大阪工業大学(大阪市旭区)工学部応用化学科の藤井秀司教授、大学院生の浅海雄太さん、中村吉伸同学科教授らのグループが、空気中、室温で実施でき、環境に優しい省エネ型の高分子カプセル(マイクロカプセル)の新規合成法を開発した。高分子カプセルは微小粒子で、表面の壁材と内部の芯物質からなり、有用な芯物質を保護したり、それを必要なタイミングで放出することのできる機能性材料。医療や食品、香料などさまざまな分野で利用されている。
現在、高分子カプセルの合成は液体媒体のなかで行われるのが一般的であるが、カプセルを乾燥させるために多量のエネルギーが必要になることが課題であった。
今回、同グループが開発したカプセル合成法は、液体を固体粒子で覆った液滴(リキッドマーブル)に、室温の空気中にて瞬間接着剤蒸気をあてるだけ。液体媒体、乾燥作業が不要で、環境に優しく、省エネ型である。
カプセル内部への機能性物質の導入が容易であり、蒸気にあてる時間を調節することでカプセル壁材の厚みや割れやすさを調整でき、液滴の大きさを変化させることでカプセルの大きさの制御が可能であるため、電子、バイオマテリアルなどの最先端工業分野など、幅広い分野での応用が期待できる技術である。
本研究に対し、同グループの浅海雄太さんへ高分子学会広報委員会からパブリシティ賞が授与されることが決定している。
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人常翔学園 広報室
大野、松下
住所:大阪市旭区大宮5-16-1
TEL:06-6954-4026
FAX:06-6954-4024
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/