酪農学園大学とのりとも朝倉商店が共同開発した「ホタテ節」が商品化へ -- 新規開発商品発表会で食と健康学類の学生がプレゼン



酪農学園大学(北海道江別市)は、株式会社のりとも朝倉商店(北海道目梨郡羅臼町)と「ホタテ節」を共同開発。現在、商品化に向けて準備を進めている。2月26日には、札幌市内で開催されたノーステック財団&食クラスター連携協議体「平成30年度新規開発商品発表会」に出品。食と健康学類4年の青山沙生さんが研究成果や「ホタテ節」の特徴についてプレゼンテーションを行った。




 酪農学園大学食と健康学類食品企画開発研究室(阿部茂教授)では2015年ころから、羅臼町で水産加工業を営む株式会社のりとも朝倉商店とともに「ホタテ節開発プロジェクト」を展開。加工の際に廃棄されてきたホタテ貝の生殖巣を利用した「ホタテ節」の開発に取り組んできた。

 2月26日には、札幌市内で開催されたノーステック財団&食クラスター連携協議体「平成30年度新規開発商品発表会」に「ホタテ節」のだし汁を出品し、青山さんと朝倉商店の朝倉奉文代表取締役社長が「ホタテ節」のPRを行った。
 関係者やバイヤーなど約120名の参加者が「ホタテ節」のだし汁を試飲し、質疑応答の際に講評を寄せた。中でも、ホテル札幌ガーデンパレス和食料理の岡田真也チーフは「濃厚なホタテの風味がラーメンのスープやあんかけ焼きそばにも合いそう」と感想を述べた。そのほかにも「まだ完成品ではないものの、北海道を全面に出せる注目の商品となる可能性がある」といった期待の声が上がっていた。

 このたび開発した「ホタテ節」は、旨み成分が多く、濃いダシが出るのが特徴で、現在、商品化に向けた準備段階に入っている。将来的には業務用としてラーメンのスープやふりかけなどに使用されることが期待される。

■食と健康学類 食品企画開発研究室 阿部茂教授のコメント
 同研究室では主に、未利用資源などを活用した「問題解決型」の研究と企業が開発した機械を使った「市場創造型」研究の2つを行っています。今回発表したホタテ節は、「問題解決型」の研究になります。
 ホタテ貝は、北海道で最も漁獲量が多い水産物です。ところが、ホタテ貝の生殖巣(卵巣や精生巣)、外套膜(ヒモ)、中腸腺(ウロ)、エラなど貝柱以外の大部分が廃棄されていて、廃棄に掛かる費用が深刻な問題となっています。そこで、サケ節の開発から親交を深めていた朝倉さんから相談を受け、2015年頃からホタテ節開発プロジェクトがはじまりました。
 今回、このような本格的な場での新規商品発表の機会は学生にとっても良い経験になったと思います。
 ホタテ節の原材料は野付産のホタテの卵巣です。小売り希望価格は1kg/6,000円と、ホタテ白干し(貝柱)に比較すると半分以下の値段で手に入ります。賞味期限は1年間。今後、ホタテ節は業務用としてラーメンのスープやふりかけなどにして使われるのではないかと期待しています。

■株式会社のりとも朝倉商店 代表取締役社長 朝倉奉文氏のコメント
 秋サケの不漁からホタテ貝が主力商品に変わり、加工場では生殖巣などの廃棄に掛かる費用が1日あたり5~6万円を超えることもあり、頭を悩ませていました。
 阿部教授は前職の食加研(北海道立総合研究機構 食品加工研究センター)時代からの開発研究パートナー。その信頼もあり、今度はホタテ節の開発を相談しました。
 青山さんには何度かうちの加工場に足を運んでもらい試作を繰り返しました。最初はおいしくありませんでしたが、今ではここまでおいしくなりました。まだ完成品ではありませんが、やっと販売する準備段階に入ったところ。これからが楽しみです。

■食と健康学類4年 青山沙生さんのコメント
 私は主に食品の成分分析と製造工程の設計を担当しました。ホタテの卵巣を単にボイルするだけでは味は出ません。いかにしてうまみ成分を引き出し、濃いダシが出るように工程を考えるのが私の仕事です。最初は味が無くておいしくなかったのですが、羅臼の加工場まで足を運ぶたびにおいしくなっていきました。やはり現地の新鮮な卵巣だったから、おいしくできる手法が考えられたのだと思います。現場を知り、実際に製造に関わるとホタテ節への愛着が湧きます。相手と直接話し合うことで互いの熱量が伝わり、良い商品が出来上がっていくのだと実感しました。
 このプロジェクトがやりたくてゼミを選んだので、商品化されるところまで実現できてうれしい気持ちでいっぱいです。この春に卒業しますが、ホタテ節のことは今後も注目していきたいと思います。

(参考:酪農学園大学公式サイト内関連ページ)
・新規開発商品発表会で本学学生がプレゼン「羅臼町朝倉商店」×「酪農大」共同開発のホタテ節が商品化へ
 https://www.rakuno.ac.jp/article-62096.html

▼本件に関する問い合わせ先
酪農学園大学入試広報センター広報課
TEL:011-388-4158
メール:koho@rakuno.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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酪農学園大学
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代表者
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非上場
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