三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:松下隆史)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート
「運用者の視点:『上海モーターショー』」を2019年5月14日に発行いたしましたので、お知らせいたします。
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弊社のアジア株式運用者が運用業務を通して気付いたり、感じたことを“運用者の視点”としてお届けしています。急速かつダイナミックに変革が進む、中国・アジア地域の経済やマーケットの“今”を、独自の視点でお伝えできれば幸いです。今回は、注目度が高まる『上海モーターショー』と、中国の電気自動車市場について見ていきます。
【ポイント1】自動車市場世界一の中国の『上海モーターショー』に注目
■4月に『上海モーターショー』が開催されました。モーターショーと言えば、かつては東京モーターショーがドイツのフランクフルト、米国のデトロイトと並ぶ世界3大モーターショーに数えられました。しかし、近年では、自動車市場として中国が世界一になるとともに、海外の大手自動車メーカーにとっては、上海が最先端の技術や世界初公開の新型車、コンセプトカーなどを優先して発表する場になってきています。
【ポイント2】今年の『上海モーターショー』は電気自動車一色
■さて、東京からアジアの主役の座を奪った形の『上海モーターショー』ですが、今回は電気自動車など新エネルギー車一色のイベントとなりました。既に米国を抜いて世界最大の自動車市場となっている中国では、自動車メーカーに一定比率の電気自動車などの生産を義務づける規制が導入されており、ビジネス拡大を目指す自動車メーカーにとって、新エネルギー車を投入しないという選択肢はありません。
■電気自動車に関して、中国は明らかに世界の中心になって
おり、巨大な市場を背景に世界中から最先端の技術と人材を集め、新型車が次々に投入されるという好循環が加速しています。
【今後の展開】電気自動車市場で勝者となるのは誰か?中国系も依然課題抱える
■もっとも、中国が世界の電気自動車市場の中心だからといって、中国系の自動車メーカーが最終的な勝者になれる保証はありません。電気自動車は、巨額の投資や熟練の技術が求められるガソリン車と比べて参入障壁は高くなく、中国の電気自動車業界は独立系を含めた混戦模様となっています。最終的に誰が勝者になるか現時点では不透明であり、日本企業については中国での出遅れを懸念する声も一部にあるようです。ただし、資金力と技術力、ブランド力に優れた日米欧の伝統的な自動車メーカーがさらに力を入れて新エネルギー車の開発に取り組んだ時、中国系が正面から立ち向かうのは簡単ではありません。電気自動車の世界では機能性や安全性が重視され、性能が均一化されていく中、デザインに代表される個性でどこまで勝負できるのか、中国系は依然として大きな課題を抱えていると見ています。
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