行う。
人口減少および人口構造の変化に伴い、生活関連サービス(小売・飲食・娯楽・医療機関等)の縮小や、税収減による行政サービスの水準低下、地域コミュニティの機能低下など、さまざまな問題が懸念されている。
一方で、平成に入ってからテクノロジーの変化は加速している。この10年程度の間にスマートフォンが特に普及し、SNSを通じて世界中のさまざまな行動や価値観が可視化されることで生活者の意識や行動に影響を与えており、今後より一層、テクノロジーの進化が社会および生活者に影響を与えると考えられる。
従来、自治体ではフォアキャスティング的手法(過去のデータや実績から導かれるトレンドに基づいて将来を予測し、必要な対応策を考える方法)によって将来を予測し対応してきたが、現在のような不確実な社会・経済情勢においては、将来を確実に予測することは難しくなっている。
そこで町田市未来づくり研究所では新たな手法として、不確実性を前提として複数の未来を想定したシナリオを作成し、シナリオに応じた都市戦略を描き出す「シナリオプランニング」の手法を採用。この手法を用いて、テクノロジーの進化を見据えた2050年の町田市の都市像に関する研究を行うこととした。
同研究では、今後起こりうるさまざまな問題の解決の糸口となるよう、テクノロジーを中心とした長期的な将来都市像の姿を描き、必要と考えられる都市戦略を検討することを目的としている。
研究にあたり、町田市は共同研究者を公募。提案書の内容やヒアリング等による審査を経て、東京都市大学が共同研究者に決定され、このたび「町田市未来都市研究2050」と題した共同研究の協定締結に至った。
今後は協定に基づき、2050年の町田市の将来像を複数想定する研究を行っていく。今回の研究では2050年の同市のシナリオを3~4つ作成する予定。
研究過程では、テクノロジーの進化を見据えた外部環境の変化について情報を収集し、その変化が町田市に与える影響について考察。シナリオごとに課題を認識し、時代の変化に対応する備えを検討する。
東京都市大学は、シナリオプランニングに必要な情報収集や分析の方法、知識を提供。町田市から受けたデータをもとに同市および町田市未来づくり研究所の職員と共同で研究する。
2020年度は、2050年の未来の町田市を想定した複数のシナリオ作成に向けて研究を進め、その過程で、東京都市大学のウェブサイトを利用して共同研究の情報を発信。また、民間企業や研究機関、国、地方公共団体などに向けたセミナーの開催も予定している。
そして2021年度以降、作成したシナリオを基に、どのような対応策が考えられるのか検討していく。
【協定名称】
町田市・東京都市大学「町田市未来都市研究2050」に関する共同研究協定
【協定締結日】
4月8日(水)
【協定に基づき行われる主な取り組み】
・2050年の未来の町田市を想定した複数シナリオの作成(2020年度)
・東京都市大学のサイトを利用した共同研究の情報発信(2020年度)
・民間企業、研究機関、国、地方公共団体などに向けたセミナー開催(2020年度)
●東京都市大学 未来都市研究機構
http://miraitoshi-tcu.com/
●町田市 未来づくり研究所
https://www.city.machida.tokyo.jp/shisei/miraidukurikenkyujo/index.html
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