静岡文化芸術大学の学生が「第29回ヤンマー学生懸賞論文」で全国2位の「特別優秀賞」を受賞



静岡文化芸術大学(浜松市中区)文化政策学部文化政策学科の鈴木晴香さん(4年生)、同学科の中野七海さん(3年生)による論文「農の『多面的機能』を内部経済化する価値創造モデルの提示-浜松市北区引佐町『久留女木の棚田』における『引佐耕作隊』の事例から-」が、ヤンマーアグリ株式会社(大阪市北区)主催の「第29回ヤンマー学生懸賞論文・作文」において、全国2位の「特別優秀賞」を受賞した。




 農業機械開発・製造などを手掛けるヤンマーアグリが主催する「ヤンマー学生懸賞論文・作文」は、次世代を担う若者に農業の未来について広く自由な観点から議論してもらうことを趣旨として、1990年から実施している。
 第29回は「''農業''を''食農産業''に発展させる」をテーマとして論文と作文を募集。論文は42編が寄せられ、優秀作品として13編(大賞、特別優秀賞、優秀賞)が選出された。

 鈴木さんと中野さんの論文は、地域連携実践演習「引佐耕作隊」で舩戸修一准教授が学生とともに取り組んでいる「久留女木の棚田」での活動を踏まえたもの。
「久留女木の棚田」は、浜松市北区引佐町にある観音山の南西斜面(標高250m付近)に位置しており、その美しい景観は「日本の棚田百選」や「静岡県景観賞」にも選ばれている。
 その起源は平安時代に遡るとも言われ、古い歴史と文化を有している。特に戦国時代に井伊氏の庇護のもとで開墾が進んだと考えられているが、近年は農家の後継者不足から耕作されなくなる棚田が多くなっている。
 棚田が荒れてくるとその美しい景観も損なわれてしまうため、静岡文化芸術大学の学生たちで「引佐耕作隊」を結成し、平成28年度から「久留女木の棚田」で米作りに取り組んできた。
 今年度も昨年度に続いて無事に収穫することができ、「久留女木 棚田の恵」と名付けられた米は学内外で販売された。

 鈴木さんらの論文では、「引佐耕作隊」の活動内容や棚田の地権者への質問紙調査を踏まえ、(1)市場で取引されない「棚田の多面的機能(=環境保全的価値や文化的価値の維持機能)」をいかにして商品化するか、(2)それをいかにして「デザイン」によって商品化するか、を提案としてまとめた。
 この提案は、棚田での米作りを「生産性」や「経済性」でなく、「デザイン」によって「文化」から捉える意義や可能性を強調した点で、同大の強みを具現化したものだと言え、論文は全国2位の「特別優秀賞」を受賞した。

・静岡文化芸術大学HP
 https://www.suac.ac.jp/news/topics/2018/01825/


・ヤンマーアグリHP
 https://www.yanmar.com/jp/agri/agrilife/prize/winners.html

▼本件に関する問い合わせ先
公立大学法人 静岡文化芸術大学 教務・学生室
住所:静岡県浜松市中区中央2-1-1
TEL:053-457-6114


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