日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:シモーネ・トムセン、以下、日本イーライリリー)は、女性活躍推進と営業変革を目的とする「新世代エイジョカレッジ」に参加し、フォーラム部門のファイナリストに3年連続で選出されました。2月13日に実施された「新世代エイジョカレッジ・サミット2019」(主催:新世代エイジョカレッジ実行委員会、後援:経済産業省)では、同社のエイジョ(女性の営業担当者)自らが考案した、「顧客・営業・家族・世間の四方がハッピーとなり自身は生き生きとした医療のパートナーとなる」ための取り組みおよびその実証実験の結果について発表しました。
「新世代エイジョカレッジ」は、営業職の女性(以下、「エイジョ」)のさらなる活躍を目指してスタートした異業種合同プラットフォームです。第6回となる今回は、「次世代型営業モデルの創出」をテーマに、参加チーム同士での話し合いや各社での実証実験を通じて、課題解決への提言を行いました。1.破壊と創造、2. 顧客価値、3.労働生産性、4.巻き込み力、5.汎用性を観点に有識者が審査し、全13チームが参加した中で、ファイナリスト選考審査を経て、ファイナリスト4チームが選出されました(フォーラム部門)※。
日本イーライリリーは、営業職の女性社員の育成を目的に2017年から参加し、3年連続でフォーラム部門のファイナリストに選出されました。今年は2チームが参加し、うち1チームがファイナリストに選出されました。ファイナリストになったチームは、生産性と顧客満足度の向上を図るため、MR(製薬会社の営業担当者)からの情報提供方法に対する顧客(医師)の真のニーズを特定し、1施設に対し一人の担当MRが情報提供をするという「当たり前」を見直して、複数の施設の医師を同時にオンラインで繋ぎ情報提供をする「つ・な・ぐ説明会」を実施。これにより、MRから医師への情報提供における生産性の向上と顧客満足度の向上のみならず、質疑応答時において、それぞれの施設での当該製品に関する臨床疑問を共有する機会を生むことなど、顧客満足度の向上も同時に実現することができました。一方では、社員の家族にご協力いただいて、社員とその家族で本音を話し合う「家族会議」を実施。プライベートの過ごし方や働き方、今後のキャリアについて家族とともに考える場を設定することで、働きやすい環境をあらためて考える機会にもなり、社員のプライベートの充実に繋がるとともに、仕事へのモチベーション向上にも寄与するといった効果を得ました。これら2つの実証実験によって顧客・営業・家族、結果的に世間にとってもよりよい結果をもたらすための施策を提言し、その創造性や汎用性、顧客価値向上へのインパクトなどが評価されて、ファイナリストに選定されました。
チームのリーダーを務めた、筋骨格・中枢神経事業本部 大阪支店の藤原幸恵さんは次のように述べています。「『新世代エイジョカレッジ』への参加を通して、社内外の様々な方を巻き込み実験内容を改善していく過程は学びが多く、チームのみんなで『当たり前』を見直して新しい価値を生み出せたことは大変貴重な経験でした。今回得たものを社内に広めていくことで、MRのみなさんが『生き生きとした医療のパートナー』となるよう貢献していきたいと思います。」
提言:「“三方よし”から“四方HAPPY”へ 生き生きとした医療のパートナー」
『つ・な・ぐ説明会』と『家族会議』
◆背景
製薬業界のMR(営業担当者)が顧客である医師に対して行う情報の提供方法には、一対一の面会以外に、一医療機関毎に医療施設などで担当MRが行う説明会がある。また、そういった面会や説明会の実施時間帯が医師の業務終了後である夕方以降になることも多く、MRは長時間労働により、プライベートの時間が取りづらいといった課題もあった。
◆施策
(1)『つ・な・ぐ説明会』
個々の医師に対面で説明会をするという「当たり前」のスタイルを見直し、同時に複数の医師や施設を対象としたオンライン説明会を行った。実験では、12回の説明会で、27施設、32名の医師が参加した。
(2)『家族会議』
社員の家族がその社員の仕事とプライベートの関係について普段感じている本音を引き出すため、「一緒に過ごす時間を十分に取れていると感じますか」、「プライベートな時間を確保できたら何を希望しますか」、「仕事内容をどの程度理解していますか」などの項目を記載したアンケ―トを考案し、それをもとに社員とその家族で話し合う「家族会議」を実施。52名の社員とその家族が参加した。
二つの施策を合わせて計189名の実験協力者が参加した。
◆結果
『つ・な・ぐ説明会』の導入では、参加医師の92%から新しい説明会の方法として好意的な反応があり、「他施設の医師が持つ臨床疑問などが、自らの診療にも役に立ち勉強になった」、「オンラインで参加できるため、忙しいスケジュールの中でも参加することができた」という高い評価を得ることができた。また、面会の待ち時間や説明会の準備時間が46.9%減少、一週間の労働時間も15.6%減少した。一方で、説明会の参加施設数は107.7%増加し、これは実証実験に参加した4人のメンバーのそれぞれの所属課における主要製品の売り上げ実績が36.7%増加(前年同期比)した一つの要因ではないかと考えられ、労働生産性の向上に繋がる結果となった。
『家族会議』でも、プライベートの充実に対する意識向上により家族との時間が増え、労働時間の満足度が1.8%増加、プライベートの満足度が2.1%増加、家族の仕事への理解度が0.7%増加した。
二つの施策により、MRが顧客に提供する情報および情報提供方法の質が向上し、「生き生きとした医療のパートナー」として、患者さんへより良い医療が届くことに貢献できるよう、顧客、営業、家族、世間の「四方よし」の働き方につながる成果を得ることができた。
日本イーライリリーでは、複数の顧客を対象としたオンライン説明会および社員家族に対するアンケート実施のパイロット運用を検討しています。
日本イーライリリーは、ニーズが多様化する顧客ニーズに対応する医薬品の開発には多様な視点が必要不可欠であるという考えのもと、会社全体で「ダイバーシティ&インクルージョン」に戦略的に取り組んでいます。その一環として2004年から本格的に女性の活躍できる職場づくりに取り組んでおり、育児・介護などのライフイベントに関係なくキャリアを継続できるよう、コアタイムの無いフレックスタイム制度や利用条件のない在宅勤務制度を導入してきました。営業職においては、理由を問わず勤務地を希望できるmyキャリア制度や、自由に営業以外の部署異動を希望できる社内公募制度を導入し、仕事とプライベートを両立し自分らしいキャリアを形成しやすい仕組みを構築するなど、「スマートな働き方」の実現に向けた取り組みを実施しています。
日本イーライリリーは今後も引き続き、社員が働きやすい職場づくりの推進を通して、患者さんやそのご家族、医療従事者の方々への貢献を最大化できるよう努力してまいります。
※ 「新世代エイジョカレッジ」の取り組みや実験内容の詳細は公式ホームページをご覧ください。
http://eijyo.com/
日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう、革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じ、がん、糖尿病、筋骨格系疾患、中枢神経系疾患、自己免疫疾患、成長障害、疼痛、などの領域で日本の医療に貢献しています。
詳細はウェブサイトをご覧ください。
https://www.lilly.co.jp