玉川大学(東京都町田市)芸術学部の田中敬一教授のゼミナールでは、3年生の学生6名が神奈川県箱根町の伝統工芸である寄木細工の魅力を伝えていくプロジェクトを展開している。箱根には同大の実習林や研修施設があり関係の深い土地であることから、学生たちが今回のプロジェクトを企画。その一環として、1月16日(火)から31日(水)まで、小田急百貨店町田店で企画展「“YOSEGI 寄木130の魅力”展」も開催する。
田中ゼミの3年生6名が行っているのは、神奈川県・箱根町の伝統工芸である寄木細工の魅力を伝えるための取り組み。プロジェクト型授業のように、実社会での企画・運営や制作の実施を学生主体で行っていくものだ。
箱根の寄木細工は全国的にその名を知られているが、寄木細工作りの中心地である畑宿が観光地エリアから少し外れていることや、寄木細工職人の後継者不足など、さまざまな問題を抱えている。箱根には玉川大学の実習林や研修施設があり、関係の深い土地であることから、寄木細工の魅力をアピールし、次世代へとつなげるプロジェクトを学生たちが企画・実施することになった。
学生たちは企画立案検討当初、箱根や寄木細工についても知らないことが多く、そもそも寄木細工のPRは箱根町でも行っているので、学生である自分たちにどのような貢献ができるのかを探っていくことから始めた。
何ができるのかを学生各自で考えてみて、一人ひとりが作成した企画書を箱根町役場の企画課の方に見ていただいた。そして多くのアドバイスをいただき、次第に企画の方向性が決まってきた。
こうした中、寄木細工の認知や畑宿への観光客の動員アップを最終的なゴール地点として、展示やワークショップを行うといった案が出てきた。畑宿には寄木細工作りを体験できる会館もあるが、現地を訪れた人に向けてPRをしても新たな観光客の誘致にはつながりにくい。そこで、箱根から少し距離があり、人が集まるエリアで開催できないか模索した。その結果、昨年のプロジェクト型授業でCM制作や展示で協力してもらった小田急百貨店町田店において、1月16日(火)から31日(水)までの16日間、「''YOSEGI 寄木130の魅力''展」と題した展示とワークショップを開催することになった。
「寄木」と「YOSEGI」を併記したタイトルには、寄木細工の伝統を次世代へとつなげていくという気持ちが込められており、「130」という数字は、伝統的な寄木細工の文様の数を表している。
展示場所のガラス面に学生が考えた寄木細工の文様をグラフィック化したデザインを貼り付け、その前面に実際の寄木細工をレイヤー構造のように吊して展示。その下には130種類の寄木細工の文様を、その名称と共に展示する。この展示方法は、学生たちが新しく考えた寄木細工の文様と既存の文様を前後に重ねることで、寄木細工のこれまでとこれからを表現しており、それらがつながっていることを、レイヤー構造に込めている。
こうした企画・制作活動は、基本的には学生全員で進めているが、その中でも小田千裕(おだちひろ)さんはリーフレットのデザイン制作を、新川晃子(にいかわあきこ)さんは期間中の1月20日に行われる寄木細工のワークショップの企画を主に担当している。
ふたりはこれまでもプロジェクト型授業に参加しており、昨年は4年生のゼミナールの卒業制作にサポート役として参加している。今回のプロジェクトが以前に参加したものと異なる点について、新川さんは「これまでのプロジェクト型授業でも制作過程で意見を出してはいましたが、今回は自分たちが主体的に進めなければいけない点が大変でした。さまざまな場面で責任も感じましたが、考えたことが形になっていく点には面白さを感じます」と語る。また、小田さんも「期限を決めて課題をクリアしていくことの難しさを実感しました。でも、自分たちで動いていくことを経験できたのは良かったと思います」と話している。
学生たちが約1年間をかけて取り組んできた今回の企画展は、YOSEGIの魅力を再発見することができる展示となっている。概要は下記の通り。
●「''YOSEGI 寄木130の魅力''展」
【展示期間】 1月16日(火)〜31日(水)
【展示場所】 小田急百貨店町田店9階 スカイタウン特設会場
【後 援】 箱根町
【協 力】 小田急百貨店町田店、畑宿寄木会館、箱根物産寄木工芸協同組合
※寄木会館主催の出張ワークショップは1月20日(土)に開催(14:00~、16:00~の2回(各先着10名、申し込みは40分前から開始))、料金800円(材料費込み/人)
▼本件に関する問い合わせ先
玉川学園教育企画部広報課
TEL:042-739-8710
メール:pr@tamagawa.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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