ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:内木祐介)は、10月29日の「世界脳卒中デー」の機会に、また、脳卒中の発症が多くなると言われる冬の本格到来を前に、脳卒中を引き起こす主要な原因の一つである心房細動に関する意識調査を実施いたしました。本調査は、心房細動に関する一般の方の認知と患者さんが直面している治療課題を明らかにすることを目的に行われました。
心房細動は、心臓の中で血液が流れ込む心房が細かく震えることで起こる不整脈の1つで、血液がよどみ血栓が形成されることで、脳卒中を引き起こすリスクがある疾患です。また、心原性脳卒中の約9割が左心耳で形成された血栓に起因すると言われています。特に高齢者で罹患のリスクが高く、高齢化に伴い、患者数は2010年の約80万人から、20年後の2030年 には100万人に増加するといわれています(*)。脳卒中により要介護となるリスクも高いことから、脳卒中の発症を抑制するための治療が重要になっています。
一般生活者5,820名、患者さん600名を対象とした本調査では、心房細動の疾患やリスクに対する認知の低さと共に患者さんが長期にわたる治療の中で不安感が高いということが明らかになりました。
<調査結果ハイライト>
心房細動の兆候を経験した人が4割に上るも、検査や治療を受けていない人が7割以上
- 一般生活者において、心房細動の兆候となる症状を経験した人は、65歳以上の男性で41.0%、女性で44.3%に上りますが、その内、心電図検査を受けたり、病院を受診したりした人は男性で22.7%、女性で27.7%にとどまりました。(グラフ1~2)
- 一般生活者において、心房細動の有効な診断手段であるホルター心電図検査を受けた人の割合は、65歳以上の男性で16.2%、女性で11.5%にとどまりました。(グラフ3)
心房細動による脳卒中のリスクや脳卒中による介護のリスクを知らない人は7割、高齢者の心房細動の罹患リスクの認知も低い
- 一般生活者において、心房細動が将来的な脳卒中リスクを高めることを「知らなかった」人の割合は76.7%、また、脳卒中により介護が必要になることを「知らなかった」と答えた人の割合は70.8%に上りました。(グラフ4~5)
- 一般生活者において、心房細動には自覚症状がないこと、70代以上の高齢者で出現率が高いこと、治療にあたり精密検査が必要になることは、いずれも「初めて聞いた」と回答した人の割合が約8割に上りました。(グラフ6)
脳卒中の起因となる血栓の形成に強く関わる「左心耳」を知らない人は約7割
- 心原性脳卒中の原因となる血栓を形成する左心耳という部位を「初めて聞いた」人の割合は、一般生活者では68.0%、経験者でも40%に上りました。(グラフ7)
心房細動でライフスタイルが変化した人は約半数。抗凝固薬の服用で、経済的負担・出血不安を感じる人も約半数
- 患者さんの中で、心房細動により生活に影響があったと答えた人は42.7%でした。具体的な影響として、「働き方を変えた」人が17.2%、「趣味を思うようにできなくなった」人が16.0%でした。(グラフ8
- 患者さんの中で、血栓形成を予防する抗凝固薬を3年以上服用している患者さんは約8割に上りました。抗凝固薬の服薬経験者のうち、血栓を予防する安心感を得る人が85.0%に上る一方、継続的な服用への不安感がある人が51.0%、経済的負担、出血の不安を感じている人がそれぞれ47.0%に上りました。(グラフ9~10)
※リリース本文・グラフはこちらをご覧ください。
http://www.bostonscientific.com/jp-JP/news-releases/2018-news-releases/2018-10-26-news-release.html
この調査結果をうけて、脳卒中を専門とする独立行政法人国立病院機構九州医療センター 脳血管・神経内科の矢坂 正弘 先生は次のように述べています。「脳卒中は寝たきりの原因の1位、認知症の原因の2位にあげられ、一度発症すると患者さんご本人にもご家族にとっても影響が大きな疾患です。『予防に勝る医療はない』と言われていますが、脳卒中の予防のためには、原因となる心房細動の早期発見と適切な治療が重要です。本調査で、一般の方における心房細動という心疾患の認知の低さや未診断の状況が明らかになりましたが、特に冬は脳卒中の発症が多くなる季節であり、この機会に、ご自身に動悸や脈の乱れなど心房細動を疑う症状がないかどうかを考えていただきたいと思います」
また、心房細動を含む不整脈の専門家である筑波大学 循環器内科の青沼 和隆 先生は次のように述べています。「心房細動は患者数が多い疾患ですが、抗凝固薬を長期的に服用する必要がある一方で、適切な診断や治療をされていない患者さんも存在しており、治療の現場でも様々な課題を感じていました。本調査により、長期の治療による患者さんの悩みが見えてきていますが、実際に、趣味の運動を控えるなど、特にアクティブに活動する高齢者の方に影響が大きいといえます。また、毎日の服薬に慣れながらも長期にわたり継続することに不安を感じる方も多く、患者さんの悩みに寄り添った治療の重要性を感じています」
ボストン・サイエンティフィック ジャパンでは、今後も患者さんのために革新的な治療法をお届けすると共に、情報提供にも力を入れ、疾患のリスクや診断・治療に関する理解の促進を図っていきます。疾患や治療法に関しての情報はこちらをご覧ください。
http://www.bostonscientific.com/jp-JP/health-conditions.html
*国立循環器病研究センターウェブサイトより
<ボストン・サイエンティフィックについて>
ボストン・サイエンティフィックは、低侵襲治療(インターベンション)に特化した医療機器メーカーとして、1979年に米国で誕生しました。現在の取扱製品は13,000種以上であり、グローバルで約29,000名の従業員、13ヵ所の製造拠点を擁し、125ヵ国近くのマーケットで確固たる地位を誇る世界最大級の医療機器メーカーとして、医療テクノロジーをリードし続けています。
世界第2位の医療機器市場である日本においては、心血管疾患領域をはじめ、不整脈・心不全疾患領域、末梢血管疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患領域、疼痛管理・パーキンソン病の治療領域で、患者さんの人生を実り多いものにすることに全力で取り組み、日本の医療に意義のあるイノベーションを起こしていきます。
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