知っていますか?人工透析には、腹膜透析(PD)と血液透析(HD)の二種類があります。
腎機能が10%を切るか、クレアチニンの検査値が8.0mg/dlを超えると、失われた腎臓の機能を補うため、透析療法もしくは腎臓移植が検討されます。(*)
人工透析とは、腎臓の代わりに老廃物や余分な水分をろ過し、血液をきれいにする治療法です。この透析療法には、自宅で行う「腹膜透析(PD)」と医療機関に通って行う「血液透析(HD)」の二種類があります。「腹膜透析」は、お腹の中に透析液を出し入れすることで、また、「血液透析」は、血液を体外でろ過装置に通すことで、血液をきれいにします。血液透析には、自宅に機械を設置して行う「在宅血液透析」という方法もあります。
(* 導入が検討される目安。病気の種類や症状、日常生活への障害度等によって異なります。)
「そろそろ透析が必要」と告げられたら、精神的なショックや体調の悪さで、何も考えたくない状態に陥ってしまう方も少なくありません。しかし、透析はこれからの生活を支えてくれる大切な治療です。透析技術は日進月歩で進歩していますし、様々な治療の選択肢も増えています。積極的に治療生活に向き合うために、透析療法に関する知識を深め、二つの透析双方の利点と欠点をよく理解しておきましょう。自分のライフスタイルやQOL(患者さんの生活に対する満足度)についても考えて治療法を選べば、きっと長くしっかりと治療を続けることが出来るはずです。
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■腹膜透析(PD)とは?
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体内の腹膜を利用する透析。腹腔内に溜めた透析液を出し入れすることで血液を浄化します。個人差はありますが、透析導入後も残っている腎機能をより長く保つことができ、尿が出なくなる時期を遅らせることができます。
【治療場所】 自宅や職場などで治療します。
【通院】 本人や介護者が治療を行い、通院は月に1~2回です。
【手術】 腹部にカテーテルという細いチューブを埋め込む手術をします。
【しくみ】 お腹の中に透析液を一定時間いれておくと、腹膜を介して血液中の余分な水分や老廃物が透析液側に移動します。その老廃物や水分を含んだ透析液を身体の外に出すことで血液をきれいにします。
【種類】 寝ている間に器械を使って自動的に行う方法(APD ※1)と、日中に4~12時間ごとに行う(1回の治療は30分程度)方法(CAPD ※2)があります。
※1 APD(自動腹膜透析、Automated Peritoneal Dialysis)
自動腹膜灌流装置(サイクラー)と呼ばれる器械を使って、家庭で就寝中に自動的に透析を行う方法です。就寝前に透析液バッグと回路を器械にセットするだけで、朝までに透析が自動的に行われます。簡単に透析を行うことができ、日中は比較的自由に過ごせます。
※2 CAPD(連続携行式腹膜透析、Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis)
1日数回のバッグ交換が必要ですが、医療機関に通うことなく、自分のスケジュールに合わせて、24時間連続して透析を行うことが可能です。
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■血液透析(HD)とは?
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血液を体外に取り出しダイアライザーと呼ばれる透析器(人工膜)を通すことによって、血液中の老廃物や余分な水分を取り除き血液を浄化します。
【治療場所】 通常、医療機関で行います。
【通院】 通院は週3回程度で、医療スタッフが治療を行います。1回の治療時間は4時間程度です。
【手術】 動脈と静脈をつなぎ合わせる手術で、静脈に多くの血液が流れるようにします(内シャント)。
【しくみ】 シャントに刺した針から血液を体の外に取り出し、体にたまった余分な水分や老廃物を器械で取り除きます。きれいになった血液は、再び体内に戻されます。
その他、詳しいご説明は以下『腎臓病なんでもサイト』にてご覧ください。
▼一覧でわかる!人工透析2種類の比較▼
http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_treat/dialysis_double.html
▼人工透析なんでもQ&A▼
http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_treat/dialysis_peri_qa.html
▼新しい透析医療の考え方▼
http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_treat/dialysis.html
◆『腎臓病なんでもサイト』
http://www.kidneydirections.ne.jp/
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