2月28日(木)、有楽町朝日ホールで開催されたグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)の年次シンポジウム「―GCNJ創立15周年記念企画―SDGs時代の人財育成」(主催:GCNJ、共催:地球環境戦略研究機関)において、成蹊大学(東京都武蔵野市)の北川浩学長がSociety5.0人材について基調講演を行った。
本シンポジウムは、日本における国連グローバルコンパクトの推進母体として2003年に発足したグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが、持続可能な未来社会の建設に向け、人財育成をテーマに開催。
北川学長は「未来社会に貢献する人材の育成~大学教育の立場から」をテーマに講演。AIなどの高度IT技術が牽引する社会「Society5.0」に向けて、大学はどのような人材を育成すべきかを述べた。北川学長は「Society5.0では、AIなどを造る側、使いこなす側、AIに関係しない仕事の3つに分かれる。これからは使いこなす側の領域がハイスピードで拡大していくだろう。」と述べた。そのうえで、AIを使いこなす側として、AIが苦手とする力である「総合的思考力」「創造的思考力」「真のコミュニケーション力」の3つがポイントになるとの見通しを示した。さらに、多くの分野で平均的な知識を持つ人よりも、だれにも負けないような専門的な知識を持つ「とがった(突き抜けた)人材」が必要だとし、それらの人材が協働してチームを組むことで、総合力や創造力が強力に発揮されると述べた。
経団連が推進する「Society5.0 for SDGs」に関しても言及し、中小企業において、SDGsの取り組みを理解しつつも、何を実行すべきかが判然としない企業を大学がサポートすることの可能性を指摘。また、今後は企業の社会的責任(CSR)が企業ブランド形成に果たす役割が大きくなるとの見通しを示した。この分野で、大学がハブとして各社のCSR部門の連携をサポートすることや、学生を巻き込んだ企業と大学の連携を提案し、大学が間接的に各企業のCSR活動のPRチャンネルになり得る可能性を述べ、成蹊学園サステナビリティ教育研究センターをそのようなハブの役割を果たす代表例として挙げた。
北川学長は講演の最後を、「Society5.0は目前に迫っている。教育が成果を上げるには時間がかかるため、実際に社会で働く人たちの意識を変え、行動を起こしていくことが重要であり、そのために大学は協力を惜しまない」という言葉で締めくくった。
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