本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年10月19 日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は2018年10月19日、欧州医薬品評価委員会 (CHMP) が、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)を用いるBevespi Aerosphere(開発品名:PT003、グリコピロニウム[長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)]14.4µgとホルモテロールフマル酸塩[長時間作用性β2刺激薬(LABA)]9.6µgの配合剤)を、慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)の患者さんの症状を軽減する2剤気管支拡張剤維持治療として、販売承認を推奨する肯定的見解を採択したことを発表しました。
今回のCHMPの推奨は、5,000例を超える中等症から最重症のCOPD患者さんを対象にBevespi Aerosphereの有効性と安全性を検討した第III相PINNACLE試験プログラムに基づいています。
アストラゼネカのグローバル医薬品開発部門呼吸器領域の責任者であるDr. Colin Reisnerは次のように述べました。「Bevespi Aerosphere は長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬と長時間作用性β2刺激薬の定量配合剤で、加圧噴霧式定量吸入器を用いて投与される唯一の薬剤です。本日のCHMPの肯定的見解を受け、欧州のCOPD患者さんにこの新たな2剤気管支拡張剤治療を提供できる日にまた一歩近づきました。」
Bevespi Aerosphere はCOPDの長期維持治療の2剤気管支拡張薬として米国、カナダおよびオーストラリアで承認されていますが、本邦では未承認です。
以上
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)について
COPDは、肺の気流閉塞を引き起こし、消耗性の息切れ症状を呈するようになる進行性の疾患です
1。COPDは世界中で推定3億8,400 万人に影響を与え、2020年までに死因の第3位になると予測されています
1,2。COPD治療においては呼吸機能の改善や増悪の減少、また、息切れなどの日常的な症状を管理することが重要です
1。
第III相PINNACLEプログラムについて
PINNACLE 1, 2および4 試験は、Bevespi Aerosphereを加圧式定量吸入器(pMDI)で1日2回投与した有効性と安全性を、各単剤療法 (グリコピロニウムおよびホルモテロールフマル酸)ならびにプラセボ群との比較で検討した、24週投与無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間多施設共同試験です
3,4,5。PINNACLE1試験では、非盲検チオトロピウムが実薬比較対照薬として含まれました
3。PINNACLE 3試験は、PINNACLE 1 および2試験の28週投与無作為化二重盲検連用実薬対照並行群間多施設共同安全性延長試験で、Bevespi AerosphereをpMDIで1日2回投与した長期の安全性、忍容性および有効性を、各単剤療法との比較で検討しました
6。これらの試験はすべて、中等症から最重症COPD患者さんを対象として実施されました。
Bevespi Aerosphereについて
Bevespi Aerosphereは、長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)のグリコピロニウムと、長時間作用性β2刺激薬(LABA)のホルモテロールフマル酸塩の2剤を定量配合した気管支拡張剤です。Bevespi Aerosphereは、Aerosphere Delivery Technology(薬物送達技術)を用いた、最初で唯一のLAMA/LABA配合剤です。画像試験により、Bevespi Aerosphereが気道全体に効果的に薬剤を送達することが示されています
7。また、Aerosphere Delivery Technologyは、当社のブデソニド・グリコピロニウム・ホルモテロールフマル酸塩の3剤配合剤であるPT010をはじめとした開発中の薬剤の技術基盤にもなっています。
アストラゼネカの呼吸器疾患領域について
呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域のひとつで、製品ポートフォリオは年々成長し、2017年には世界中の1,800万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。
アストラゼネカは、呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、当社の吸入器技術は加圧噴霧式定量吸入器、ドライパウダー吸入器、ならびにAerosphere Delivery Technology(薬物送達技術)などに及びます。また、当社の呼吸器生物学的製剤には、現在好酸球性の重症喘息治療薬として承認され、重症鼻ポリープ症の治療薬として開発中のファセンラ(抗好酸球、抗IL-5受容体α抗体)、および米国食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬(ブレークスルー・セラピー)の指定を受けた、第III相臨床試験を実施中のtezepelumab(抗TSLP抗体)が含まれます。アストラゼネカは、肺上皮組織、肺免疫および肺再生に焦点を当てた、疾患発症機序を解明する研究を行っています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、自己免疫、ニューロサイエンスおよび感染症の領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については
http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
- GOLD. Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD, Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2018. [Online]. Available at: http://goldcopd.org. Last accessed: October 2018.
- Adeloye D, Chua S, Lee C, et al. Global Health Epidemiology Reference Group (GHERG). Global and regional estimates of COPD prevalence: Systematic review and meta-analysis. J Glob Health. 2015; 5 (2): 020415.
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- AstraZeneca plc. Bevespi Aerosphere demonstrates statistically significant improvement in lung function in patients with COPD. [Online]. Available at: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2017/bevespi-aerosphere-demonstrates-statistically-significant-improvement-in-lung-function-in-patients-with-copd-25092017.html Last accessed: October 2018
- Clinicaltrials.gov. Extension Study to Evaluate the Safety and Efficacy of PT003, PT001, and PT005 in Subjects With Moderate to Very Severe COPD, With Spiriva® Handihaler® (PINNACLE 3). [Online]. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01970878. Last accessed: October 2018.
- AstraZeneca. Aerosphere Delivery Technology – Global Core Claims Guide.