当社の連結子会社である合同会社みらか中央研究所 (本社:東京都八王子市、職務執行者:小見和也、以下「みらか中央研究所」)及び持分法適用関連会社であるBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLC (本社:米国テキサス州ヒューストン、CEO:瀧嶋健吾、以下「BMGL」)は、ベイラー医科大学 (所在地:米国テキサス州ヒューストン、以下「BCM」)と、リキッドバイオプシー※1における細胞外小胞※2 (Extracellular Vesicles、以下「EVs」)の臨床的意義解明を目的とした共同研究契約を締結致しましたのでお知らせします。
EVsは、がんや難治性疾患における臨床検査において、次世代低侵襲性検査手法と期待されるリキッドバイオプシー の重要ターゲットとして注目されており、本共同研究では、みらか中央研究所がBMGLにEVs関連研究の独自開発材料や解析ノウハウを提供、BMGL及びBCMはそれらを用いてEVsの評価を行うことで、バイオマーカー※3の探索を実施し、リキッドバイオプシーにおけるEVsの臨床的意義の解明と将来的な臨床検査での利用を目標に共同研究を実施します。
今回、リキッドバイオプシーの臨床利用において技術的に先行するアメリカで研究を実施することで、臨床有用性の検証から社会実装までにかかる時間を短縮し、早期の実用化を目指してまいります。
また、がん以外にも様々な疾患に対するバイオマーカーを探索するため、BCM内の複数の研究室と共同研究の実施に向けて協議を進めております。
みらかグループは現・中期計画「Transform!2020」において、グループ企業・外部機関の協業強化(オープンイノベーション)を掲げており、みらか中央研究所及びBMGLはグループのR&D拠点として、みらかグループの成長ドライバとなるよう様々な研究開発を行っております。今後も、様々な協業を通して、さらなる医療の発展に寄与してまいります
以上
※1リキッドバイオプシー(liquid biopsy)
リキッドバイオプシーは主にがん領域で採血等の侵襲性の低い方法で採取した血液や尿などを利用して診断や治療効果予測を行う技術です。従来の病変の一部を採取し、病理組織学的に調べる生体検査の短所である侵襲性の高さを軽減し、腫瘍部分の遺伝子(ゲノム)情報を踏まえた適切な治療につながる手法として、近年研究開発が進んでいます。
※2細胞外小胞(EVs)
細胞外小胞は血液中に含まれる細胞から放出される100nm前後の小胞であり、小胞内外にタンパク質、DNA、RNA、脂質、代謝物などを含有しております。EVsは細胞間の情報交換に重要な役割を有していることが多数報告されております。また、EVsはがんの発生・転移・浸潤に寄与していることが知られています。
※3バイオマーカー
生体反応の推測または予測を目的とした,生体由来の分子の定量的あるいは定性的な分子解析データ,と定義されています。
[みらか中央研究所]
みらか中央研究所は、みらかグループにおける次世代の事業シーズを継続的に生み出すことを目的に2017年7月に設立されました。「医療における新しい価値の創造を通じて、人々の健康に貢献する」サイエンスを起点として、革新的分析プラットフォーム、医療イノベーション基盤技術、医療情報・バイオインフォマティクス・AIなどの分野における研究開発活動を広く行っています。
[Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLC]
BMGLは、当社とBCMとの共同出資によって2015年に設立されました。BMGLでは全ゲノム解析や全エキソーム解析など先進的な臨床用のヒト遺伝子検査サービスを、米国を拠点に国内外の医療機関、研究機関へ提供し続けています。
[Baylor College of Medicine]
BCMは、テキサス州ヒューストンのメディカルセンターに位置する医科大学です。特にヒトゲノム分野の研究に特色があり、Department of Molecular and Human Geneticsは12年連続で、アメリカ国立衛生研究所(NIH)より最多の助成金を受領しています。