成城大学(東京都世田谷区 学長:戸部 順一)は、薬物犯罪など再犯率が高い罪に問われた被告について、刑務所ではなく裁判手続きの中での立ち直り(更生)を目指す「治療的司法」の治療的司法研究センターを今春、成城大学に設立した。
設立を記念し、2017年6月10(土)に設立記念講演会を開催する。
●第1部 基調講演
『罪を犯した人』のことを考えるー再犯防止は支援が鍵―
村木 厚子氏 (元厚生労働省事務次官)
雇用均等・児童家庭局長であった2009年、いわゆる郵便不正事件において起訴された。2010年、無罪判決を受ける。
復職後は、要職を歴任。2013年、事務次官に就任。2015年、退官。
現在は、法務省再犯防止推進計画等検討会において有識者構成員を務める。
●第2部 研究報告
林 大悟氏(弁護士・当センター客員研究員)
菅原 直美氏(弁護士・当センター客員研究員)
【日 程】 2017年6月10日(土)午後1時30分~
*参加無料、定員:先着300名
【会 場】 成城大学3号館 003教室
【主 催】 成城大学治療的司法研究センター
【共 催】
JST社会技術研究開発センター(RISTEX)研究開発領域 採択プロジェクト
「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築「多様化する嗜癖・嗜虐行動からの回復を支援するネットワーク(ATA-net)の構築」 研究代表者・石塚伸一(龍谷大学)
【タイトル】 治療的司法研究センター設立記念講演会
【日 時】 2017年6月10日(土) 13:30~16:00
【場 所】 成城大学3号館003教室
【講 演】 村木 厚子(元厚生労働省事務次官)
【研究報告】
林 大悟(弁護士・当センター客員研究員)
菅原 直美(弁護士・当センター客員研究員)
【参加費】 無料(先着300名)
【お問合せ】
成城大学研究機構事務室内治療的司法研究センター
E-mail: rctj@seijo.ac.jp
■治療的司法研究センターについて
治療的司法という言葉は英語のtherapeutic justiceの訳語だが、刑事司法制度について犯罪を犯した人に対して「刑罰を与えるプロセス」と見るのではなく、犯罪を犯した人が抱える「問題の解決を導き、結果的に再犯防止のプロセス」と捉えようという考え方、すなわち治療法学(therapeutic jurisprudence)に基づく司法制度を指す。
既に諸外国では、こうした考え方に基づいて実際の刑事司法がデザインされていて、そうした裁判制度は「問題解決型司法(problem solving court)」と呼ばれている。具体的には、薬物依存症者を対象にした「ドラッグ・コート(Drug Court)」や精神障害犯罪者を対象にした「精神障害者コート(Mental Health Court)」、DV加害者を対象にした「DVコート(Domestic Violence Court)」などが有名である。
犯罪を行った人の中には法律で禁じられた行為に至るまでに、その生活で何らかの原因(各種の依存症)や生活上の問題を抱えている場合が少なくない。そうした原因・問題を除去することができなければ犯罪を繰り返すこと、再犯に容易に至ってしまう。もちろん、刑罰による犯罪抑止効果を否定するものではないが、現在、世界各地で刑罰では抑止できない行為を色々な科学的知見に基づく治療法や解決法によって抑止する機会を司法制度の中に取り込む工夫が進められている。それこそが、治療的司法という考え方である。
本センターはこうしたtherapeutic justice/therapeutic jurisprudenceについて調査や研究を専門に実施するわが国で初めて設立された研究機関である。
【リリース発信元】 大学プレスセンター
http://www.u-presscenter.jp/