北海道科学大学保健医療学部の宮坂智哉教授らが、乗せ替えが不要な「車いす用階段避難車」を開発 -- 2019年3月に商品化予定



北海道科学大学(札幌市手稲区)保健医療学部理学療法学科の宮坂智哉教授、川嶋恵子准教授、鴨志田麻実子助教は、株式会社サンワ(埼玉県狭山市)、札幌市消防局と連携して「車いす用階段避難車」を開発した。介助者1名で車いすに乗ったまま階段を使って避難することができ、モーターなどの動力を必要としないため、災害などの停電時にも使用可能。高齢者施設や病院、ホテルなどでの利用が想定される。




 北海道科学大学保健医療学部理学療法学科の宮坂智哉教授は、理学療法学および医療福祉工学を専門としており、障がい者や高齢者が安全に、安心して生活できるよう支援するための研究を行っている。

 宮坂教授は、同じ研究グループの川嶋恵子准教授、鴨志田麻実子助教と共に、札幌市消防局、株式会社サンワと連携して「車いす用階段避難車」を開発した。
 従来の車いす用の階段避難器具は車いすからの乗せ替えが必要で、介助者も2人以上が必要だった。宮坂教授らが開発した避難器具は、介助者1名で車いすに乗ったまま階段を使って避難することができるもの。乗せ替えが不要なため、階段を降りた後もそのまま車いすで避難することができる。また、モーターなどの動力を必要としないことも特徴で、充電の必要がなく、停電時にも使用可能。万が一、介助者が手を離してしまっても安全なよう、安全ブレーキが備えられている。

 宮坂教授らは、市内の老人ホームなどでの実証試験を経て、2019年3月の商品化に向けて「車いす用階段避難車」の改良を重ねている。今年8月25日には、札幌文化芸術劇場hitaruが10月7日のオープンに先立って実施した避難訓練コンサートでも実装試験を実施。車いすに乗ったままで6階のホールから1階まで安全かつ迅速に階段を使って避難できることを確認した。

 なお、同研究は平成28-29年度に総務省消防庁の公募事業「消防防災科学技術研究推進制度」に採択されている。

◆「車いす用階段避難車」
・全高:901mm
・全長:1451mm
・全幅:606mm
・自重:24kg
・最大積載量:135kg
・下降可能傾斜角度:35°
・500回耐衝撃試験クリア
・敷居高さ150mm乗り越え可能
・商品名:「チェアキャリダン(CHAIR CARRYDUN)」(株式会社サンワ)
・2019年3月発売予定

(関連記事)
・演奏中に災害が起きたら...北海道科学大学が札幌文化芸術劇場hitaruの避難訓練コンサートに参加(2018.08.29)
 https://www.u-presscenter.jp/2018/08/post-39973.html

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メール:kenkyu@hus.ac.jp


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