江戸時代、明治・大正時代に流行したヘアスタイルとメークがわかる
ポーラ美術館「日本の化粧道具と洋画でひもとく よそおいの近代」展の関連イベント
ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)では、開催中の「日本の化粧道具と洋画でひもとく よそおいの近代」展に関連して、9月2日(土)に日本髪を結うデモンストレーションイベントを開催します。
本展では、日本の化粧道具や浮世絵、雑誌、洋画を含めた約150点により、幕末から昭和にかけてのよそおいの歴史や美意識の変遷を紹介しています。女性のよそおいの変遷を見るうえで、髪形は重要な要素です。浮世絵や絵画などにも流行の髪形の女性が登場しますが、そこに描かれているのは、既に完成されたよそおいの姿です。本イベントでは、日本の伝統的な化粧を施したモデルを使って日本髪を結い上げる様子を、解説を交えてご紹介します。
日本髪のバリエーションは、江戸時代には数百を数えたといいます。明治時代に入り西洋の文化が流入した後も、しばらくは日本髪が一般的な時期が続きますが、束髪(そくはつ)と呼ばれる髪型が提案され、日本髪は衰退していきます。和装から洋装へ、そしてお歯黒やそり眉などの伝統的な化粧から、新たな化粧文化へと移り変わる時に、髪型もまた新たなものへと変わっていきました。
今回のイベントでは、日本でも数少ない結髪師である林照乃氏に、江戸時代から明治時代にかけて結われた「日本髪」から、明治・大正時代に流行した髪型「束髪」に結いなおすデモンストレーションを、ポーラ文化研究所 シニア研究員の村田孝子氏の解説を交えて開催いたします。
◆開催要項
日時:9月2日(土)14:00~15:30(開場 13:50)
場所:ポーラ美術館・講堂
参加費:無料(要当日入館券)
申込方法:事前申込不要、先着100名
◆講 師
林 照乃氏(はやし・てるの 結髪師)
1947年牛山美容文化学院卒。その後日本特殊美容技術研究所で、日本髪を習得し卒業。山田かつらに入社し、新宿コマ劇場でかつらの結い上げを専任。フリーになった後、テレビや舞台、映画などの仕事でもかつらや地毛の結い上げに活躍。ポーラ文化研究所発行『結うこころ―日本髪の美しさとその型』の中でもモデルを使って結い上げと解説を担当している。
村田 孝子氏(むらた・たかこ ポーラ文化研究所 シニア研究員)
主に日本と西洋の化粧史、結髪史を調査し、セミナー講演、展覧会、著作などで発表。日比谷図書文化館「てらこや」特別講座講師、2005年~ビューティサイエンス学会常任理事、2014 年~江戸東京博物館 外部評価委員。主な著書に『眉の文化史』、『モダン化粧史』、『日本の化粧』、『結うこころ、日本髪は語る』などがある。
■展覧会について 日本の化粧道具と洋画でひもとく よそおいの近代
本展では、幕末から昭和にかけての日本の化粧道具や雑誌などの資料150点を紹介し、近代におけるよそおいの歴史や美意識の変遷をたどります。また岡田三郎助や藤島武二らが描いた近代の女性美を象徴する5点の日本の洋画をあわせて展示し、当時の理想の女性像を検証します。
会期:2017年3月18日(土)から9月24日(日)
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
出品点数:約150点(絵画、浮世絵、化粧道具等)
■ポーラ美術館について (http://www.polamuseum.or.jp/)
2002年に神奈川県箱根町に開館。ポーラ創業家2代目の鈴木常司が40数年間にわたり収集した西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、東洋陶磁、ガラス工芸、古今東西の化粧道具など総数1万点を収蔵。
正式名称:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
代表:館長 木島 俊介(きじま しゅんすけ)
所在地:〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL:0460-84-2111